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戦姫絶唱シンフォギアG 感想

2013/10/06

撮りためて一気見したけど、
一気に見てしまうのがもったいないくらいエンターテインメントにあふれたアニメだった!

各回必ず入る挿入歌もさることながら、熱くてかっこいいキャラクターたちやネタに事欠かない展開、王道から外れることのないクライマックスなど、一切文句なしに楽しめるアニメでした。


「この拳も、命も!シンフォギアだ!」

特に惹かれるのが主人公である立花響のカッコよさ!
劇中ではまぁもう勘弁してあげてよってくらい重荷を背負うことになるのですが、それのことごとくを気合と根性と絆で乗り切っていくタフさがたまらない。

トラウマほじくられたり人間じゃない何かになりそうだったり親友洗脳されたり、といくら主人公でもそのうち1個あれば充分じゃないですかね…っていう展開が山盛り。

特に体がガングニールに侵食されて、これ以上変身すると命にかかわるよって言われてからの、
友達の前に当たり前のように飛び出して変身して上のセリフ叫ぶシーンでね。
ちょっと泣いてしまいましてね。
歳重ねると全力でかっこいいシーンに何故か胸打たれて泣くよね。


その後の場を収めるのがマシンサキモリ―で飛んできたSAKIMORIっていうのが吹くけどね…。
ギャグとシリアスとシリアスなギャグをごちゃまぜに詰め込んでくるからこのアニメは油断できない。
それっぽく見せてるけどバイク自体は一切変形してないとかすごい。


クリスちゃんは可愛かったです。

いや、戦闘でもかっこよくはあるんだけど、メインストーリーにあまり絡まないというか。
多分だけどクリスちゃんの話は1期で片付いてて、
今こうやってビッキーたちと一緒に戦って、学校通ってるってこと自体が大事なんだと思う。
1期のストーリーぼんやりとしか知らないけど…。


そのかわりかわからんけど、SAKIMORIはとにかく機転の効く頼もしいシーンが多かったですね。
切ちゃんの必殺技さらっと回避したり、背後から後頭部撃たれて無事だったり。
後頭部に銃弾食らって包帯で済むって、この人何したら死ぬんだろう…。


一方で世界中に宣戦布告をしたFIS組。

こちらはちょっと拍子抜けというか。
敵対こそしてきたけどライバル感はあんま無かったというか。

真正面からぶつかり合ったのは4話目くらいまでで、
その後はこちらが「悪者」の枠から外れてしまったので、
倒すべき敵ではなくなってしまって、結果戦いがあまり盛り上がらなかった感。


平和にしていると可愛い歳相応の子という描写が多くて。
そんな子たちが正義の為に悪を成そうとしているっていうのは燃えるところではあるんです。

でもそのうち行動そのものに迷いを持って、フィーネに絡んだ葛藤も出てきてしまって、やっぱりこの二人も「悪者」ではなくなってしまう。

悪者でなくなること自体はいいんですが、悩んだ結果この二人で戦い始めてしまうおかげで、いまいち進行方向の先に立ちふさがっている感がなくなってしまったんですよね。
主人公であるビッキーたちと別のラインで物語が進行している感じ。

調の「偽善者」発言も、切ちゃんの(勘違いとはいえ)悩む「フィーネの侵食」も、特に劇中具体的な山場を迎えることなく終ってしまった感じ。
色々ともったいないなあと思わざるを得なかったです。


そんな中最後まで悪役でいてくれたのがウェル博士。
正直シンフォギアGのキャラクターの中で一番好きです。
ビビっても無様に転げ落ちても諦めずにここまで辿り着いた執念を褒めてあげたい。

中の人の熱演もあって、悪役という個性を見事に魅力にしていました。
「奇跡が一生懸命の報酬なら、僕にこそォ―――!」は間違いなく名言。本当に頑張った。

最後まで見るとマリアたちは「悪者」ではなくて「迷いながらあるべき道を探す主人公」側の人間とわかるのですが、そういう着地点にたどり着くとわかるまではふわふわした根性のない敵に見えてしまったため、
一切ブレない博士がいっそう好きになりました。

なんというか、シンフォギアGの物語って2つのラインがあるんですよね。
月の落下を阻止するために誰からも褒めてもらえない孤独な戦いに望むFIS組とその事情は知らずテロリストとしてのFISを止めようとする2課組の2ライン。

敵対こそすれ、彼らはどちらも自分の正義と信じるもののために前に進む話であって、そもそもが2つが対立してぶつかりあってどうこう、っていう話ではない。
ウェル博士が暗躍したしFIS組も正しいやり方ではなかったから2課とぶつかったけど、そもそもこの2組が戦う必要なんてものはなかったわけで。

だからこそフロンティアにたどり着いてからは2課VS FISって構図にはならなかった。
話の中で少しずつズレてきてしまったところを正したり、これ以上の被害拡大を阻止するために策を講じたりとそれぞれの戦いが続いた。

ので、新しい奏者VS2課って構図は最初からなかったようなものなんですよね。多分。
2課の役目はFISを止めようとして、止めてあげて、最後には手を繋ぐことだった。
ってことを理解してから見直していくとだいぶ違って見えました。


それはそうと、なんなのこの人


なんなのこの人!

OTONAたちがとにかく頑丈で頼もしいのもこのアニメの特徴でした。
マム合計何リットル血を吐いたの…そしてそのアーマード車椅子は何なの…。


そして外せないのが393の存在。

もうね。最高だった。

「戦うべきではないキャラクター」っていうのを逆に全面に生かしてた。
洗脳されて出陣。
大好きな友達が、もう戦わなくていい世界のために戦う。
弱いんだけどシンフォギア特効持ちでみんなを追い詰めていく。
そして満を持してビッキーとの対峙。

撃墜ではなく、ギアを破壊しての決着もとても良かった…。
ビッキーの内側を蝕むガングニールも消えたし、これが最終回ですって言われてもいいくらいだった…。



ギアのデザインも最高にクールだった。
足に比重を置いたホバー飛行といい、腕から伸びる鞭といい、戦闘時に閉じるヘッドギアといい。
そして固定ポーズから放たれる超極太ビーム!
歌いながら放たれる流星はもう何これラスボス?って感じだった!

そして挿入歌の「歪鏡・シェンショウジン」の重さ。
みく→ひびの募りに募った想いが詰め込まれすぎてて迂闊には聞けないレベル。

私は絶対譲らない もう遠くには行かせない
こんなに好きだよ ねえ 大好きだよ

事件性を感じるレベルの重い愛。
実際未来さんはこの段階でビッキーの体が人間じゃなくなってきていることを知っているので、
その想いの切実さも焦りも、視聴者と同じ目線で危機感を覚えていっているのです。

ましてビッキーは「自分の命を使いきってやろう」という若干破滅型な思考の持ち主。
このままだと死ぬというのに平気へっちゃらと言ってSAKIMORIに怒られてたりしましたが。
おかげで「ビッキーが戦場に立つ」=「遠からず死ぬ」というのは一切冗談ではないという。

どう思われようと関係ない
君一人だけには 背負わせたくない

私は絶対許さない こんな自分を許せない
だから戦うの そう 戦うの

上記したとおり、未来は本来戦うキャラではないんですね。
そういうキャラが戦場に出てきてしまうっていうことに、少年漫画とかだとよく批判が出ます。
誰も彼も戦闘キャラにしてしまうのはどうか、と。

武装錬金とか、その辺妹や友達を守るべき日常の象徴として通し続けてて好感だったのですが、シンフォギアGではその真逆を行って、守るべき存在が戦場に出てきてしまったからこその展開を描いている。
それが「日常キャラが戦うか/戦わないか」目線しかなかった自分的にはとても新鮮でした。

キャラソンは重さと演出のかっこよさで「歪鏡・シェンショウジン」が一番好きなのですが、まぁ言うまでもないけどいい曲揃い。
個人的には「不死鳥のフランメ」や「教室モノクローム」の戦闘以外の曲が好きです。

不死鳥のフランメはまさに1話、風鳴翼のかっこよさを見せてくれる曲で、Aパートの正義を信じて、握り締めてと合わせて「あぁ、このアニメ見よう」と思わせてくれた曲。
ライブらしい背景モニタを使った映像演出や、客の合いの手を盛り込んだ曲構成が見事。

教室モノクロームはもう、言うまでもない。
クリスちゃんかわいいのプロモーション映像だった。
これまで日常から遠いところに居た子が、学校に来て、同級生に迎え入れられて、ステージに立って。
ちょっと恥ずかしがりながらも段々と声を張っていって歌いあげて。
偵察に来ていた切歌と調まで惚れ惚れしちゃうほど歌いあげて。

憧れの制服 カバンには流行りのキーホルダー
普通の女の子みたいな時間を ありがとうみんな

太陽が教室へと 差す光が眩しかった
雪解けのように何故か涙が溢れて 止まらないよ
こんな こんな 暖かいんだ
私の帰る場所

っていう歌詞が実にこう…泣ける…。
ここに映像演出と、歌い終わった後のオーディエンスの歓声が相まって4話EDはシンフォギアG全編の中で一番歌の使い方が綺麗だったと思う。

大体言いたいことは言い切った感じがするので、あとは毎月のBD感想で語っていこうと思います。
とりあえず今期アニメではトップクラスに楽しいアニメでした。
1期見たい!

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