やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 #10「それぞれの、掌の中の灯が照らすものは。」
10話アバンは八幡と葉山の会話から!
葉山はいろはすが八幡によって変えられたことを気付いていますね。
多分葉山もいろはすの好意が、ガチで告白してくるまでのものとは思ってなかったんじゃないでしょうか。
しかし場にいる人全体の和を取る葉山は、誰か一人を選ぶことはしません。
この「気持ちは嬉しい」が仮に本気で嬉しかったのだとしても、OKは貰えなかったでしょう。
帰りの電車。八幡にすがっちゃういろはす。
素直に甘えられなくて、荷物持ちを口実にしちゃうのが高校生の女の子って感じでいいよね…。
普段ぼんやりしてる胡散臭い先輩のアツい面を見ちゃって感化されはす。
葉山好き、っていうのは人気の先輩好きって言っておけば男避けになるし、あわよくば付き合えたらイケメンGETでラッキーくらいのものと思ってたので、
ここで本気で葉山のことが好きだったのが見えて、だいぶ印象が変わりますよね。
本作は基本八幡の目線で話が進むので、彼女らの見てる葉山の姿はあまり見られません。
どんくらい完璧超人演じて女の子をメロメロにしてるのか、一度見てみたいですね。
生徒会役員と奉仕部メンバーで集まっての会議。
デスティニーランドといろはすの告白で吹っ飛んじゃいましたが、今は目の前のイベントを成功させることが大事です。
雪ノ下とガハマさんも一度出席したことで、では改めて問題をクリアーしましょうという話。
あの会議の問題点は、決定を決められる人が存在していないこと。
全員が同じだけの権限を持ってアイデア出しに終始しているので、じゃあこれで決定!と言える人がいない。
まして、結成したばかりの生徒会であり、総武高校と海浜総合高校のメンバーは初対面。
大鉈を振るえる人が一人もいない状態です。
生徒会役員たちは波風を立てない方向に進めようとするものの、この場で一番の決定権を持ついろはすが、やると決断を下す。
告白を通して、一皮剥けた感じですね。
今のいろはすの言う「本物」の中に生徒会長としての自分が含まれていたりするのでしょうか。
いざ会敵。
八幡の解説どおり、会議を進めようとする総武高校に対して海浜総合はあくまで話し合いを続けようとする。
「自分はできると思いあがってたんだよ」
「自分の失敗をごまかしたかったんだろ」
玉縄に指摘を告げる八幡の言葉は、まるで自分を責めるかのよう。
ということでようやくはっきり見えてきましたが、この会議は作劇上、これまでの八幡がどういう存在だったかを改めて八幡に見せつけ、そこからの脱却を図れるかというターニングポイントになるシーンでした。
夏合宿で取った策の結果→ルミルミの現状を見せつけられたり、言葉を弄してごまかしを続ける会議→八幡のこれまでのやり方を客観的に見たり、
と八幡にとっては苦しいことの連続でした。
それを平塚先生の助言により、決意を固め、本物が欲しい、と吐露して雪ノ下・ガハマさんと一緒に改めて向き合ったおかげで
会議の誤りを指摘する形で過去の自分を払拭、新しい一歩を踏み出すという構造です。
そのものさしとなってくれるのが、折本の存在ですね。
八幡がいつの間にか、中学時代とは違う存在になったことを教えてくれます。
「お遊戯的なことは外でやってくれる?」
的な、これも自分を戒める言葉ですが、相変わらず言葉のナイフの切れ味は充分。
おもいっきり切りつけられて油断してる隙にガハマさんがまとめちゃうのはこれ詐欺師のテクニックじゃないかな…。
場に決定権を持つ者がいない以上「なんとなくOKな感じ」になれば、それは決定と同じ意味を持つ。
決定権を持つ人がいないので、それはやめよう!と言っていい人もいない。
狙ってやったわけじゃないでしょうが、ガハマさんの同調作戦のこうかはばつぐんでした。
娘に怒られるお父さんとお母さんみたいな。
「ふ・た・り・に言ってるんですよー」
いいって自分から言い出したくせに、八幡が去ろうとするとこの表情!
「俺の方がもっと一人でできる」
はいい台詞ですね…お前レベルのぼっちなど俺から見れば大したものじゃないぞって
そんなこと言ってくれるのはルミルミの周りじゃ八幡くらいでしょう。
そして八幡は、そんなルミルミがいつか誰かと一緒に歩けるようになるときの予行演習として、演劇への参加を促す。
最近の私はその「誰か」が数年後の八幡にならないものかと、そういう妄想でいっぱいです。
そしていよいよ始まるクリスマスイベント。
まさかの1期OPでテンションめっちゃ上がっちゃったわ!
八幡がいろはすのことを「会長」って呼ぶの超良いですね…。
登場エピソードがまるごとカットされてた川なんとかさんとその妹も登場。
原作だといろはすと八幡が2人でクリスマスイベントの協力を取り付けに幼稚園に向かうシーンがあって、そこで川なんとかさんと一緒に登場していました。
小町で慣れていたおかげで、幼子のあしらいが超上手い八幡のシーンは必見。
全て終わって、夕暮れの部室。
1期12話で文化祭が終わったあとのワンシーンを思い出します。
2人から八幡へのプレゼントは、一緒にお茶を飲むための湯のみ。
この部を、この場をこれからも続けていきましょうという2人からの八幡へのアンサーですね。
ちなみに打ち上げを兼ねたクリスマスパーティは原作10巻特典のドラマCDで聞くことが出来ます。
10話は密度が濃いですね…。ここから先は原作10巻の内容です。
クリスマスパーティから一週間、新年を迎え初詣に。
当然八幡から奉仕部の2人を誘うはずもなく、小町の計略です。
雪ノ下と二人きりにするのも小町の計略。
ここの「バカ!ボケナス!八幡!」は八幡と小町のやりとりで一番好きです。
ガハマさんとのデートは残念ながらダイジェスト。
原作だとちゃんとやりとりが見られますので、ガハマ派の人はおすすめ。
ちなみに今回も八幡は小町を付き添いにしていたのですが、早々に逃げられています。
この人八幡らが学校の外歩いてるとほぼ確実に出てくるよな…。
「比企谷くんだー」
ガハマさんのことは眼中にないようです。
相変わらず意地悪いなこの人!
原作では通話のあと画面をおしぼりで拭いてから返す律儀さの八幡でしたが、アニメではスマホが顔に当たらないようよけて通話してますね。
細かい演出が細かい。
呼んだのは家族会に呼び出す口実でもあるでしょうが、
やっぱ八幡とガハマさんが雪ノ下に内緒で買い物してた、ってとこ見せたかったのかなー。
「雪乃ちゃんもだいぶ急いできたみたいだし…」
珍しく葉山のポカ。幼馴染という事情を知ってる人しかいないのが幸いでしたね。
葉山はいろんな顔を使い分けています。
目下ラスボス候補の雪ノ下母登場。
パッと見まっとうな、上品な母親に見えますがそれは陽乃さんの母親。
内面までまっとうなわけがありませんよね。
そして11巻での話の軸となる、雪ノ下のこの八幡に縋るような表情。
陽乃さんの「駄目だよ」はわがままを言うんじゃあないって意味ではなく、
他人に縋って自分の意見も言えないようでは駄目、という意味でしょう。
火種に着火寸前の爆弾が大量に出てきたところで、10話はおしまい。
長い原作の編集がとても上手く、かつ尺をしっかり取ってくれたおかげで。これまででもかなり長い感想になってしまいました。
一言触れておきたいシーンが多すぎるんだよこの辺は…!