ロックマンX6

なぜ令和になってロックマンXに夢中になっているのか自分でも謎だが、クセのある難易度の高さに夢中でプレイしてしまった『X6』。
まだ強化パーツとかコンプしたわけではないけど、3種あるED全部見たので『X6』の話しようぜー。

『X5』以上にふっざけんなよクソが!って要素と、それをバネにして強烈な爽快感を与えてくる要素があり、今回も100点満点中で何点と言いづらい内容でした。

『X5』の直接の続編となるストーリー

のはずだったのだけど、ちょっとだけ怪しい。

前作ではスペースコロニー「ユーラシア」の落下にまつわるエピソードであり、ストーリー展開次第で

  1. コロニーを宇宙で食い止め地上に被害は出なかったし、エックスがゼロのことを覚えているグッドエンド
  2. コロニー落下を阻止できず、地上は壊滅しゼロウイルスが蔓延、エックスがゼロの記憶を失うバッドエンド

の展開があるのですが、『X6』はなんと地上が壊滅した上で、エックスがゼロのことを覚えているという、両方の展開を取ったストーリー導入でした。
あんまり「このエンディングが正史」みたいなことをしたくなかったのかしら?

ナイトメア現象の真相を追うストーリー

今回は、ゲイトという一人のレプリロイド開発者が中心のストーリー。
クールなCV藤原啓治ボイスでクレバーな人柄を想像させておきながら、開始1分で闇落ちし赤い目でハーッハッハ!と笑うようになってしまう。

その1週間後…地上では「ナイトメア現象」が発生。
レプリロイドが悪夢を見たり、頭がおかしくなった末に自分をデリートしてしまう…という悲惨な事件が頻発。

更に、その原因はゼロそっくりの姿をした「ゼロ・ナイトメア」だという。

ゲイトの側近であるアイゾックは、この現象を調べるため「ナイトメア調査隊」を結成し、レプリロイドたちに参加を募る。

一方エックスたちは、世界を守るために戦って戻らなかったゼロが犯人だ、なんて結論は許せなかった。
ゼロの名誉を守るため、ナイトメア現象の真相を調べ人々を守るため、再びエックスの戦いが始まる…!

主のために戦うレプリロイドたち

アイゾックはナイトメア調査隊をうたっているけど、その実やっていることは、ゲイトが指示したナイトメアウイルスの管理と観測、調査隊に参加したレプリロイドを使ったナイトメア実験が目的。
送り込まれたナイトメア調査隊の責任者は、全員かつてゲイトが作ったレプリロイドたちだったのだ。

つまり主の望みを叶えるために、ナイトメア調査隊という立場を作り上げ、社会の味方のふりをしているわけですね。
本作では市民の反応が出てこないけど、何も知らない人たちから見たらエックスたちの方がナイトメア事件の調査を邪魔していると見られてもおかしくない気がする。

戦闘前の会話は前作よりも更に増えており、ゲイトへの忠誠からエックスに挑んでくる者もいれば、レプリロイドをナイトメアで壊すのを楽しむイレギュラー、ゲイトのために戦わざるを得ないが、間違ったことに加担している自覚はあるため自分を倒して欲しい、と語る者もいます。

ただイレギュラーとして戦うしかなかった過去のボスたちと比べると、人間性(人間じゃないけど)に深みが増しており、「ただの悪いやつ」だけではない渋みがとても絶妙。
中にはエックスと知己の間柄だったり、エイリアと因縁を持ったボスもいるなど、ドラマ性が更に高くなっています。

ステージクリア後には、ボスがどんなレプリロイドだったかエイリアが聞かせてくれる場面があるんだけど、一部にここで凄い濃いドラマを聞かせてくれるものがあります。
きちんと読んでストーリーの重さにシビれよう。

ゼロから継承したゼットセイバー

前作でゼロが行方不明になったため、エックスは彼の使っていたゼットセイバーを受け継いでいます。

ゼロのように連撃することはできず、大振りの一発を出せるだけなんだけど、これがバスターの届かない隙間を絶妙に埋めてくれます。
基本的に横線でしか攻撃できなかったエックスに、縦軸の攻撃が加わったわけですね。

今回登場する2種のアーマーもセイバー攻撃を前提としたものになっており、歴代でも珍しい「近接戦闘こそが強いロックマンX」になっています。

更に難易度の上がった、尋常ではないロックマンX

『X5』の時点でだいぶ難易度が高くなっており、どこかで挫折してもおかしくないくらいだったのですが、『X6』はその難易度が更に上がっています。
仕様面で難しくなっているところもあれば、敵の配置で難しくなっていたり、即死ギミックの増加で難しくなっているところもあります。

理不尽に片足どころか肩まで突っ込んでいるところもあり、人によっては「こんなのアクションゲームに求めている難易度の高さじゃない」と感じる部分もあるかも。

ナイトメア現象

『X6』の8ボス全ステージで発生する難易度上昇ギミック。
ひとつ前に入ったステージに関連する現象が、次のステージに入った時に発生する…というもの。

シリーズおなじみ溶岩ステージに入ると、その次に挑んだステージでは屋外でも屋内でもお構いなしに、空から溶岩が降ってくる、など。

ステージには相関があり、例えば溶岩エリアに入ったあとは、兵器開発所エリアと北極エリアにのみナイトメア現象が発生します。

恐ろしいのは、このナイトメア現象は一度発生すると解除する手段がないということ。
別のステージを経由して入り直すことで、別のナイトメア現象に置き換えることは出来ますが、ナイトメア現象が起きていないステージには戻せません。

赤く表示される箇所はナイトメア現象が起きており、一度発生するともう戻らない。
ステージごとに発生するナイトメア現象は種類が決まっているため、なるべく影響の少ない攻略順を探す事はできると言えばできる。

中には、画面の大半が見えなくなる「ナイトメア・ダーク」という、ロックマンXというか横スクロールというジャンルを根底からぶち壊すようなものもあります。
上書きできるからやりようはあるけども、上書き出来るということをプレイヤーが知らないとどうしようもありません。

中には、ナイトメア現象を利用することで取れるようになるアイテムもあるので、一概に邪魔ものというだけではないのですが。

取り返しのつかなくなったレスキュー要素

X5ではマップ上固定の回復・ライフアップポイントであった要救助者ですが、今回はゲームの攻略に組み込まれています。

前作では正直全部放っておいても困らなかったのですが、今回は救助した彼らから強化パーツをもらう仕様になっているので、なるべく全員救助をせねばなりません。

しかし今回の要救助者たちは、マップ上に点在するナイトメアウイルスと接触すると、侵食されてイレギュラー化し、二度と元には戻りません。
これはステージに入り直しても駄目で、リセットをかけない限り取り返しのつかない要素となります。

これがね…もう本当にイカれてた。
X6の良くない点を一つだけ挙げろと言われたらこれを挙げるくらいには。

しかも要救助者が、何故かよりによって落とし穴の下の方に空中浮遊したり、ナイトメアウイルスを侍らせてエックスを待ってたりするのよ。
もうお前死んじゃって良いよ…と思って侵食されるのを見過ごしたのも正直2、3人いる…。

ただこれは後で知ったことなんだけど、初見じゃ助けられないような要救助者は、強化パーツを持っていないそうです。
まだ強化パーツをコンプしたわけじゃないけど、攻略に関わるようなパーツは初見プレイでもすべて確保できていました。
ハイパーダッシュやハイジャンプ、アルティメットバスターとかね。

要救助者リストはゲーム内で見れてしまうので、このリストをコンプリートしたい人は地獄を見ましょう。
どこに誰がいるかチェックしながらプレイし、その後リセットを繰り返しながら要救助対象者を助けていく作業になります。

ただし、全員を救助しても特に報酬はないし、アニバーサリーコレクションの実績要素にも取り上げられていません。
RPGでアイテムコンプリートする、みたいなもんであくまで個人の自己満足の範疇になります。
個人的にはそこに楽しさを感じなかったので、要救助者コンプリートはしたいと思いませんでした。

中には自分の命を捨てないと助けられない奴も居ますが、『X6』はどうせリトライ無制限なので、命を気軽に放り出せるのはゲーム性の妙ですね。

強化パーツはほぼ続投

強化パーツについては、ほぼ前作と変わらず。
ラインナップもほとんど変わっていないので、前作と同じ使い方が可能です。
ボス撃破後の二者択一ではなくなったので、コンプリートが可能になったのは良い改善要素ですね。

更に、1ステージに1回きりの消費型強化パーツ「リミットパーツ」が登場。
回復アイテムや短時間火力を強化するバフ要素が用意されており、これも戦略の幅を広げてくれています。

消費といっても、ステージから離脱して再度ステージに入れば、消費した回数は回復します。
残機が尽きたあとのコンテニューでは回復しません。

また、今回はアーマー問わず(最大)5つまでセットできるようになっており、好みの強化パーツを構築しやすくなっています。

ただし装備できる数にはハンターランクが関わっており、A以上にならないと強化パーツは装備ができません。

本作のハンターランクはステージの攻略ではなく、ナイトメアウイルスから取得できるナイトメアソウルの数で少しずつ増えていくという、積み増し式のカウント。
普通にプレイしていれば、ステージを2、3クリアした段階でソウル数が500を超えて、Aランク以上になっているはずです。

ちなみに5つフル装備できるハンターランクUAは、ソウル9999を達成しないといけないらしい…。

全ステージに配置された高難易度ギミック

X5と比べるとステージの設計が凝っており、それに比例するようにステージの難易度が上がっています。

即死ギミックが配置されているばかりではなく、ライフをじわじわ削ってくる酸性雨エリアや、背景に配置された敵が常時攻撃を仕掛けてくるなど。

中でも「ブレイズ・ヒートニックス」ステージに出てくる中ボス5連戦はマジで頭がおかしい。
X6の良くない点を一つだけ挙げろと言われたらこのステージを挙げるくらいには。

この辺は恨みを込めて語れるものと、要点を掴むと攻略が出来るようになるものがあり、せっかくなので個別に感想を語りたい。

ステージを複雑化させたアナザールート

更に本作では、全ステージに通常ボスとは異なるアナザーボスが待ち受ける「別ルート」が用意されています。
ボス部屋へ通じるゲートとは別に、青いワープゾーンがステージのどこかに用意されています。

別ルート自体はステージ1本分ほど長いわけじゃないんだけど、そこでしか回収できないアイテム、要救助者、そしてイベントが発生します。
特にこのゲームでグッドエンドを目指す場合、アナザールートの攻略は必須です。

攻略するステージが膨らむという点で難易度を向上させているとも言えますが、ゲームのボリュームが増えているという点でこれは素晴らしいギミックだと思う。
これまで以上に「ステージを探索する」工程が増えており、慣れると短時間で終わってしまいやすいロックマンXのかさ増しに良い意味で成功しています。

シリーズ最強クラスに強い何人かのボスたち

今回ボスの難易度が結構極端になっており、初見バスターのみで攻略できるような奴もいれば、何度もリトライしても勝てずいくらか運やサブタンクに頼ってようやく…という相手もいます。
特にラスボスステージに出てくる数体のボスは、難易度高いを通り越して何考えてんだオメー!っていうようなボスも。

『X5』のボスは比較的ザコが多かったけど、本作は8ボスにも苦戦するような奴がいて、本当に歯ごたえのあるロックマンXになっていました。
歴代Xをクリアしてきた人間でも苦戦するのだから、難易度はかなり高いと言えるでしょう。

攻撃モーションも多彩になっており、ボイスも復活したりと『X5』のときのようなチープさは感じないものになっていました。
これも良い改善要素ですね。

高い難易度と互角に戦える激強アーマーたち

今回も使い分けの可能な、特化型のアーマーが2つ登場しています。
そしてそのどちらもクレイジーな火力や移動性能を持ち合わせており、これを手に入れることでこれまで苦戦してきたボスやステージをある程度蹂躙できるようになります。

とはいえ今回もアーマーは4パーツすべてそろえないといけないし、特定の特殊武器や強化パーツを手に入れてようやく取得できるものもあるので、簡単にはいかないのですが。

装備を揃えると「クソ難易度の高いステージやボスを、超強いアーマーでボコボコにしてやる」という、脳筋を脳筋でねじ伏せるようなゲームプレイが可能になります。
これが『X6』の一番気持ちいい部分かも。

一周クリアしての感想

難易度の高さがウザいときもあるけれど、慣れるとこれが気持ちよくなってくるスルメ型ロックマンX。

前述のとおり難易度の高さはシリーズでも指折りで(まだ7と8やってないけど)、特に理不尽とも言えるようなステージ構造やボスの挙動にイライラさせられることは多い。
救われる気のないような要救助者や、エックスにできない遮蔽物を貫通してくる弾を連打するナイトメアウイルスなども本当に鬱陶しい。

しかし一方で、ゲームの仕様を理解した上で挑むと、鬱陶しさの大半は精密なプレイを要求される高難易度アクションゲームとしての魅力に化けるのです。

要救助者は助けなくてもたいてい困らないし、アーマーを早期に手に入れれば難所の攻略もやりやすくなるし、ボスは勘所を抑えても一部いい具合に苦戦させてくれるし、意地悪な初見殺しステージ構成も知っていれば操作精度を測る純粋なハードルへと化けます。

これまでのシリーズとは異なり、『X6』は難易度を高くしすぎたあまり、ゲーム内容を理解してから挑むくらいがちょうどいいロックマンXなのです。

逆に言えば初見殺し要素が非常に多いとも言え、そこでくじけてしまうプレイヤーも大量に生み出したようですが…。

思っていたよりも悪くなかったエックス

プレイし始める前は悪評ばかり見かけていたため、最後までプレイできるか不安だったのですが、蓋を開けてみれば確かに難易度は高く、意地悪い要素は多いものの、楽しい部分もちゃんとあるロックマンXでしたね。

間違っても初心者におすすめするようなことはできませんが、ナンバリングも6まで来ればこういう難易度設計のタイトルが1つくらいあってもいいだろう、くらいのもの。
ボス戦はむしろ『X5』よりギミックが多く搭載されていて楽しかったし、意地悪なステージといっても足を止めなければ進めなくなるような設計にはなっていないので、私が求めていた「ひゅんひゅん飛び跳ねてダッシュで敵の頭上を越えて、壁になる敵はバスターで蹴散らして進む」爽快感は確保されていました。

前作とともにコンテニュー無制限・ノーコストノーリスクなおかげで、クリアできるまでひたすらチャレンジ出来る仕様なのもあって、高い難易度をなるべく面倒くささ少なく楽しめるようになっています。

アナザールートでマップが広がったのも、ゲーム一本でなるべく長時間遊べるように考えられている気がしました。

個人的な評価で言うと、X2=X4>X1>X3>X6>X5という感じ。

ただ定価でこれを買ってこの難易度を越えられなかったとき、多分私はこのロックマンXを嫌いになっていたでしょう。
ロックマンX慣れした人間が、アニバーサリーコレクションという格安の既存タイトル詰め合わせパッケージでプレイしているからこその評価にはなっていると思う。

ボス戦はシリーズ上位レベルで良かった

『X5』の一番の不満が、ボスのアニメーションがとても少なく、行動パターンが安易で、ボイスもナシというチープさだったのですが、そこは完全に改善されていました。

今作のボスは、ボスそれぞれに行動バリエーションがあり、あるいはボス部屋自体にギミックが用意されており、ボイスによるキャラ付けがしっかりとされています。
前作の「ダーク・ネクロバット」や「クレッセント・グリズリー」の行動パターンの薄さは本当に酷かった…。

そうしてボスの個性が付けられた上で、初心者でも楽に倒せる用に強くはないボスがちゃんと用意されているのも気が利いている。
特に特殊武器がめちゃくちゃに有能な「コマンダー・ヤンマーク」がステージ・ボスともに簡単な方なのは良く出来ていた。

これが秘密研究所ステージに入ると、楽しいよりめんどくさいが勝つボスが増えてくるのですが…。
特にナイトメアマザーとゲイトは、こっちのペースで攻撃を仕掛けることが出来ず、相手の行動パターン次第で無限にバトルが長引くので、本当にかったるかったですね。

そういえば、『X5』の悪癖のひとつだった無闇矢鱈と長いHPゲージはなくなりました。
今回はボスごとに固有のHP量を持っており、例えばHPの少ない「グランド・スカラビッチ」はボスLv3になっても、初期状態エックスくらいのHPしか持っていません。
おかげで最後のボスラッシュもサクサクです。

不満点

その大半は、ゲーム内に詰みポイントが複数設置されていること。

特殊武器を持たない状態でのハイマックス戦、エアダッシュがない状態での秘密研究所ステージ2後半など。
一回通しプレイをしただけで気付けて当たり前の部分なのだから、きちんと対策をしておいてほしかった。
エアダッシュできないモードが2つもあるのに、エアダッシュ必須のコースをゲーム終盤に置くんじゃないよ。

詰んだとき用に、ステージ中での強化パーツの入れ替えや、アナザールートから脱出する手段がないのもマイナス点。
何か可能性があるのか?見落としがあるのか?と試行錯誤しながら死に続け、何も見つけられず後で調べてみれば詰みポイントだった、というのは本当に萎えるところ。
こればっかりはゲーム構造の失敗と断言していいものでしょう。

ストーリーの順番

あとささやかな問題かもしれないんだけど、普通にプレイすると「ゲイトがアイゾックを従えていること」「アイゾックがナイトメア調査隊を運営していること」、すなわち「ゲイトがナイトメア現象の調査をさせていること」は(プレイヤーには)わかるのですが、「ゲイトがナイトメアウイルスの生みの親であること」は秘密研究所ステージ1をクリアするまで誰にもわからないんですよね。

つまり、エックスたちは証拠不十分のまま「ゼロがナイトメアの原因だなんて言われちゃたまらないから」とナイトメア調査隊の拠点を襲撃し、レプリロイドたちを撃破して回っているのだ。

チュートリアルステージでもハイマックスが「ゼロがナイトメア現象の原因」「邪魔するエックスを倒してゼロを殺す」という趣旨のことを語っており、この時点ではゲイト=アイゾック&ハイマックスの目的は、ゼロを倒してナイトメアウイルスを根絶することであり、8ボスはそのための協力者という構図しか開示されないのです。

エックス相手に語る内容をふまえると、ハイマックスはナイトメアウイルスの生みの親がゲイトであることを知らなかったのだろうか?
すべて理解した上で、自分たちはナイトメア現象と戦うために動いている正義の味方だ、とエックスに印象付けるために芝居をしていたのだとしたら、あの野郎かなりの役者ですね。

結果的にナイトメアウイルスはゲイトが開発したものだし、8ボスは調査隊に参加したレプリロイドをウイルスに食わせているので、倒すこと自体は妥当だったのですが…。
エックスたちが、ゲイトと部下のレプリロイドを倒す大義名分を得る工程が、まるっとゲーム内からすっぽ抜けているんですよね。

『X4』からストーリー性を徐々に強めてきただけに、今回の複雑な陰謀構造をきちんと開示して欲しかったのは残念ポイントでした。

X6の楽しさを支える2種のアーマー

前作のファルコンアーマー、ガイアアーマーもかなり無法だったけど、今回のブレードアーマーとシャドーアーマーもかなりの強さでした。
というか、こいつらの強さのおかげでステージの難しさもボスの強さも許せているというか。

逆に言うと今回のファルコンアーマーはかなりショボい性能になっており、スピアチャージが何も貫通しないし、敵の撃ってくる豆玉と相殺して消えちゃうレベルの劣化を起こしています。ただの細バスターだこれ。
ファルコンアーマーの攻撃の弱さは、ヤンマーオプションを始めとした特殊武器でなんとかフォローしましょう。

ブレードアーマー

チャージショット+上キーでバスターをセイバーに切り替える事ができるという、バスターを半分捨てたようなアーマー。
遠距離戦はしづらくなりますが、特殊武器は引き続き使えるので、そちらで射程をとりつつタイミングに応じてチャージセイバーでダメージを稼ごう。

普通のチャージショットも撃てるんだけど火力が下げられており、こちらはあまり頼れない。

最大の強みは、『X3』のヴァリアブルエアダッシュを強化させたが如き「マッハダッシュ」。
なんと空中で5秒くらい滞空したあと、上下左右好きな方向に、エアダッシュの2倍の距離を移動します。
出だしはバリアがつくため、サイズによっては敵をすり抜けて無理やり進むことも可能。

ステージにはこのマッハダッシュでないとたどり着けない場所もそこそこあるので、なるべく早く取得したいところです。

ヘッドパーツスカラビッチステージ。
4つ目のトーテムポールから飛ぶエリアに置かれている。このポールから飛ぶエリアは複数あってランダムに遷移先が選ばれるので、運が悪いと何度かリトライすることになる。
ボディパーツシェルダンステージ。
ボス部屋に向かう手前にある、下向きのドアを開けて進んだ先。
壁をすり抜けて左に行くと見えない床を超えた先にカプセルがある。
ここには2体の要救助者がいるが、高い位置への攻撃ができないとナイトメアウイルスに食われてしまう。
アームパーツミニジオンステージ。
イルミナを倒した時に出てくるアナザールートへの移動をした先。
進行方向は右だが、あえて左に進むとカプセルとライフアップがある。
フットパーツヤンマークステージ。
最初に洞窟に入ったところにいるカマキリの背中側。
これは露骨なので、Xシリーズプレイヤーならすぐ気付くと思う。
シャドーアーマー

前作のガイアアーマーをブラッシュアップしたようなアーマー。
壁からずり落ちることなく張り付きが出来、トゲの即死も無効になる。
代わりにエアダッシュが出来なくなっており、一部のステージでは強化パーツで機動力を補正していないと詰むところが出てくる。

もろに忍者をモチーフにしており、通常ショットは手裏剣になり、チャージすると高威力のセイバー攻撃が発生する。
ゼロの氷狼牙のように、天井に張り付くことも可能。張り付く際の大ジャンプを活かせばできるショートカットもある。

火力に特化し、トゲを無効化できる代わりにエアダッシュという滞空手段を失っており、8ボス攻略道中には実のところあまり向かないアーマー。
使い所は秘密研究所ステージ3種で、おそらく性能的にもそれに合わせた調整をされている。と思いきやステージ2で詰ませてくるのがよくわからない。

ヘッドパーツメタルシャークステージ。
2番目のプレスエリアを越えたあと、はしごを降りず左に進むと別のルートを進むことが出来る。
プレス機、落とし穴ともにとても長く通常では抜けきれない幅で設置されているので、「ハイパーダッシュ」と「ハイジャンプ」両方をつけて行く必要がある。
ボディパーツタートロイドステージ。
ボス部屋に入る前のエリア。右上のトゲ廊下を越えた先にある。
強化パーツ「ダブルバリア」をつけた状態で、バットンをおびき寄せて被弾、無敵中に通り抜けよう。「ハイパーダッシュ」があると良い。
マッハダッシュでもいけるようだが、高さ調整にかなり繊細なコントロールが求められる。
アームパーツヒートニクスステージ。
2番目のナイトメアスネークを倒したあと、次の部屋に入らず上に進むとある。
かなり高い竪穴を登らないといけないので、上方向マッハダッシュを使うか、リサイクルエリアに入ってから来ると発生するナイトメア・アイアンを足場にして登ろう。
フットパーツヴォルファングステージ。
竪穴に雪崩が降ってくるエリアの坂道。マップ右上に乗り込むとカプセルがおいてある。
ハイジャンプでは届かない高さ(壁ジャンプができない)なので、マッハダッシュを用意していこう。

三種のエンディング

前作は地球を救えるかどうか、グッドとバッドで結構大きな違いがあったけど、今回はいずれも事態を解決しつつも、その後何を描写するかで変化がつけてありました。

ゼロを復活させ、エックスでシグマを倒す

多分一番大団円といえるルート。
倒したゲイトの遺体を連れ帰る姿に、エックスの優しさが現れていてとてもいい。

仲間たちも全員集合して、これから頑張っていこうという感じ。これが『X5』のグッドで見せた3年後に通じる終わり方かな。

ゼロを復活させ、ゼロでシグマを倒す

戦いが終わった後、ゼロは謎の科学者の協力のもと、自身を100年にわたる封印にかける。

前作のゼロウイルス、今作のゼロナイトメア(とゲイトが悪用したゼロのDNA)を踏まえて、自身の体に見過ごせないリスクがあることを認めたゼロ。
長い眠りにつくことで人類を守るという選択肢を選びました。

このEDは、シーンにエックスもエイリアもシグナスも全く出てこないのが趣深い。
彼らは果たしてゼロが自分を封印しようとしていることを知っているのでしょうか…。

このEDは「ロックマンゼロ」シリーズの前フリともなっているようです。
ロクゼロはだいぶ未来の話だと思ってたけど、あれもあくまでエックスの時代の100年後なのね。
地下に人類の拠点があったり、地上が荒れている姿は『X6』で見せた地上の状態に近いものがあるかも。

ゼロを復活させず、エックスでシグマを倒す

大団円ベースの展開であるものの、ゼロが「エックスはもう一人でも大丈夫そうだな」と判断してイレギュラーハンターベースをこっそり去っていく…というもの。

あえてアナザールートをすべて無視してクリアしないと見られない、ある種の隠しエンディング的存在。
アーマーパーツもサブタンクもアナザー側にいくつか置いてあるので、それらに気付きもしないままシグマを倒すでもしないと、自然にはたどり着けないEDでした。

立ち去っていくゼロが何をするのかは語られていないけど、多分ゼロEDと同じように自分の体の封印をしにいくのかね。

ちなみに『X7』ではどうやらゼロがハンターとして活動しているようなので、次回作に通じるのは大団円のゼロ復活&エックスでシグマ撃破EDでしょう。

一定のラインを超えて攻略出来た者だけが楽しめる、選ばれしプレイヤー向けのスルメゲー

とても万人に勧められるものじゃない。
エックスシリーズに慣れている人にだって勧められるものじゃない。

ただし『X6』でしか満たされないプレイ感があり、それが欲しいと思ってしまった者はもう『X6』でしか満たされない。

そんな感じ。
スパロボに対するスクランブルコマンダーみたいな、世界樹の迷宮における世界樹と不思議のダンジョンみたいな。

そのシリーズが持つ本来の面白さからはズレているけど、ハマる人はハマる系のタイトル。それがロックマンX6でした。
それをメインナンバリングタイトルでやるんじゃないよとも思うけど。


さて、次は『ロックマンX7』ですね。
3Dになった弊害がめちゃくちゃあって評判の悪いタイトルのようですが…実際に評判の良くなかった『X6』が結構楽しめてしまったので、なんだかんだで楽しめてしまう気もする。


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