今週のジャンプ 2019年30号
特になんの理由もなく二週間サボってしまったので、今日はジャンプ発売日のレビューです。
前2週は個人的に、いまいち面白い!!ってなる漫画が少なかったんだけど、今週は面白かった!
ハイキュー!!
今週はめちゃくちゃ面白かったので濃いめの感想になります。
試合は第二セット中盤、ここを取れば2点リードを取れる烏野の攻撃から。
スガさんのいやらしサーブは相手エースである星海に膝を突かせる、前に落とすサーブ。
ここからでは速攻に入れないというのは、音駒戦で日向が味わわされましたね。
最初の一撃
エースへ上げたトスは、ブロックアウトを狙った吹き飛ばすスパイク。
伊達工との練習試合で試し、稲荷崎戦で完成させたアレです。
しかし拾われる。エースの一撃は決まらず。
―今までの相手より、ブロックの手が残っている感じがする
相手ブロックは間違いなく全国トップクラスで、安定したリードブロック。
再度烏野の攻撃
しかし鴎台ブロックは、紛れた日向にさえも惑わされることなく、エースの旭さんをマーク。
「残ってる感じがする」ブロックを避けた先は相手チームのリベロが待ち構えています。
三度烏野の攻撃
日向のセンターオープンは鴎台には通じず。
なぜなら同じくらい飛ぶ、より高スペックなチビがチームにいるのだから。
ツッキーが宮兄弟の変人速攻をメタったのと同じ理由で、日向の強みを打ち消しに来る鴎台ブロック。
一本”渾身”をくれ
スガさんの渾身のトスは、宮アツムをしてうならせる完璧なトス。
スパイクモーションに入った旭さんの美しい空中姿勢。
スパイクしかり、ブロックしかり、安定した姿勢が滞空時間を生む、というのは今週の一話に一貫したテーマです。
日向の「とまってるやつだ」は、白鳥沢戦の5セット目でウシワカに抱いたものと同じ感想。
ウシワカと同じく三本指エースのキリュウをして「全国は怖い」と言わしめる。
気弱なエース東峰旭が、全国三本指エースの領域に足を踏み入れた瞬間でした。
決まった後の柔らかい笑顔が、実に旭さんでした。
かっこよすぎる。
鬼滅の刃
童磨は意外にも、首を切られたことでそのまま死亡。
毒のない状態だったら助かってたりしたのだろうか。
今回は一話通して「親との死別」の話でしたね。
今になって親との死別を理解して泣く伊之助。
あのとき泣けなかった分を今になって泣くカナヲ。
対して、親が死んでも全く泣けず、自分の死に際にも何も感じない童磨。
その末期にしのぶさんに好意を抱いてみせるも、その瞬間に消滅。
人の心が芽生えた瞬間に死んだ、という皮肉なのか、あるいはその恋心だって本当かどうかわからないよ、という無常観の演出なのか。
いずれにせよ童磨は何も残すことなく、この世から消え去りました。
チェンソーマン
今週は呪術廻戦がギャグ寄りのエピソードでしたが、その分こっちがすごい「呪い」感。マキマさん怖っ…。
名前を通して、生贄の命を使うことでターゲットを圧殺?するんだろうか。
神社という神聖な場所をわざわざ選んで、死刑囚の命をコストに即死攻撃を飛ばすという恐ろしい攻撃。
何も説明しないマキマさん、目隠しさせられた死刑囚(と同僚)、感情も見せず淡々と殺していく過程などえげつない展開。
今週はかなり読み味がファイアパンチの頃に近かった気がしますね。
殺していない二人は、あれが悪魔憑きだからなのかな。
殺す対象に条件がないなら、強い二人を優先するだろうしね
ふたりの太星
太ちゃんが帰ってきたけど特にドラマを生むことはなく、一方星ちゃんはようやく自分のために将棋を打ち始める。
太と星の立場が入れ替わってお互いの見ていたものが見えるようになる、というのはわかるのですが、それを活かした演出をするには入れ替わるのが早すぎたと思う。
将棋描写は相変わらずおざなりで、やっぱり作者にとっても将棋ってテーマはそんな大事ではないんだろうなって誌面から伝わってくる。
二重人格の入れ替わりこそ本命のテーマだったんだろうけど、二人の共通する接点が幼馴染の女の子しかいないのは勿体無い気がするなあ。
太も星も微妙に浮世離れしてて、こいつらお互いどっちが昼でどっちが夜でも大して気にしてないよね。
ビーストチルドレン
ちゃんとラグビー部に入って以降は主人公のキモさも鳴りを潜め、割と読みやすくなってきました。
ドラマ的には劇的なものが何もないんだけど、ラグビーというテーマが珍しいのでそれだけで一応読める。
ただラグビーをやってるかというと、個別の練習をはじめとした「点」でしかやってなくて、肝心のラグビーそのものの面白さは全く描かれてないんだけど。
あと中学生が自主練でプロ並の瞬発力出されたら、いくらなんでもプロが可哀想じゃないだろうか。
あの無茶苦茶で体壊すのが目的みたいなトレーニングは、見事実を結んで高校一年生の瞬発力をプロ並みにしてしまったわけだ。
怪我と戦ういろんなスポーツ漫画を読んでいると、ああいうむちゃくちゃが気になってしょうがない。
一試合通しての持続力とかその辺でバランス取るのかな。
火ノ丸相撲
同部屋だからこそできる、二者のぶつかり合い。
こればっかりは刃皇相手でも部長相手でもできない、冴さん相手のときだけのスペシャルです。
後進が強いというのも、先進が強いというのもお互いにお互いを発奮させるんだなあ。
本当言うと冴さん相手に百千夜叉堕を決める火ノ丸も見たかったんだけど、決まり手は鬼楼。
すげえ久しぶりに見た気がするこの技。
しかしかなり大事な取り組みだったものの、この一話で決着。
割と展開早く見えるけど、巻いているのかこの後の優勝決定戦に尺を取りたいのか。
正直なところ、ここで火ノ丸が負けると思ってる読者は一人もいないだろうしね。
プロ編入ったときは、世界最強の力士にたどり着くまでどれだけ時間がかかるかと思っていたけど、割と早く到達したかな。
といっても単行本10冊分くらいあるんだけど。
大相撲が舞台になってからドラマのバリエーションがぐっと広がって「大人」になった火ノ丸を見ているうちに、いつの間にか「勝ててもおかしくない」くらいは思えるようになったなあ。
アクタージュ
夜凪ちゃんの次なる課題は「この世に存在しないもの」を演じること。
それは決して自分の中=メソッド演技や他者との共感からは生まれ得ないもの。
ところで夜凪ちゃんを「あの人の娘」と言っていたけど、やはり生まれに秘密があるのか。
家に映画のビデオが大量にある、という時点で伏線張ってはいたのだろうけど。
カクレミ
新世界漫画賞入選作品だという今週の読み切り。
戦って勝ったり負けたり、じゃない話が一本あるとそれだけでホッとする。
やっぱ今のジャンプは方向性こそ作品ごとに違えど、戦う漫画が多すぎるよな。
擬態能力を持った人?たちが暮らす島の話。
擬態から転じて「騙す」「嘘」というキーワードを軸に、島の人たちと主人公が綺麗にドラマを回していて、とても読みやすかった。
あえて主人公の人間的なバックボーンをあらかた省いて、みんなを騙そうとしていた、という1点に描写を絞ったのも大きい。
絵がちょっと華のない感じはあったけど、むしろ人間以外を生き生きと描くのがうまくて、ファンタジー路線との相性良さそう。
これを17歳が描いたというんだから、本当今の若者の画力はどうなってんだ。
ネウロの作者である松井先生と、約束のネバーランド作者の白井カイウ先生絶賛というのが、作風的にもなんとなくわかる感じ。
ふたりともこういう世界観好きそう。
呪術廻戦
スゲー面白かった。
つまり…そういうことか!?
そういうことよ!
久しぶりに虎杖の優しくて暖かくて清潔感のある人間性にふれる話だった。
クラスの男子がバカにしているような、太った女の子を見て「字が綺麗」「食い方が綺麗」ってお前…かっこいい…。
そんな自分の容姿にとらわれないでくれたところを好きになったのに、容姿にとらわれてバカにしていた連中を嫌いになったのに、自分の容姿に自信が出たから好意を示そうとしてしまった、という葛藤のクオリティが高すぎる。
この漫画は人間の心情に寄り添いすぎる。
虎杖の完璧な一言目にも感動させられたし、10点の札を挙げる伏黒と釘崎もめちゃくちゃ笑った。
そして今日あったばかりなのに、もう下の名前呼び捨てにしてメールも交換してる釘崎のコミュ力半端ないな。
この女の子が顔面ぐちゃぐちゃの身元不明遺体として見つかって
「小沢じゃん」
と虎杖が呟くとか、そんな展開だけは勘弁してくれよな。
遺体のそばにある携帯電話に釘崎からの着信がなり続けているとか、そういうのも勘弁な。
報告書スタートもやめてね!
最後の西遊記
ものすごく久しぶりに面白かった。
ちゃんとバトル展開やれるんじゃん!なんでこんな引っ張ったんだよ!
ずーっと小さいおっさん相手にお喋りばっかしてたのはなんだったんだ!
野球にかけてかっ飛ばせ!如意棒ー!!は最高にかっこよかったよ!
真お兄ちゃん登場から2話くらいでここにたどり着いてたら、今掲載順は真ん中のあたりいけてたと思う。
神緒ゆいは髪を結い
先週から、まさかのゆらの兄が登場。
ぬらりひょんの孫って終わったの7年も前なんだな…。
ファンサービスにしても、もうちょいわかりやすい人でも良かったんじゃねえかな…。
そして満を持して登場した割に、特段何もせず変える兄。
本当にただのファンサービスだったんだろうか…ぬら孫と同一の世界観って設定はかなり大きな要素だと思うんだけど。
最後のページで登場した新キャラに添えられた「日本人形スケバン」という単語が面白すぎる。
この漫画今のジャンプでも5本指に入るくらいには面白いと思うんだけどなあ。