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ドラゴンクエストIII HD-2D

2024/11/17

初報から3年くらい待ったんでしょうか?
いよいよHD-2Dリメイクされたドラゴンクエスト3が発売されました。

いやね、正直なところ景観がアップデートされたくらいなんだろと思っていたんですよ。
HD-2Dの一番の魅力ってレトロをモダンに、ポリゴンをドット風に見せる背景演出だと思ってたので。

それがもう、遊んでみたら予想以上にゲーム本体に手が入っていまして、2024年にフルプライスのゲームとして出す価値のあるゲームにちゃんとなっていました。

今回はイシスまで行った感想や、各職業の感想の記事になります。

レトロゲームのレトロ感を守った最新ゲーム

個人的に今回のドラクエ3で一番うれしかったのが「変にゲーム性を追加してこなかった」こと。
この場合のゲーム性ってのは、被弾時にジャストガードがあるとか、弱点属性でコンボ発生とか、そういうのね。

ドラクエがこれまでやってきた、特にSFC版ドラクエ3までに持っていた要素だけを使って、最新のドラクエ3になっているのが嬉しかったです。
装備の種類が増えたり、特技が増えたり、アクセサリー枠が増えたりはしてたけど、ドラクエの枠の中で2024年のアップデートをかけてきた感じ。

戦闘時も、ターン開始前にはメンバーの背後が見れる演出があるものの、バトルシーンは往年のドラゴンクエスト。

敵はきっちりアニメーションしつつ、敵が3Dモデルじゃないのも素晴らしい。
私のドラクエ3はSFCからだったので、ドットによる戦闘アニメーションが現代にリメイクされたのがもう本当にたまらん。ありがとうドラゴンクエスト。

他、バトルのスピードは普通~超はやいまで戦闘中に変更が可能で、超はやいだと戦闘もあっという間。
勇者も含めて全員を「ガンガンいこうぜ」や「バッチリがんばれ」にすれば、プレイヤーは「たたかう」を押すだけでフルオート戦闘。稼ぎがとてもラクになっていました。

HD-2Dを活かした風景

さすがにもうマップチップがどうのという時代ではないので、国ごとに全く違う風景が出来上がっています。

アリアハンとロマリアでもう、城の中の装飾やインテリアがまるで違うのが素晴らしい。
イシスが違うのはSFCからだったけど、同じ洋風の城って枠の中でちゃんとデザインが違うんだよ凄くない?

あと目を引くのは、光の演出の美しさ。
洞窟や夜に勇者が持つカンテラや、マップの構造による太陽光の当たり方の差がきちんとデザインされています。

暗い洞窟の中で差し込む光と、カンテラの赤い灯りの違いなんてのまで表現されていて、本当風景を見るためにドラクエ3プレイできるレベル。
1・2リメイクのたいまつも今から楽しみになってきました。

その他便利になったこと

ダッシュの実装

マップが広くなった分、ダッシュ移動ができるようになりました。
ボタンを押している間ダッシュ式と、ボタンを押して徒歩/ダッシュ切り替え式を選ぶことが出来ます。
基本後者で常時ダッシュにしてないと、マップの広さにくたびれてしまうかも。

レベルアップ時の回復

レベルアップでHP・MPが回復するようになりました。
次のレベルまでの経験値がメニューで見られるので、帰還のタイミングを先延ばしにして長期戦が可能。

ミニマップの追加

街でも村でも初見のダンジョンでも、画面右上にミニマップが表示され、全体マップに切り替えることも可能。
ダンジョンでまだ行っていないところまで丸見えになっちゃうのはどうかなあ、と思っていたのですが、今回マジでマップがかなり広くなっているので、一覧性を上げてくれたのは個人的に結構嬉しかったです。

宝箱を探してどのみち隅々まで歩くんだけど、歩く順番や、一度見た箇所に迷い込まないで済むようになった、という意味で「簡単になった」のではなく「便利になった」という感じですね。

ルーラとリレミトの仕様変更

今回ルーラが大変に強化されていまして、消費MPは0かつワープ先に街だけでなく、洞窟やほこらも登録されるようになりました。
アリアハンで言うと、レーベだけでなくナジミの塔やいざないの洞窟、ナジミの塔に通じるだけの草原のほこらまで対象になってます。

更に強化された要素としてダンジョンからの脱出もルーラでできるようになっています。

いやもうリレミトいらないじゃん!?

「どこでルーラしても天井に頭をぶつけることはないよ」とか「ダンジョンに到達したら、一度キメラの翼で帰還して体制を立て直すと良いわ」みたいなことを教えてくれるモブもいまして、明確に使い道がアップデートされています。

ルーラという呪文、というよりファストトラベル機能に生まれ変わった感じがしますね。

勇者がLv13くらい?で、魔法使いがLv11くらい?で覚えられるので、アリアハンを出る頃には使えるようになっているでしょう。
逆に言うと、キメラの翼の出番がそこまでになるので、マップで拾ったり敵が落としたりする分だけで賄えます。

ちなみにリレミトですが、現状マジで使い道がないです。
こちらも消費MPは0になっていますが、ルーラでいいです。

正確には「今いるマップから、フィールドマップに出る」呪文になっているので、街の中に着地するルーラとはキャラが到着するポイントが違うといえば違う。
この差がメリットを生む場面がちょっと思いつかないけど。

フィールドマップ上アイテムの追加

フィールドマップにアイテムが置かれていることがあり、これが中々侮れません。
手持ちを更新できるレベルの装備品が手に入ることがあれば、種が拾えることもあります。

わざわざ拾わないプレイをする人もいないと思うけど、かなり大きな収入になるのできちんと回収しましょう。
マップを隅々まで探索する理由付けであり、探索したご褒美にもなっている良い追加要素でした。

名も無いマップ「ひみつの場所」の追加

フィールドマップに名もなきマップが追加されており、アイテムを拾えたりアドバイスが聞けたりします。
森の中でそびえ立つひときわ大きな樹だとか、荒野の中で飛び出た岩とか、見た目にハッキリわかるポイントになっており、これも探索のご褒美要素になっています。

中にはモンスターバトルロードで戦ってくれるはぐれモンスターもいるので、これもチェックしておきましょう。


多分もっと山程あるけど、ひとまずこれくらいにしておこう…。
新しい発見と親切に溢れたドラクエ3になっていました。

各職業 序盤レビュー

レベル10ちょっとまで育てた上でのレビューです。
ロマリアに到達するくらいまでの参考にはなるんじゃないでしょうか。

今回特技・呪文ともにいっぱい追加されているので、SFC版までの感覚はあまり参考にならないと感じました。

勇者

言わずもがなの主人公。
パーティに必ず配置されるため、バランス型のジェネラリストになっています。

ホイミやザオをかなり早い段階で覚える他、戦闘用のとくぎとして「かえんぎり」や「みかわしきゃく」を使えるようになります。
ただ僧侶を入れないパーティだと勇者がヒーラーを兼ねるので、攻撃用のとくぎにMPをあんまり使いたくない感じはある。

パーティ編成によってどの役割もこなせるので、入れたい仲間に応じて役どころを調整してあげましょう。

戦士

少なくともレベル10前後での戦士は、戦士というよりは【タンク】だった。
「かばう」で仲間一人のダメージを肩代わりすることができる…ものの、アリアハンやロマリアに着いたくらいの段階だと、戦士の手を防御に割いてまでかばう意味のある攻撃を食らわないんですよね。

レベル10くらいで「しっぷうづき」を覚えるので、早めに倒したい厄介なモンスターってものが出てくるカザーブ以降くらいだと、戦闘で戦士に任せたい役割が生まれてきます。

今回のドラクエ3だと、範囲攻撃技を持っていないのがかなり厳しい。
レベル上げていけばさみだれぎりとか覚えるのかもしれないけど、序盤だと居なくても困らないポジションでした。

武闘家

実はこちらも、序盤だと特徴的な役割のない単体アタッカー。
レベル10までに「とびひざげり」と「あしばらい」を覚えるものの、それを使いたい相手があんまりいない。

とびひざげりの対象になる飛んでいるモンスターが、そもそもアリアハンだとほとんど居ないんだよね。
ロマリアまで行けば一気に増えるけど、この時期のモンスターだと通常攻撃でだいたい倒せてしまう範囲。

ドラクエ6でやっていたんだから、ハッサンみたいに「まわしげり」を序盤から欲しかった。
そもそも本作にまわしげりがあるのか知らないけど。

あんまり武器を要求しないという意味で、コスパの良いキャラクターではある。
その代わり守備力を高めづらいキャラでもある。

魔法使い

戦士・武闘家の手数の少なさと対象的に、序盤からメラ・ギラ・ヒャド・イオを覚えるため出来ることが多い。
ぐんたいガニやじごくのハサミを警戒するプレイヤーはたいていパーティに入れるんじゃないでしょうか。

MP繰りも、最大MPが増えやすい?のか今回は、苦しく感じません。
レベルアップで全回復するのも大きくプラスに作用しています。

補助ではスクルトやボミオスが使える他、勇者とは別にルーラ・リレミトを覚えます。
片方が死んでも即時撤退が出来るという意味で、保険としても機能します。

特に本作は敵の出現数が非常に増えているため、全体対象であるイオが序盤から使えるのはかなり大きい。
アリアハンではそんな気にならないと思うけど、ロマリア入った途端に敵の種類も数もめっちゃ増えます。
パーティに一人入れておくと、戦闘がぐっと安定するでしょう。

僧侶

SFC版との差が一番小さい職業な気がする。
ホイミ系、バギ系、デバフ系補助呪文を覚え、パーティの生命線を担ってくれます。
勇者がホイミ系を使えるとはいえ、MPに限界はあるので重要度は高いです。

AIを「バッチリがんばれ」にしておくと、ターンが回ってきたときの判断でHP回復をしてくれるのが便利。

ただしHP回復が必要な仲間がいない場合、結構な高確率でバギを唱えてしまう(多分ダメージの期待値が通常攻撃より高いため)ので、今度はMP消費がはげしくなります。
パーティ全員をAI任せにしていても、僧侶だけは「めいれいさせろ」にしておくのがいいかも。

商人

最序盤のうちは出来ることが全然ないものの、レベル5くらいで覚える全体攻撃「石つぶて」が事実上のイオ。
もちろんイオ属性があるわけじゃないけど、そんなもの参照する敵が序盤に(多分)いないので、全体攻撃役として起用できます。

もちろん戦闘後に追加でゴールドを獲得する能力も持っています。
あんまり発生頻度が高くない気がするけど、お金稼ぎの効率は大きく変わります。
ドラクエってのは常にお金の余裕がないのだ。

ただ石つぶてが今後ずっと一線級なわけもないと思うので、レベル20・30になったときに戦闘で役割が持てるかはちょっとわからない。
基本酒場にいてもらって、稼ぎが必要になったら呼びに行くくらいのポジションになるのかも。

遊び人

ちょっとレベル10段階では何もわからなかった。
遊び人特有の無駄行動はちゃんとあるけど、少なくともレベル10になった今1個も特技・呪文を覚えてない。

他の職業がいろいろ追加されているから遊び人もワンチャン…と思っていたんだけど、予想に反して今なお「連れ歩くならシャレのつもりで」という部分がブレていません。
実質3人パーティになることを承知の上で、ハードモードのつもりで連れて行くような存在です。

盗賊

多分、一番できることが変わった職業。
特技の数がめちゃくちゃ増えており、しかも結構な数が序盤から覚えられます。

バッドステータスを付与する「ねむりアタック」「しびれアタック」もいいですが、2連続単体攻撃の「ウイングブロウ」が強敵戦で有効。
一方いばらのムチやチェーンクロスを持てるので、普段は範囲攻撃役にすることもできます。

さらに、マップが広くなった本作では探索が大変になっており、マップ上のアイテムを察知できる「とうぞくのはな」や、エンカウントを減らせる「しのびあし」が存在感を増しています。

更に当然、バトル後に確率でアイテムを盗む能力は引き続き持っており、しかもこれが結構高い確率で種系アイテムを盗んできます。
30分に1個くらいのペースで盗んでくるものだから、レベル以上のパラメータに出来てゲーム進行が楽になるまであります。

こいつ一人でどんだけゲーム進行を便利にしてくれるんだ、って感じで、ありがたすぎて外せない呪いの装備みたいになってる。

魔物使い

HD-2D版唯一の追加職業。
魔物使いと言ってもモンスターを仲間にする能力はありませんが、仲間にしたはぐれモンスターの数に応じた特技の取得など、HD-2D版の新システムに応じた特技を覚えるため、出番が多い職業です。

ただし序盤、特にアリアハンにいるうちはほとんど何も覚えない。
こいつの本領はロマリア大陸に行ってからなので、最初のうちはパーティにいれなくてもOKです。

ルイーダの酒場でもおすすめされる全体回復「やすらぎの歌」は全体にホイミをかけるような小粒ベホマラーですが、これが必要になるのは多分ピラミッドくらいまで到達してからでしょう。
単体攻撃しか食らわないアリアハンで覚えても使い道がありません。

アッサラームに着いたあたりで覚えられる「とおぼえ」は、全体に複数回ダメージを与える「どとうのひつじ」系の技。
覚えるまでしばらく時間がかかりますが、覚えたらしばらくはこれ一本でいいくらい強い。

また、一部のはぐれモンスターは、仲間にするのに魔物使いが必要になることがあります。
せっかくの新システムに深く絡んだ職業になっているので、メインパーティに入れるかどうかは置いておいても、一人は仲間にしておきましょう。


というわけでこんな感じでした。
安牌かと思っていた戦士・武闘家がいまいち見せ場なく、代わりに商人の存在感が増していたのが印象的。

魔物使いも序盤こそ居場所がないものの、アッサラームあたりから急速に特技が整って、出来ることが増えていきます。

うちは勇・僧・魔・盗でパーティを組むことにしました。
サブで商人と魔物使いも育てているので、平均レベルちょっと低くなってる気がするけど、新しい特技を覚える度に新鮮な驚きがあったりするので、稼ぎも意外と苦にならなくて楽しいです。

遊びの中身もマップの数も戦闘のバリエーションも広がっていて、とても楽しいゲームにアップデートされていたHD-2D版ドラクエ3。
来年に発売予定の1・2も楽しみになってきました。

オルテガ周りの追加描写もとても増えていて、既プレイでも…というか、既プレイの人こそ楽しめるドラクエ3になっている気がします。
長い時間待った甲斐のあるドラクエで嬉しいですね。

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