
『ロックマンX6』から2年後の発売となった本作。
ゲームハードがPSからPS2となり、それに伴ってか完全3D化を果たしたロックマンX。
それが吉と出るか凶と出るか…。
凶と出たロックマンX7
駄目だった…評判の良くない『X6』も実際に遊んでみたら楽しかったんだけど、残念ながら『X7』はロックマンXではなかった。
横スクロールアクションじゃないのは良い(良くないけど)。
3Dになったのも駄目じゃない(良くもなかったけど)。
ただ、ロックマンX1から連綿と紡がれてきた「バスターを当てて敵を蹴散らし、ダッシュでステージを駆け抜け、壁ジャンプで障害を乗り越えるアクション」が全部出来なくなってるのは本当に駄目。

3Dになり、新キャラも追加されたことで奥行きや新アクションが実装され、出来ることは結構増えているのですが…その代わりに、これまで出来たことがほとんど出来なくなっているのがこの『ロックマンX7』でした。
これは本当にキツかった…「遊んでいてロックマンXっぽくない」というのは、本当に嫌だった。おれたちはロックマンXをやりたくてロックマンXを選んでいるんだよ。
これが例えば番外のスピンオフ作品「ロックマンアクセル」みたいなタイトルだったら気にもしなかったと思う。
だからといってゲームとしては面白かったということもあまりなく、エックスのチャージがリセットされるなんていう操作感を損なう不愉快なバグがあったりもしていて、ハッキリ言ってゲームとしては3流がいいところ。

もたもたした動き、敵を照準できないロックオン、当たった感のないダメージ演出、劣悪なカメラワーク、爽快感のないダッシュなど問題点多数。

一方、ストーリー描写は3Dを上手く活かしており、アニメーション演出も今見て色褪せないトゥーンレンダリング的な良さがありました。
新キャラのアクセルと、彼に対立する軸を持つレッドも味のあるキャラクターになっていて、キャラクターの見せ方はとても良かったです。
新登場のアクセル

『X7』のメインはなんと言っても新主人公のアクセル。
エックスやゼロとは違う子どもっぽいキャラクター、しかしイレギュラー相手に戦う自警団の顔も持ち戦いへのためらいがない姿など、なかなかエックスと対比的なデザインをされています。

初登場だけに、アクセルのキャラクターを魅せるための演出は、ゲーム冒頭のムービーシーンから、ボスを倒した事に見られる会話パートから、そして古巣の元仲間たちと戦う前のボス会話からも伺えます。
本作ではほぼエックスに代わる主役として登場していますが、一方で後輩ポジションからエックスやゼロに憧れるような側面も持っており、ロックマンXシリーズを乗っ取ってしまったような印象はありませんでした。
これがプレイ前はちょっと心配だったんだけどね。良い「後輩キャラ」になっていました。
ボス全員と「顔なじみ」のアクセル

さて、本作の8ボスである「レッドアラート」は、もともとアクセルの所属していた自警団組織だけあって、全員がアクセルと顔なじみです。
気さくに喋る相手もいれば、もともとお前は気に入らなかったぜ!という奴もおり、キャラクターとしての個性が立っています。

一方でエックスやゼロで勝負に挑むと、自警団だったレッドアラートに対しての正規軍であるイレギュラーハンターですから、つのる憎しみや怒りをぶつけてくることもあり、アクセルにしかドラマがないわけではないのも偉い。
ゲームの過程で倒して(殺して)しまう相手だけに、その良さも儚いものですが、この8ボスと、リーダーのレッド含むアクセルたちの過去話が見たくなるくらいには魅力的な連中になっています。
360度のボスバトル
一部、2D横スクロールのみでのボス戦もありますが、基本的にボス戦は360度のフリーランでのバトルになります。

カメラワークやロックオンの性能が低いので良くない点も多いのですが、これまでの横画面では見られなかった演出や、2Dではできない戦い方をしてくるボス戦はどれも結構楽しかった。こればっかりはロックマンXを3Dにした意義があったというもの。
ボス戦の地形が独特だったり、ユニークなステップワークでこちらの照準を外してきたり。
少なくともボス戦に限っては、3Dにした意味がなかったというようなことはありませんでした。
慣れれば相手の背後を簡単について、ノーダメージでのボス撃破も可能になるし、立ち回りを理解しているかどうかの重たさという意味で、そこはロックマンXしていたと思う。
キャラチェンジシステム
これまでも『X3』でゼロチェンジが出来たりはしましたが、『X7』ではステージ進行中にキャラを切り替えできるようになりました。
キャラはHPと武器エネルギーを個別に持っており、上手く切り替えれば実質HP2倍と思ってプレイ可能。
武器エネルギーも個別なものだから、ボス戦で弱点を突くときにも便利です。
その代わりかわからんけど、今作の特殊武器はエネルギーの燃費が死ぬほど悪く、ひどいものだと3発撃てないものがあったりするんだけど。
キャラチェンジする意義がある点としては、ちょっと高いところにあるアイテムはゼロに切り替えて二段ジャンプを、高いところから飛んでいける場所の要救助者にはアクセルのホバリングを…みたいに、状況に応じて切り替えられる点。
前作はアナザーステージ行くために、高さが必要だからここはゼロで…とかあったんだけど、ステージ内で切り替えられるのは本当に良い。
これが『X6』にあれば、秘密研究所ステージ2-2での詰みポイントも解決できたのにな。
3Dであることを活かした多数のイベントスチル

前作までは一枚絵で表現されていた会話シーンですが、本作からは3Dモデルがあるため、会話に合わせた情景を3Dで描写してくれるようになりました。
更にそこに添えられる立ち絵も、細かく感情の変化に応じて切り替わるようになっており、会話シーンのリッチ感は歴代でも最高レベルです。更に当然フルボイス。
不満点一覧
さて、ではせっかくなので不満点も書いておこう…。
今更居ないとは思うけど、今からX7をやる人がいたら、これを把握した上でプレイするといいよ…ということを書いておきます。
ただ、本当に愚痴っぽい内容になるので、一応隠しておきます。
クリックで展開します。
ロックマンX7の駄目なとこリスト
エックスが病んでる

エックスは冒頭「また無駄な戦いをしなければならないのか」「もう戦いたくない」と言い、レッドアラートとの戦いを降りてしまいます。
物語が進めば結局復帰してくるんだけど、エックスって人類とレプリロイドの危機に、自分の気持ち最優先するような奴だったかなあ…。
戦いたくないにしても、ベースに閉じこもってしまうタイプではないと思うんだけど。ちょっとステージに出たら大勢のレプリロイドが救助待ってるんだぜ?
戦っていては平和は掴めないと言いながら、戦わない代わりの代替案は出せないのも印象が悪い。
結局犯罪者による集団テロへの対応はゼロとアクセルに丸投げしたわけで。
いっそ冒頭はもう引退してたってことにしてハンターベースには不在で、事件を聞きつけて復帰してくるくらいで良かったと思う。
チャージリセットバグ
エックスを操作している上で最大の問題点。
それはジャンプから着地する瞬間にチャージショットを撃とうとすると、チャージが消えてショットが撃てなくなるというもの。
ロックマンXにおいてジャンプというのは、位置取りであり回避であり攻撃である最優先アクションの一つ。
実際にこのゲーム中にも、攻撃の前後に多数のジャンプを要求される場面が多くありますがそれらすべての戦いで足を引っ張るのがこのバグ。
これはもう…プレイ中何度もイライラさせられたし、できれば移植の際に直しておいて欲しかった…。
ウオフライやレッド戦はジャンプする場面が特に多いので、何度このバグで攻撃のチャンスを逃したか知れない。
アクセルの操作が虚しい

アクセルはチャージショットを持たず、攻撃は基本的に豆玉の連射のみ。
どんな敵が来ても連射しかできないし、敵がガードを固めている間はアクセルにやれることはありませんし、連射してもボスは無敵時間があるため連射自体の意味も薄い。
これがもう致命的にアクセルをつまらなくしていて、逆にロックマンXってゲームはチャージ時間とアクションの兼ね合いがゲームの本質だったんだなと気付かせてくれた。
事前の戦闘準備が出来ないので、アクセルで出来るのは場当たり的に前に飛び込んでいき、オートのロックオンに任せてプレイヤーはボタンを連打するだけ、という操作になりがち。何が楽しいんだこれ。

また、コピー能力もそもそもコピーできる対象が少なく、コピーしたキャラの性能自体もだいぶ難がある。
ステージギミックや要救助者を助けるために使われることはあるけど、それがないなら一切用がないレベルの代物。逆に言うと、攻略のためにやむを得ず使わされる。
最悪なのが、チャージショットで敵を倒さないといけないけど、敵のHPはこちらからはわからないから、貧弱なチャージショットで敵が死ぬまでもたくさしないといけないこと。
せめてチャージショットを当てたらコピー可能状態になって、その後はどうやって倒してもDNAデータをドロップする、みたいなのにしておいてくれ…。
ゼロのセイバーが遅い

『X4』でメインキャラとして使えるようになって以降、セイバーのコンボが基本だったゼロ。
だが今回のゼロはセイバーの振りが死ぬほど遅く、ボスが前後だけでなく左右にも避けるためコンボの意義自体も薄め。
しかもジャンプ斬りが何故かタテでなくヨコ振りのため、これも当たり判定が小さいという。
もともと難易度の高いゼロが、更に使いづらくなって帰ってきた、という感じ。
壁ジャンプが死んだ
この先もいくつも不満を挙げるけど、一番駄目だったのはこれ。

なんと本作には、ダッシュを入れて壁ジャンプすると途中で失速するという謎の仕様があるのだ。
高いところからダッシュジャンプで飛距離を稼ぐことは出来ないし、壁を早く登るときはダッシュキーを入れないほうが早く登れるし、ダッシュジャンプで一度壁から離れてまたすぐ戻るというモーションは求められなくなりました。
ここが一番腹立つ。
『X7』を開発した人は多分ロックマンXシリーズやったことない。
3Dになったせいで当たり判定が判然としない
横スクロールドットアクションだったときは、ものすごくわかりやすかった。
2者のドットが重なればヒットです。

それが本作から3Dになったため、当たり判定が目で見えなくなってしまいました。
画像のは巨大なメカニロイドの懐に入っていますが、当たっていません。
どこまで接触すればヒットボックスに触れたことになるのか、どのくらいの距離を置けば回避できたことになるのか、全くわからない。
これが場当たり的な接近と連射でゴリ押しをさせる要因の一つになっており、ゲームを「上手く」攻略しようという意欲を減退させています。
ロックオンがいまいち機能してない
まず最初に、このロックオン機能は照準を定めるだけのもので、カメラの固定をしてくれないという点を理解する必要があります。
大抵のゲームはロックオン対象+プレイヤーキャラの同一直線上にカメラが来るように動いてくれるんだけど、そういうのはナシ。
ロックオン対象がカメラの外に出ていったらロックオンも切れます。
また360度アクションのときは、ロックオンしていてもキャラの角度次第でバスターが明後日の方向に飛んでいくこともあり、そもそもロックオンとして信用できないところがある。
カメラワークが劣悪
横スクロールモードのときも、ジャンプする先が見えないとか足元に床があるのか判別できない問題があるけど、3Dモードでは更にひどい。
まずカメラが近すぎて、地形も敵の位置も全然わからない。
ロックオンカーソルが出るので画面の外側に敵が居るんだろうけど見えないし、見えないけど撃っておけば当たるので敵は倒せる、みたいな場面すらある。

一部の屋内ステージでは、曲がり角の先を(劇中のアクセルたちには見えているはずだが)プレイヤーには見せてくれないという始末。
それはホラーゲームが恐怖を煽る時に使う演出方法なのよ。

一部のボスはボス部屋を縦横無尽に駆け回るため、せっかくロックオンしてもカメラがついていけず、攻撃チャンスを逃すこと多数。
これまでチャージとアクションの2つをコントロールしなければいけなかったところに、カメラ操作という3つ目の要因が混じってきた上に、その要因が求められるボスに限ってボス部屋に落とし穴などの即死トラップがある。
それがロックマンX7なのです。
要救助者システムが更に悪化した
前作はナイトメアウイルスに侵食されると死んでしまうという設定でしたが、本作ではなんとあらゆるエネミーの攻撃に被弾するだけで即死してしまいます。

そんな奴がマップ中に配置されており、それがよりによってエネミーの前方数センチの距離で待ってたりする。
お前助かる気ねーだろ!
そういう要救助者は、そこにいることをプレイヤーが把握した上で、被弾覚悟で飛び込まないと助けられません。
何考えて設計したんだ。
『X6』以上に即死する要救助者たちが、ライフアップや強化チップを持って待っている上、『アニバーサリーコレクション2』には要救助者全員救出のトロフィーが用意されています。
お前それは絶対にやっちゃいけないことだっただろうが。
雑魚敵が無から急に湧いてくる

マップを歩いていると、さっきまで何もなかった空間にシュッと雑魚敵がワープ?してくるように現れる場面が多数。
これはある程度、敵の湧きポイントにキャラが接近したタイミングで発生するため、意図しないタイミングで足を止めさせられる上に、先制攻撃のチャンスももらえなくなるという、二重苦の仕様。
SEの音量バランスがおかしい
SEが全部バラバラに設定されており、倒した敵が爆発するSEだけでも数種類あるそれぞれで音量が揃っておらず、本当にめちゃくちゃ。インディーズでももうちょっとマシだぞ。
更にアイテムを獲得したときのSEが異様なほど小さくなっており、取得ができたかどうか音では判別できないほど。
また、ライフアップ獲得時の印象的なSEなどは、本作でリストラされてしまいました。
攻撃が当たったときのヒットストップがない
「ヒットストップ」とは、攻撃が敵に当たった時に一瞬画面が止まり、ダメージを与えた感を盛り上げてくれる演出のこと。
ロックマンXシリーズでは、ボス戦に多段ヒット攻撃を当てたときの演出なんかで見慣れた人も多いはず。

それがなくなっており、攻撃を当てても敵が白く点滅するだけ。
前述のSE音量めちゃくちゃ問題もここに絡んでおり、攻撃が当たったかどうかすら判然としない。
つまり攻撃したときの爽快感が全く無いということでもあります。
背景がうるさくてキャラや特殊武器が埋もれる
これは3Dの弊害と言っていいと思うんだけど、これまでと違ってプレイヤーキャラも敵も背景も、同じ密度感で設計されています。

そのせいで画面の情報量が多くなってしまい、敵の投げてくる小さなボムなどはすごく見づらくなっています。
被弾してから始めてそこに攻撃が飛んできていたことに気付くくらい。
UIが歴代最低の不便さ

セーブやリトライなどの選択時、なぜか「はい」ではなく「いいえ」がデフォルトになっている。
意図せず前の画面に戻ってしまうことも多々あり、本当に鬱陶しい。
また、セーブ中は会話ウインドウが邪魔するせいで、所持済みのアイテムやアーマーが良く見えない。
会話ウインドウを閉じる手段がないので、このセーブ画面のインターフェースを妨害ナシに見る手段もないのだ。
会話がスキップできない
ムービーパートは飛ばせるんだけど、ボス前会話などは文字送りも出来ない上にスキップもできない。
最悪なことに、ボスに負けてリトライするときはこのボス前会話からやり直し。
エイリアが話しかけてくる
『X5』で多くのプレイヤーにウザがられたエイリア。
『X6』では反省したのか、会話ポイントでは会話アイコンが出るだけになり、ボタンを押さないと話しかけてこない仕様になりました。
『X7』でも基本はそうなんですが、なんと会話ポイントで「聞こえる?アクセル!」と声をかけてくるようになりました。
しかも何度も。
ポイント上で前後往復していると、連続で「聞こえる?アクセル!」「聞こえる?アクセル!」「聞こえる?アクセル!」と話しかけてくるようになりました。
テンポさえ阻害しなければ何しても良いと思ってねえか?
ゲームのボリュームが根本的に薄い
3Dになったせいか、ステージ自体が短くなってしまいました。
前作にあったアナザーステージもなく、ダイナモのようなエクストラボスもなく、エックスのアーマーも一種類になったし、遊びの幅がとても薄くなりました。

3Dを活かしたステージ自体は一部で出来ていたんだけど、やることが少なくなったデメリットの方が大きい感じはある…。
結構並べてしまったけど…まあこれくらいか。
『X5』や『X6』と比べてシンドイのは、『X7』の駄目さってゲーム中常に付きまとう要素ばかりで(要は根底の仕様レベルでの不満)、ゲームに慣れたら気にならなくなるとか、ゲームの要点を掴めばプレイスキルで対処できるって類のものではないんだよね。
ただボスステージなど、要所を区切って判断すると粗がある程度隠れもするので、ゲーム全面を十全に楽しもうとせず、自分の肌に合う部分を見つけられたらいいですね。
私はボス戦は割と良かったと思っているので、歴代シリーズでも初めてシグマ前のボスラッシュが一番楽しいロックマンXになりました。
ボス戦感想
ということでせっかくなので、楽しかったボス戦部分の話もしよう。
ここは本当に個性があって楽しかったところです。
バニシング・ガンガルン

個人的に戦っていて一番楽しかったボス。
最初にライドアーマーに乗って襲いかかってくる、というのがもう面白い。
ただしこのライドアーマーの攻撃は回避しやすく、マトも大きいのでちょっと慣れたプレイヤーならノーダメージで倒せる程度のスペック。
アーマーを破壊すると、ライフゲージをリセット…どころかライドアーマーの2倍くらいの長さのゲージを引っ張り出してきて、第2ラウンドが始まる。

カンガルーモチーフのレプリロイドがボクシングスタイルで襲ってくるということで、ステップでこちらの射撃を回避しながら襲ってきます。
適当に撃っているといつまでも攻撃が当たらず、相手の行動パターンから弾を当てられるタイミングを見つけて撃つ、という工夫が必要になります。
マップを広く使っており、3Dのフリーランを上手く活かしているボスです。
本作のロックオンシステムの駄目さを実感するボスでもあるんだけどね…。
トルネード・デボニオン

本作のコミカル担当。なんと玉ねぎモチーフという、今まででもあんまりいないボス。
食品モチーフのボスとなると、『X2』のワイヤー・ヘチマールや『X4』のスプリット・マシュラームくらいだろうか。
見た目には普通のボスなんだけど、体を覆っているアーマーが非常に固く、これをまとっている間はダメージを受けません。
皮を剥いて攻撃に転用してきたときだけ、アーマーが剥がれた本体に攻撃が可能。
まず何時ダメージが与えられるかを理解し、そのアーマーが剥がれるタイミング=敵が攻撃をしてきたとき、というのが良い。
こちらのダメージが通せるのは、敵が攻撃を始めた瞬間のみなのです。

一方、このアーマーは壊すことができるため、上手くやればアーマー装着状態でもダメージを与えられるようになります(時間経過で復活するけど)。
特定の角度からの攻撃なら受け付ける、というのも3Dを活かしたギミックですね。
なおボスとしてはかなり弱く、攻撃も避けやすいものばかりなので初心者向け。

ちなみにエックスで行くと、ボス前会話ですごくシリアスな展開が見られます。
一番ふざけたおしていたこいつが、自分たちが操られていることを自覚しており、エックスに自分たちを殺してほしいと懇願してきます。
これで一気にこいつのこと好きになっちゃったよね。
スプラッシュ・ウオフライ

キャラ的には卑怯者で性格も悪いのですが、こいつの攻撃は「タイミングさえあればジャンプでかわせる」のがポイント。
3Dの奥行きあるマップで、敵との距離感、次に来る攻撃の予測を立てながらジャンプ+ホバリングやグライドで時間を稼ぎ、一瞬の隙をバスターで突く。
本作では珍しく「ロックマンXしている」ボス戦が楽しめます。

マップは海に浮かんだ3つの瓦礫の上となっており、任意に移動することができます。
海に潜ったウオフライはキャラの背後を突くように襲ってくるため、能動的に移動しない限り、一つの足場の上で戦うことが可能。
レッド

事件の中心人物であるレッドアラートのボス。
ストーリーの中で、意外にも力に溺れずシグマの協力に感謝しながらも「行き過ぎた力は不要」と断れる胆力を持った男。しかしそんな良識がシグマに通用するわけがなかったのだ…。
小規模な悪党が真の悪にいいようにされて身を滅ぼす、というのはどことなく洋画っぽさがある。

ストーリーではいい味を出している男なのだが、戦うときは小さな足場の上を飛び回らされるクソみたいなバトルをさせられる。
ジャンプに失敗して落ちれば当然即死。ゲイト戦の楽しくなかった部分だけ引用するんじゃないよ。
レッドは足場の上にランダムで転移して攻撃してくるのだが、この足場の距離が絶妙に最悪で、カメラ次第でギリギリロックオンしてくれない場面がまぁまぁあるのだ。
攻撃するだけの時間とチャージはしてあるのに、ゲームシステムが攻撃をさせてくれないのは本当に駄目。
あと無条件でこっちの攻撃を完全フルガードして反撃してくるのもズルすぎる。
二回攻撃して一回分しかダメージが通らないのもあって、無駄に長期戦になる割に凡ミスで即死があるという、本当に良くないボス。

死に際がかっこよくなかったら本気で嫌いになっていただろう…お前X7のストーリーパートの出来の良さに感謝しておけよ。
シグマ

おなじみのケツアゴ男。『X6』のくたびれぶりはどこへ行ったやら、しっかり準備した姿で襲いかかってくる。

第一形態は2D横スクロール画面での戦闘になり、多彩な反射弾を遮蔽物を使って避けながら戦うことになる。こいつをノーダメージで倒せる人っているんだろうか。

時折マップ中段あたりを埋め尽くす巨大ビームを撃ってくるのだが、マップ上の足場に逃げると一転攻撃のチャンスになる。
戦い方を何度も見て、攻撃のチャンスを見つけるのが大事。

そして第二形態では、おなじみ巨大メカを装備して襲いかかってくる。ちょっと昭和レトロ感あるデザイン。
これまでも画面に収まらない巨体と戦うことはあったが、今回は開けた空間と3Dを舞台にして巨体を存分に振り回して攻撃を仕掛けてくる。

シグマを半円形で囲むように足場が浮いており、状況に応じて移動すると効率よく戦うことができる。
初期足場は広くて奥行きもあるため回避が楽なのだが、距離的にバスターがシグマに届かないのだ。
射程の長い「スナイプミサイル」なら遠くで待機しているシグマにも当たるが、連射ができない武器なのでDPSはかなり低い。

左前の足場に移動するとバスターが当たるようになるので、落下死のリスクや回避のための足場が狭くなるリスクを負いながらも、前に出て戦ったほうが勝利は近くなると思う。
こいつの革命的なところは、死んでも第二形態からのリトライが出来るということだ。
そのおかげで第一形態のシグマがちょっと印象薄いところもある…。
本作で一番楽しかったのはこのシグマ戦でした。
楽しいよりしんどいの方が多い、さすがに厳しいロックマンX
褒めようと思えば褒められるところはあるけど、否定しようと思うと褒めポイントの倍以上の駄目ポイントが出てきてしまう。そんなゲームでした。

改めて言うけどボス戦は魅力的な部分もあって、全部が全部駄目な作品だったというわけではない。
ただ、肝心のステージを駆け抜ける爽快感というものが完全に死んでいて、それを求めている人間にはかなり辛い作品になっています。
アクセルのコピー能力も、大量に敵がいる中で対象になるのがたった5体という少なさで、しかも一部のアイテム取得や、要救助者を助けるのに使われるだけ。
敵のDNAを取得したらすぐに変身してしまって、時間経過で強制的に効果が切れちゃうし。
強コピーをストックしておいて、ステージのどこかで使えばものすごく刺さる!みたいな要素くらいは欲しかったなあ。
せっかくの3Dを活かせていない、というか足を引っ張ってしまっているわけで、それが勿体ない作品でした。
どうやら『X8』は3Dながらも、アクション自体は2Dだそうで、ちょっと楽しみにしております。