サモンナイト6 失われた境界たち
今日は突然サモンナイト6の感想を書きます。
PSストアでセールをやっていたので、思い切って購入した次第。
ちなみにセールは今日11月20日まで。3000円くらいでダウンロード版が購入できますよ。
サモンナイト6
サモンナイト6は今年の3月に発売された戦略シミュレーションゲーム。
15年続く…というか、途中途絶えたこともあったけどなんとか15周年を迎えたサモンナイトシリーズの記念タイトルです。
媒体はプレイステーションVita。
多分シリーズをプレイしたおおよそのファンにとってのサモンナイトとは、飯塚武史デザインのキャラクターとのギャルゲ要素8:戦略シミュレーション2くらいの認識でしょう。
私もそうです。
残念ながら今回ゲーム中の立ち絵は飯塚武史の画ではないのですが、正直全然違和感ないのであまり気になりませんでした。
ソシャゲー版で飯塚武史の画風を再現してたイラストレーターの人なのかな?
キャッチーなキャラクターとの会話イベントのおかげで敷居が低い本シリーズですが、6は歴代キャラクターが登場するお祭りゲーとしてもデザインされており、シリーズ未経験の人にはちょっと敷居が高いかも。
逆に言うと「昔サモンナイトやってた」くらいの人ならちょうど良いと思います。
熱心なファンによると、本作でのキャラ付けには一部違和感を覚える要素があるらしいのですが、私にはわかりませんでした。
「昔このキャラ育ててたなー」と思いながら本作でも重用するとか、そんな感じが多分一番いい塩梅です。
キャラクター要素
上述したとおり、本作のイラストは飯塚武史ではないのですが、そのかわりというかキャラクター表現がCGになっているので違和感はうすめです。
サモンナイトというと立ち絵とセリフと画面が揺れるか光るエフェクトによる紙芝居、というイメージが強かったですが、CGになったおかげでシーンの表現力はぐっと上がっています。
CG自体も割と飯塚武史の雰囲気を再現していると思います。
男主人公のラージュは、人間が自分一人しか居ない「繭世界(フィルージャ)」で暮らす青年。
舞台となる繭世界は人間がラージュ以外存在せず、あとはオトモのパッチやはぐれ召喚獣しか生き物はいません。
「毎日空から何かが降ってくる謎の世界」で気ままに暮らしていたラージュの元に、初めての「他人」が降ってくるところからストーリーは始まります。
最初に仲間になるのは「サモンナイト2」の男主人公マグナ。
護衛獣のハサハは能力を失っておりプレイアブルキャラにはなりませんが、追加DLC(無料)でプレイアブル化できます。
ラージュは、今までずっと一人だったくせになんだそのコミュ力は、というような好青年で、出会ったばかりのマグナはじめ仲間たちの手助けを申し出ます。
繭世界のことを知る唯一の人物というのもありますが、他人を知らないラージュには自分以外の人がいるというのがもう嬉しいらしい。
昨今ラノベ等で異世界に召喚されるものが増えてますが、長年やってるだけあってサモンナイト6の導入は実にスマートでした。
余計な確執ができることなく、するっと仲間になって共闘、皆を元の世界(リィンバウム)に返すための手助けをしてくれます。
特に序盤はこのラージュの心地いい性格がよく現れていて、プレイを続けるモチベーションの大半が彼にあったと言っても良いレベルでした。
やっぱキャラクターが良いと話の先を見ようという動機につながるんだな。
一方女主人公のアム。
実はラージュと同じく繭世界に暮らしていますが、お互いの存在については知りません。
基本サモンナイトシリーズは男主人公と女主人公は二者択一形式で、選ばれなかった方はゲームに出ないのですが、本作は両方登場します。
最初にラージュのシナリオパートがあって、その後アムのシナリオパートに。
最後にどちらかを選ぶようです。まだそこまで進めてないですけど。
こちらはちょっとツンデレ気味で、少し排他的な性格。
ただ困っている人を放ってはおけず、結局ラージュと同じく空から降ってきた人たちを助けることになります。
公式サイトで見られる立ち絵が凄いエロいので必見です。
システム面
ここからはシステムの話。
サモンナイトと言えば会話イベントですが、本作もこれまで同様、マップの任意のポイントを選択して移動できます。
移動先には会話イベントが用意されており、そのキャラクターの内面を知ることができたり、コミカルなやり取りが見られたりします。
ストーリーの進展に応じて会話イベントがどんどん発生していきますが、逆に放って置いても消えたりはしない(はず)なので、余裕のあるときにでも見ましょう。
そしてバトル。
キャラクター表現がCGになったことにあわせて、戦闘シーンからデフォルメをカット。
リアル頭身でキャラクターがアクションするところを見られるようになりました。
カメラを動かしてキャラクターを眺められるのですが、なぜか画角が限定されており超不便。
バトルはターン制ではなく、素早さのステータスに応じてキャラごとの手番が回ってくる形式になりました。
召喚時には召喚モーションが用意されています。
キャラによってモーションが違ったりするので、これを見るだけでも結構楽しい。
基本はこれまでどおり、一般的な戦略シミュレーションゲームですが、いくつか固有システムが。
サモンアシストは、召喚術を使う時、範囲内のキャラがお手伝いできるシステム。
アシストしたキャラはMPを消費しますが、召喚術使用者の消費MPを軽減したり、威力や射程がアップしたりします。
あとはキャラクターによって固有スキルがあります。
アメルは癒やしの力でHP回復できますし、アティ先生は抜剣モードでHP回復+ステータス強化。
とくにラージュの「連続行動2回追加+移動時の高低差無視」というのがめちゃくちゃ強く、戦略シミュレーションの前提を崩壊させてるレベル。
ファンサイトでも最強キャラを決める話で一番に名前が上がるほどです。
見事な主人公ぶりといえよう。
戦闘が終わるとおなじみ経験値の配布ですが、それとは別にスキルポイントというものがあって、それでさらに追加スキルを獲得できます。
武器の命中率やクリティカル率を上げるものや召喚獣のユニット化、アイテムを離れた位置に使用できるようになるものなど。
アメルの癒やしの力はここで覚えないと使えないので注意です。
これ無いとただのMPとMAT高いだけの子だからね。
そしてお約束の夜会話。男二人、人目を避けて並んで会話する様はちょっとホモっぽい。
プレイアブルでないハサハなどは今のところ選択できず。
とりあえず5時間くらいプレイして思ったのは、とかくテンポがよく遊びやすいということ。
サモンナイトシリーズというととにかく不便なイメージがありましたが、6まで来てかなりブラッシュアップされています。
キャラクターとバトルと楽しむために邪魔な要素は排されており、ゲーム進行も今のところスムーズです。
何より主人公が気持ちのいい青年なのがいい。
ラージュの存在はサモンナイト6で一番のポイントだわ。彼の良さを味わうためだけに買っても良いレベル。
かわいいヒロインが大勢登場するこのシリーズですが、男主人公が一番好感度高いのは個人的に初めて。
ゲーム中の性能も高く、実に理想的な主人公をしています。
一方で不満点もいくつか。
まずストーリーが単調。
序盤から
「外に悪い気配を感じる」→「拠点を出たら誰かがトラブルに巻き込まれてる」→「助ける」→「仲間になる」
という流れを3,4回繰り返されます。本当にほぼ全く同じ流れでちょっと笑った。
お祭りゲーということで人気キャラがバンバン出てくるので、そこである程度マンネリ感は軽減されていますが…。
これ登場人物が揃うまで同じこと繰り返すんじゃないだろうな…。
あとは会話シーン、CG化によってある程度表現力が上がってはいますが、きちんと表現されるのは一部だけで、やっぱりまだ紙芝居シーンが多め。
戦闘で吹き飛ばされる描写として、SE鳴らしてキャラの立ち絵が横にスーッとスライドしていくだけとかよくあります。
せっかくCGメインなんだから、そこはバトルを見せてくれるか、あるいは会話イベントの中でバトルをしないとか気を回して欲しかったところ。
というわけでサモンナイト6でした。
まだストーリー序盤なので、現在の印象はこれから変わる可能性はおおいにあります。
主人公の選択イベントもやってないしね。
某ゲーム感想サイトだといまいち扱いされてたけど、正直思ってたよりずっと楽しいです。
駄目だったって人は何が駄目だったんだろうなー。