やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 BD6巻
ついに文化祭編に突入するアニメ版俺ガイル。
表紙はもう好き放題と言っていいレベルで文化祭を荒らしまわった雪ノ下陽乃です。
今回は書きたいことが多かったのでだいぶ文章量が多いです。
あと映像特典がマジ面白かったのでそっちも結構多いです。
中はこんな感じ。
左ページのミニキャラは陽乃と海老名さん。どちらも文化祭で好き放題やった二人ですね。
ブックレット掲載の漫画版は「妄言録」から、アニメでカットされた原作5巻のエピソード。
(他人の)結婚式を抜けだした平塚先生とヒッキーがラーメンを食う話です。
ここで漫画にするってことは、妄言録本編ではこのエピソードやらないのかな。
他にも各エピソードの原作者解説なども。
そしておなじみ紙ブログ。相変わらずとんでもないことを書いていて見応えがあります。
今回はなぜGAGAGA文庫に持ち込んだか、みたいな経緯など。
この人エッセイ書いてもヒット飛ばせるんじゃないだろうか。
#10「依然として彼らの距離は変わらずに、祭りはもうすぐカーニバる。」
10話、文化祭編1話目は9話で顔を見せた相模から始まります。
9話でさんざ不穏な気配を見せた相模は茶番を織り交ぜながら文化祭実行委員長に就任、
あげく奉仕部に依頼に来ます。
何やってんの平塚せんせー…。
この「望まれざる客が奉仕部に来る」というのが、すごい胃が痛い。
奉仕部ってのはいわばヒッキーにとっての「唯一の居場所」なわけです。
同時にガハマさんも素の自分でいられる大事な場所であって、そこに悪意を持って場を荒らす相模が来るというのが、居場所を足元から崩されているような感覚。
そして文化祭実行委員を手伝え、という依頼を受けてしまう雪ノ下。
後々明らかになることですが、雪ノ下は姉もやっていた文化祭実行委員を自分もやるという動機から文化祭実行委員に参加しています。
委員長の補佐、という高い立場に姉を超えたいという感情が隠れているんでしょうか。
原作見返したらちゃんと書いてあるかも。
雪ノ下の異常に怒るガハマさん。
ガハマさん→雪ノ下のラインがどれだけ強いかを示すワンシーンです。
文化祭編はガハマさんからの人間関係が特に強く動く場面が多く、これもその一つですね。
この気持ちの強さは11話冒頭で具体的な行動に変わります。
文化祭実行委員会に現れた陽乃。
委員長が無能であることをひと目で見抜き、実行委員会を荒らし始めます。
基本的に彼女は、雪ノ下に試練を与える方向で暴れているんですね。
今回は文化祭実行委員会の参加メンバーを削って、実務能力を低下させます。
そうまでしてやりたかったことというのは、おそらく雪ノ下に「他人を頼らせる」こと。
自分で何でもできてしまう雪ノ下は、基本的に他人を頼ることはしない。
それは知り合って短いガハマさんもそれとなく察していて、上のシーンでも不安を感じていますね。
逆に一人でなんでもやってきた八幡は、一人で頑張って何が悪い、という立場を示します。
ここの八幡のモノローグが本当に、よくぞ言ってくれた!という感じ。モノローグだから言ってないんだけど。
「確かに誰かと力を合わせて頑張るのは立派かもしれない。
でもだからって、なんで一人で頑張ってきた奴が責められなければならないのか」
一応雪ノ下はここの責任者に近い立場なので、作業が追い付いていないのなら改善する義務はあるんですが、もっと言うとそもそもそれをするべきは相模なんですよね。
陽乃に乗せられてるのでそんなこと考えもしないんですが。
八幡はいつものとおり、自分を貶める発言をしながら雪ノ下をフォローして、かつ「下っ端がそこまで言うなら人員を増強しよう」と雪ノ下が言えるように自爆します。
そんなことばっかしてるから、八幡の内心を知っている人は高く評価しちゃうんですよね。
葉山もその一人ではあるのですが、そのやり方自体は肯定していない立場。
#11「そして、それぞれの舞台の幕が上がり、祭りは最高にフェスティバっている。」
しかし結局文化祭実行委員会のメンバーは増強とまでは行かず、作業の負担は雪ノ下に積み重なっていきます。
そして学校を欠席するにまで至ってしまう。
部屋着の雪ノ下は超レアですね。
ここではっきり「もっと頼って」と雪ノ下に伝えるガハマさん。
先の文化祭実行委員会のシーンと重ねて、「自分一人で何でもしようとするのはやめて」というシーン。
文化祭編は完全に雪ノ下の成長エピソードですね。
その代わりめっちゃ辛い立場になってますが…。
八幡もそれらのシーンを受けて、明確に相模バッシングに乗り出します。
委員会の体質を明確に口に出して非難し、かつその責任者である相模に、責任の所在があることを示します。
そして八幡の自爆に笑いが抑えられない雪ノ下姉妹。
肩震わせて笑う雪ノ下なんてマジでレアやで…。
八幡は雪ノ下姉妹に刺さる何かを持ってるんでしょうかね…。
一連の委員会を通して、若干ぎこちなかった八幡と雪ノ下の関係は元通りに。
自分の家の車が八幡を轢いてしまったということを言えなかった雪ノ下、
その雪ノ下の欺瞞に勝手にショックを受けている自分に失望していた八幡。
「問いなおす」というのは「お互いの関係を改めて見つめなおす」という意味でしょうか。
互いに一歩引いた位置から、印象だけで相手を測っていた二人が、相手の内面に踏み込み始める第一歩です。
そして11話のハイライト。
ガハマさんがはっきりと、八幡に「こっちから攻めていくからね」と明言します。
デートのお誘いに「まぁ、そのうち」となんとか濁しつつも踏み込もうと足を上げた八幡に対して、まったくもうしょうがないけど仕方ないか、って感じのガハマさんの表情がとても良いですね。
この先原作でも、八幡がガハマさんを異性として意識するシーンが段々と増えていきます。
雪ノ下は八幡という人間のアイデンティティを、ガハマさんは八幡という人間を異性としてそれぞれ踏み込んでいきます。
「奉仕部」という枠で固まっていた3人の人間関係が、それぞれ有機的に動いていくターニングポイントとなります。
そして本気を出した雪ノ下はじめ文化祭実行委員会において、唯一完全に無能でモチベーションもない相模はどんどん孤立していきます。
文化祭の最中トイレに閉じこもってるあたりが実に無様です。
この辺への非難は、12話で八幡がしてくれていますね。
ということで10話・11話でした。
オーディオコメンタリー
今回は八幡役・江口拓也さんとガハマさん役・東山奈央さん。
主に文化祭、というテーマを交えつつのアニラジ的なトークでした。
ちょくちょくシーンの内容には触れていましたが。
映像特典・やはり俺の千葉観光はまちがっている 1
3巻からやっていた、キャストによる映像特典。
6,7巻では原作者の渡航先生と一緒に、これまでプレゼンしていた千葉観光コースを巡るシリーズに入ります。
が、スケジュールの都合で「男子チーム(江口拓也・渡航)」「女子チーム(早見沙織・東山奈央)」に別れて観光することに。
これがもう、超面白かった…。
特に男子チームの、男二人で観光地をぶらつく感じが、実に土曜の夕方にやってそうな旅番組テイストばりばりで。
正直6巻のエピソードは見ていて辛いシーンも多いので、ヘタしたら映像特典の方が多く見ているまである。
移動のバス内ではお喋り。
一緒に乗っているように見えますが、男子チームは8月の暑い時期に、女子チームは10月の涼しい時期に収録しています。
行き先はマザー牧場。
まぁ千葉といったら6割の人間はマザー牧場を挙げるでしょう。
東京ディスティニーランドを挙げる奴は千葉県民扱いされないので、千葉にいるときは注意してください。
女子チームは動物と触れ合ったり、授乳体験をしたりと楽しそうですね。
早見さんの手元にいるのはアンゴラウサギ。一匹欲しい。
一方の男子チームは収録が8月=お盆の時期=混雑=迷惑ということで、
牧場内のイベント的なものには一切参加できず。
ひたすら牧場内を歩きまわりながら「あー、ここではこんなことやってんだなー…。じゃあ、次」と歩きまわるだけ。
この男たちの無力感というか、脱力感がすごい水曜どうでしょうっぽい。
一応勝手に触れる動物には触っていますが、都内からバスに乗って牧場まで来て動物触るだけって。
もうゆるい旅番組好きにはたまらない映像でした。
U局系列で放映してそうだもんこういうの。
この千葉観光はBDの最終7巻に後半が収録。
だらだら感が更に加速していて本当に見ていて楽しかった…。
追々レビューしますのでよろしくお願いします。