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100円均一でプラモ用撮影ブースを作りました

2022/10/14


最近またプラモ熱が高まってきたのもありまして、いよいよプラモ用の撮影ブースを作りました。
今まではせいぜい背景に紙を敷いたくらいだったんですが、今回は箱型のブースと置き型照明付きのものです。
といっても検索をかけて出てくるものを真似しただけなんですが…。

100均で全部揃う撮影ブース

今回集めた部材は、全てダイソーで購入できるものです。
いずれも1つ100円ですが、小型の店舗だと売っていないかもなので、ダイソーのみで独立した建物を持っていたり、複合商業施設のワンフロアを持っているような大型店でないと売ってないかも。
もしくは通販があるので、そちらで買ってもいいでしょう。

フリーマルチパネル355×355mm


まず四方を覆うパネルです。前面を開けるので、6面体を作りますが買うのは5枚です。

なおブラックカラーも売っていますが、光をほとんど通さないためオススメしません。
撮影にあたっては、上や背後から光を当てたくなることもあると思いますし。

連結ジョイント フリーマルチパネル用4個


パネルを連結させるものです。これがないと箱型になりません。
8つの頂点を連結するので、これが2つ必要です。

私の行ったダイソーではこのかたちのものが売っていなくて、代わりに1枚目の写真のような平たいパネル連結ジョイントが売っていました。
この平たいジョイントは、余白が大きいため箱がカッチリ固定出来ていないのですが、その代わり12個入り100円という安さ。どっちでもいいと思います。

9SMD&1LEDBOXライト


照明用の置き型ライトです。100均のライトがどんなものがわからなかったので、性能の様子を見る意味で2個買いましたが、本来は3つあった方がいいです。
これで900円かな。

ただこのライトは単三電池が3本いるので、家に電池があまっていない人はそれも買いましょう。
本当は「1000円で揃う撮影ブース」みたいな記事タイトルにしたかったんですが、電池代を含めると1000円を超えちゃうので諦めました。

余ってるスマホなり、卓上ライトなりがあれば代替も可能です。
ただ、なるべく面で照らしたいものなので指向性の強い懐中電灯は向かないと思います。
被写体の色が変わってしまうので、暖色系のランプなども向かないでしょう。白いLEDライトが一番良いのかな。

背景紙

あとは適当に模造紙なりで背景を用意しましょう。
大型の模造紙を買ってきて、組んだ箱のサイズに合わせて切り出せばOKです。

私が選んだのは黒の模造紙。
今回使ったボックスは一辺35cmですので、それよりは大きい紙にしましょう。横35cm、縦90cm以上は欲しいなあ。

これはどこの100均でも大抵売ってるので、あちこち回って良いものを探してみましょう。
失敗しても100円なので、損した感よりも探してるときのワクワク感の方が勝るはず。


不織布を背景に使えないかと試したこともあるのですが、目地が目立つのであんまりおすすめしません。折り目がつかない布って選択肢は良いと思ったんだけどなあ。
光を透かす構造なのはメリットにもなりそうな気がしますが、カメラから生地の向こうを透かしてしまう場合もあります。

ライティング


私も素人同然というか、素人なのですが、調べたところによると物撮りには最低でも3つの照明が必要らしいです。

キーライト


被写体の正面から照らすメイン照明になります。
位置を微調整しながら、一番被写体が明るく、かつ白いパーツなどのディティールが白飛びしないように考えます。

写真のフォレスティエリ02は左手側に白いシールドを持っているので、左から強い照明を当てるとシールドが白飛びしてしまいそうです。
ので、キットの真正面、本体の奥まった部分などにも照明が当たるよう配置します。

フィルライト


キーライトで出来た影を消したり、キーライトでは光量が足りないところを照らすためのライトです。
キーライトよりも弱く淡い光量で、複雑に入り組んだ立体をきれいに撮影したり、大きな武器を持っていて体に影が出来てしまうときに、本体にかかる影を軽減させるのに使います。

今回は蛍光灯が部屋中を照らしている環境下での撮影なので、フィルライトは使用しませんでした。
晴れた日なら、窓から差し込む太陽光でもその役割を果たせると思います。
(もちろん素人がプラモ撮影に使う範疇での話です)

バックライト


被写体の後ろや上から当てて、境界線を立たせたり、キー・フィルライトで出来やすい奥行き部分の影を軽減するのに使います。
特にプラモは奥行きがある+バックパックなどの装備が多いので、前からのライトのみだと背面に影ができがち。

ライトを真下に向けると光が強すぎたため、今回は奥にライトを向けて、その光のおこぼれを被写体上面に当たるよう調整しました。

このライトを当てるために、パネルで黒を選んでは駄目だったわけですね。
むしろすりガラスみたいな不透明度のパネルにライトを当てることで、レフ板を通してぼかしたみたいに柔らかい光が被写体に当たるという、メリット効果まで得られるのです。

なお、これはあくまで三点照明というやり方での話。
窓からの光を使うにしても、窓の位置と撮影ブースの配置で条件は全然変わってきますし、奥行きのいらない被写体もあれば、3点では照明が足りない被写体もあると思います。

要点は複数方向から強度の違う光を当てて、被写体の情報を潰さないように、埋もれさせないように光を当てるということ。
プラモやフィギュアを撮る分には、そこだけ気にしておけば十分だと思います。

Adobe Photoshop Lightroom

さらにここでもう一つ調整を噛ませます。
使うのはスマホで使用できるカメラ・写真調整アプリ「Lightroom」です。

正式名称は「Adobe Photoshop Lightroom」。
お高い有償アプリなのですが、スマホ版では無料で機能制限版が使えます。
その制限された機能が、プラモ撮影・写真加工に全く不要な機能ばかりなので、無料で美味しいとこどりをできるわけです。

そして、ここで肝心なのがRAW現像の話。

RAW現像

RAWとは、画像の圧縮する前の生データの状態のこと。

一般に画像ファイルというと、jpgやpng形式が使われていますが、それらはそれなりに画像容量を圧縮した状態です。
その圧縮の過程で、例えば黒く潰れて見えるものの実は明るく加工するとディティールが伺える箇所「ただの黒」と置き換えることで、情報を削除しているのです。

RAWは圧縮前なので、そういった圧縮の過程で消えてしまう情報も全て残っているわけですね(その代わりデータがめちゃ重たい)。

そのRAWデータを加工調整して、jpgやPNGに書き出すことを「RAW現像」と言う…はずです。
私も勉強し始めて二日目なので、調べたりしながら後で読み返すための資料のつもりで記事を書いています。

撮影

スマホのデフォルトカメラアプリで撮影したデータは、撮影した時点でjpgかPNGに圧縮されているものなので、RAW現像に使うことはできません。
そこで使われるのが「Lightroom」。

アドビのアプリなので初回起動時にはアカウント作成などが求められますが、その辺は適当に進めてください。


アプリを起動後、下メニューのライブラリから適当に項目を選び、右下のカメラボタンを押すと撮影に入れます。
撮影用アプリではないからか、カメラモードへ直行するボタンがありません(多分)。


撮影自体は普通のカメラアプリと同様。
撮影の中で調整も可能ですが、RAWである以上この後いくらでも調整できるので、ここで調整する意味はあまりありません。


撮影を終えて画像を開いたら、ここで加工が可能になります。
まずデフォルトだと画像の状態。ちょっと光量が足りませんね。


露光量を限界まで上げるとこんな感じ。
当然ここまで上げたら使い物になりませんので、調整をしましょう。

露光量

写真の中における光の量。
本来撮影時に調整するものですが、後からデジタルで加工できるのがこのアプリの強みですね。


コントラストを付けるとこんな感じ。黒も白も極端な方向へ強くなります。
被写体がアビーだからかもしれませんが、若干ホラーテイストが出ますね。

コントラスト

明・暗や強・弱の差異を調整する加工のこと。
強くすると白・黒が濃くなって、弱くすると白・黒がグレーに近付くみたいな認識でやっています。
プラモの黒いパーツがディティール潰れてしまった場合、ここを弱くすると黒潰れが軽減されたりする。されなかったりする。


というわけで逆に下げるとこんな感じ。
白が薄いグレーに寄っていきますが、黒も色味が薄くなって潰れていたディティールが見えるようになりました。

こんな感じで大量にあるパラメータをそれぞれ調整していって、求めている写真に近付けていくのが写真加工です。

私が求めているのは、ディティールを白く飛ばさず、黒く潰しもせず、全面的に情報を拾いやすい写真。
なので、光が足りない時は露光量を上げてハイライトを弱めたりします。
あとは蛍光灯で撮影すると白が強調されやすいので、ついでに彩度を少し上げて色味を強調したり。
自宅の蛍光灯が暖色系だったりする人は、レンズフィルタで青系を弱く重ねると本来の色味に近くなります。

ただし撮影の環境自体は後からは調整できないので、前述のライティングをしっかりしておく必要があるわけですね。

ということで実践

いくつか撮影してみました。
背景の紙はちょっと照り返しがあったので一考の余地が山ほどありますが…。良い背景紙って1枚2,000円とかしたりするんだよな…。

フォレスティエリ02


30MMのフォレスティエリ02に、大型ブースターユニットやエグザビークル・バイクを組み合わせたもの。

暗色系の機体を、上手くディティールを潰さずに撮れたと思います。
もうちょっとシャドウとハイライトのバランスをとっても良かったかもしれないけど、ある程度陰影が効いてる方がカッコイイんだよな…。

マシュ


TVアニメ版「絶対魔獣戦線バビロニア」をやっていたころにプライズ品で出たマシュのフィギュア。

マシュも鎧部分が暗めの色合いですが、きちんとディティールや質感が伝わるいい写真になったんじゃないでしょうか。ただ肌が一部白飛びして見える箇所もありますね…肩とか。
おっぱい部分艶出しにしてお腹部分マット塗装にしてるのドスケベすぎるだろ。

どでかい盾があるので、そっちにキーライトを置いてはいけない典型例ですね。
盾の反対からキーライトを当て、盾の作る影を消すようにバックライトの位置を調整しました。

アビゲイル・ウィリアムズ


「ぬーどるストッパー」シリーズよりアビー。初期フォーリナーの第一再臨状態です。

ぬーどるストッパーシリーズはカップ麺の蓋を閉じられる、というコンセプトなので常に座った状態でフィギュア化されるのですが、座らせるのにちょうどいい箱が無かったですね…。
そういうアイテムも買ったほうが良いのか…?

アビーも服は暗色ですが、縦のラインやワンピースのリボンがきれいに映ってて良し。
ただ帽子のディティールが潰れてしまっているので、ここに関してはちゃんとフィルライトを用意したほうがよかったな、と文章を書きながら思っています。
ライト側で光量の調整できるやつあるし(100均と比べるとちょっと高いけど)、雑貨屋とか家電店探してみるかなあ。

アルマジロのジョン


秋田書店のオンラインサイトだったかで通販していた「吸血鬼すぐ死ぬ」よりアルマジロのジョンぬいぐるみ。

こちらはアビーとは逆で、お腹のふさふさ毛が白だったのでフィルライトがないことが功を奏した例。
陰影が付いたことで、毛束のディティール感が写真でも伝わりますね。

強いて言うなら、顎下の影を消すよう上半身のあたりに淡いフィルライトを当てても良かったのかもしれない。

ということで撮影ブースと、写真撮影のテクニックの話でした。
始めたばっかりなので「ひとまず私はこうしました」という話であって、実績のある実用的な話にはなっていません。
これからも調整を重ね、ガジェットを買ったりしてブラッシュアップしていこうと思います。
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