
今日のレビューは「Exo One」。
未確認飛行物体…ならぬ確認済み有人飛行物体となって異星の地表を駆け巡るスペース滑空転がりアクションゲームです。
無人の荒野を行く宇宙船

プレイヤーは未来宇宙科学によって生まれた飛行船「Exo One」の搭乗員となって、無窮の荒野をひたすら走ります。遠く彼方に見える光の筋「移動モノリス」を目指して。
プレイヤーが能動的に出来るのは、たった2種のアクション。
しかしアクションゲームというわけでもなく、その程よい不自由さと思わぬ疾走感で、ひたすら淡々と気持ちよく未知の惑星の景色を眺める…という、いわばウォーキング・シミュレーター系のゲームです。
重力落下

エクソワン唯一の加速手段。
左クリックを押している間は機体に重力負荷を発生させ、猛スピードで地表に落下します。
落下後も地形のより低いところに向かって下降し続けます。

その加速の勢いをつけたまま、上り坂に入ったらクリックを解除して重力負荷を消し、勢いよく飛び出すのが基本の移動手段です。

シュポーンと気持ちよく飛んでいき、次の丘の頂点まで来たらまた重力加速で沈み込み、坂を登っていくにつれて解除してシュポーン!の繰り返しで前進していきましょう。
グライド

高く飛び上がったときにグライドを入れると、滑空モードになり長く高く飛び上がれます。
地表を転がらなくなるおかげで減速が少なく(加速もしないけど)、一度つけた勢いを延長させ、より遠くまで飛ぶのに活用します。
また、このゲームはたまに強く風が吹いているエリアがあったりして、(球でも大丈夫だけど)グライドで風を受けると大変キレよく飛べるわけです。
グライドには効果時間があり、機体の赤熱がそのサイン。
長くグライドしていると徐々に減少していき、カラになると球に戻ってしまいます。
再び重力負荷で地表に向かったり、地面と接触すると効果時間がチャージされます。
どうやらエクソワンは電力駆動らしく、地表や構造物との摩擦、(重力加速時のみだけど)大気との摩擦、あとは雷雲の中に飛び込んでもエネルギーがチャージできます。

雷雲の中は延々グライドできるので、上手く加速をつけて飛び込めば一気に高速移動が可能です。
更にグライドしながら重力負荷をかけると急速降下が出来、着地寸前に重力負荷だけ解除することで高速滑空も可能。慣れてきたらこっちで移動することが多くなるかな。
他、ジャンプもあるんだけど、ジャンプの高度が低すぎる上に1回しか出来ないのであんまり意味がわからなかった。
美しい未知のロケーション

こちらは最初の惑星「サガン4」。
荒野の地表はさっき見てもらったとおりですが、荒野しかない分、この先の惑星にもある謎の巨大構造体の存在感が際立つ。
凝った地形でもないので、まさにチュートリアルという感じ。

2番目の惑星「グノイー」は青く照らされる冷たい惑星。
ここもわりかしチュートリアル的ですが、移動モノリスへの道のり後半に入ると、高低差の激しい加速用の地形や、常時雷雲に満たされていてグライドし放題のエリアがあったりと、チュートリアルで学んだことを活かせる地形が増えています。

3番目の惑星「キリヌス3」には加速に使うのに便利そうな巨大構造体があります。
どことなく映画「スターゲイト」を思い出したけどあっちはちゃんと円形だわ。
この惑星は地表に溶岩が燃えており、もしかしたらまだ生まれたばかり(か死ぬ寸前)の星なのかも。

4番目の惑星「ノーティカ」は水の惑星。重力落下すれば海底まで飛び込むことは出来ますが、基本は石切のようにグライドで水上を弾いて進む、すごく進みやすくて気持ちの良い星です。
ここも何があったのか、頻繁に隕石が落ちてきては水柱が立っています。
操作感の気持ちよさの割に結構危ない星です。
この3倍くらいのロケーションがあるので、景色を楽しめる人にはもってこいのゲームと言えるでしょう。
注意点
個人的にはめちゃくちゃぶっ刺さったゲームだったのですが、個性的な分、合わない人も多そうではあります。
特に気になる人がいそうなのは「自由に飛び回れるゲームではない」ということ。
どことなくオープンワールド的な自由度の高さを感じるゲームですが、極端に道を外れると強制的にマップに戻されてしまいます。
また、高く飛ぶには地形の助けが必要なので、何もない平地で無理やり高く飛んだり、地表に障害物があるときに重力降下で移動するには向かなかったりと、割と障壁になるものがあります。
本作は規程の地形と大気を上手く活かして、それを乗りこなすゲームなわけですね。
あとは、ゲーム開始時にも確か注意テロップが出るんだけど、暗い画面がフラッシュする演出がちょこちょこあるところ。
暗いところでやると、ちょっとてんかんじみた現象が起きてしまう人もいるかも。
部屋を明るくしてテレビから離れてやろう。
ということで「Exo one」でした。
ロケーション自体がコンテンツの一部なので、あんまり軽々しくスクショを張ってしまうと勿体ないので、記事自体は控えめにしておきました。
一周普通にプレイして、大体3時間の短めのゲームです。
時間あたりの値段でいうとそこそこ高めになるかもしれませんが、ぎゅんと落下してその勢いを活かす疾走感と、進めるたびに全く新しい惑星の姿を見られる楽しさは代えがたいもの。
個人的な満足度はとても高い一作でした。
ボリューム軽めなのもあって、ちょっとしたストレス解消にも良い「チル」系のゲームでした。