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ダンボール戦機ウォーズ

2013/11/04

テレビアニメ版がそろそろクライマックスかというダンボール戦機ウォーズ。
10月31日に3DSからゲーム版が発売されました。

本作はこれまでのダンボール戦機シリーズと異なり
・ジャンルがRPGからシミュレーションRPGに変更
・アニメの主人公アラタとは異なるゲームオリジナル主人公
・主人公の違いに伴いストーリーもオリジナル
と幾つか気を引く要素があります。

特にオリジナル主人公というのは、アニメの話を追っかけるばかりだったL5作品としてはかなり冒険したのでは。
話の先を知っているとゲームのモチベーションにも関わってくるしねえ。

LBX

ジャンル名に「プラモクラフト」と題したとおり、本作に登場するロボット「LBX」はすべてプラモデル。
そのため大本は「子どもたちのホビー」としての存在であり、おもちゃとして開発されたものです。
どれくらいおもちゃしているかはアニメ版を見てもらうとわかりやすいと思います。
第二作の「ダンボール戦機W」がおすすめだよ。インフレしてて。

初期はそのプラモデルである点を反映させて、ゲーム中でもパテを盛ったり肉抜きをしたり、パーツにグレードがあったりしたのですが、本作ではその辺は大体オミットされているのであんまりプラモ感が無いです。

LBXは頭・右腕・左腕・胴体・下半身でパーツ分けされているので、それらを自由に組み合わせて自分オリジナルのLBXを組める、というのが唯一残ったプラモ感か。
そういう意味ではメダロットに近いです。

アニメ主役機のドットフェイサー・バルスパロス・オーヴェインは7時間くらいプレイしてやっと使えるようになります。
でも初期機体のDCシリーズも充分かっこいい。

機体のLP(ライフポイント)・DF(防御力)はパーツと「フレームレベル」の合計で決まります。
フレームレベルはプレイヤーごとに設定されているレベルで、該当するフレームを搭載したLBXで戦闘すると少しずつ上がっていきます。

パーツごとのステータス変化は正直微量で、特にLPはこのフレームレベルが最重要。
逆に言えばフレームレベルさえ確保していれば、好き勝手なパーツで編成もできます。
趣味編成ができる反面、低いフレームレベルで運用する機体となると一気に戦力が落ちます。

ブロウラーLv20、ナイトLv1のとき、同じランクのパーツでLBXを組むと大体LP250くらいの差。
必殺ファンクション1,2発分の差となるので、生存性にかなり深く関わってきます。
まぁフレームレベルは結構簡単にあげられるので、あんま考えすぎないでもいいんですが。

主人公

原作アリゲームにしては非常に珍しい、オリジナル主人公制です。
ゲーム公式を見れば早いですが、複数用意されたビジュアル・声から組み合わせを選んで主人公にできます。
ビジュアルは二枚目三枚目美少女微少女と色々揃っていて、選び甲斐があります。
私は茶髪ツインテの子にしました。目つきが尋常じゃなかったので。
アミさんみたいな表情してるよねこの子。

個人的にこういう、主人公の役割を自分で妄想しながらプレイできるゲーム(世界樹、ナナドラ2020等)は大好物。
なのですが。
この主人公、戦闘中のボイスはあるもののRPGパートでは一切喋りません。
いわゆるドラクエ系の主人公ですね。

「戦争もの」「学園もの」という要素とこの主人公の要素が綺麗に噛み合って…見事に…存在感がない…。
仲間であるクラスメイトたちはしっかりした個性が立っていて、彼らは会話もします。
その分…主人公の無口さが…際立つ…。

別にハブられている感はなくて、クラスメイトたちは結構主人公のことを気にかけてくれます。
初対面のときは自己紹介してくれますし、ちょっとした問題が起きると主人公に「ちょっと様子見てきてくれるか」とお願いをしてきたりもします。
ただ喋らないので、状況を自分から動かすことができません。

主人公と言っても話を誘導・先導できるタイプの主人公ではなく、
ゲームで遭遇する物語に居合わせるための、文字通りアバターといった感じ。
劇中に役割が用意されてるわけではなく、エンドロールがあるなら「ハーネス生徒A」って呼ばれる感じ。

DS版コードギアスのP-1さんがとても近いです。

学園パート

そんなものはない。

本作はアニメ版からして「学園モノ」であり、
学校に通う一方で、LBXによる仮想世界での戦争「ウォータイム」に繰り出していくという一種部活ものみたいな雰囲気が形成されているのですが。

ゲーム版に

学生らしいパートなど

ない。

本当に無い。授業もないです。
朝起きたらウォータイム。帰宅して翌朝即ウォータイム。ウォータイム。
マップ中にクラスメイトやアラタたちが登場することもないので
無いものを探してうろうろせず朝起きたら即ウォータイムに行けるという親切ぶり。

ここはかなりのガッカリポイントです。

ゲーム的にキャラクターの日常を掘り下げたり、一緒にLBXバトルしたりを期待していたのに。
アラタたちとゲーム主人公は同じ「ダック荘」で寄宿生活をしていますが、イベントが起こらない限り全く顔をあわせることはありません。

マップ上には何故か商店街のおばちゃんや教師ばかりがうろついており、学生の姿は一切見えません。
この島なんなの。

ウォータイム

正直本作をプレイしている時間の9割9分はこれをしている時間です。
マップ上には大量のポイントが配置されており、そこに自由に進撃していきます。
ストーリー上重要な拠点なんかはロックがかかっていて、序盤から攻め込んだりはできません。

エリアごとにクリアのご褒美があって、
・ラボの強化(強化するほど強いパーツや武器が作れるようになる)
・スカウトキャラの解放
・シルバークレジットの入手
など。
自軍と隣り合ったエリアしか進軍できないので、目的地を目指してひたすらマップを塗りつぶしていくことになります。
なのにジェノックは平気で飛び地を侵略制圧してるという…。

シミュレーションバトル

今回から登場した新システム。
マップ上のLBXを進行させていくシミュレーション要素が追加されました。

仕様はイナズマイレブンシリーズの試合に近く、下画面のキャラアイコンをタッチペンで線を引いて誘導していく感じ。
また線を引かなくても、指定のポイントをタッチすると最短ルートでそこへ向かってくれます。
これが結構大したもので、障害物はきちんと避けながら移動してくれます。壁にひっかかったりしません。

ダンボール戦機というとこれまではアクションバトルが基本だったのですが、このマップ移動中はマップ上でのバトルが発生します。

シームレスにマップ上で攻撃しあって、ダメージ計算してLPが0になれば撃墜されます。
相手の方が基本数が多いので、迂闊に飛び込んでいくとアクションバトルの前に大ダメージを受けてしまいます。
ただここを上手く調整してやると、アクションバトルに入らず敵をまとめて撃墜できたりもします。

必殺ファンクションを使うとまとめて大ダメージをぶち込めたりもするので、ここは色々と詰めて色々考える意義がありそうです。

とりあえず序盤のうちは小隊長にバズーカを持たせて、相手より遠距離から攻撃をしかけると良いと思います。
攻撃可能距離になれば一方的に攻撃できる…はず。

ただしここでの戦闘は基本CPU任せなので、放っておくと無傷で勝てるレベルの相手に思わぬダメージを受けてしまうこともあります。
マップ上でバトルできる状態になればアクションバトルに持ち込めますので、ダメージを減らしたいときや、攻撃を重ねて必殺ゲージを溜めたいときはアクションバトルで倒しましょう。

アクションバトル

従来のLBXバトル。
マップ上で攻撃できる距離になると任意でこのバトルに持ち込めます。

基本的には従来どおり。
スライドパッドで移動してBでジャンプ。
Yボタンで攻撃。パッド+Yでバリエーション変化。
上キーで武器を持ち替えてAボタンでブースト移動。
左右キーでロック変更。Xボタンでロック先をリストから選択できます。
Rボタンで必殺ファンクション選択。

今作からの変化という意味ではマルチギミックサックの存在があるのですが、15時間プレイしてもまだ出てきてないので語れません。

3DSとの相性は結構良く、立体視も綺麗に出来ていて3DSで出す意義はあるな、って感じです。
処理落ちも殆どないのでストレスなくプレイできるかと思います。

ただやはり画面がちょっと狭い気がするので、最初のうちは大変かも。
1時間もやってると状況に合わせてバリエーション攻撃しながらロック切り替えて必殺ファンクション!とか出来ます。

必殺ファンクションは割と序盤から数多く覚えます。
覚えるためのアイテムもクラスメイトたちから大量に貰えるので、あんま気にせず覚えさせていいかも。
とは言え使えないもの覚えさせてもしょうがないので、メイン武器と属性は合わせましょう。

本作は登場するキャラほぼ全員がプレイアブルキャラクターなので、
必殺ファンクションはクラスメイトたちにも覚えさせていく必要があります。
それぞれ得意武器が決まっていますので、それに合わせてあげるといいでしょう。
ちなみに主人公のみ、猿田塾で得意武器を変更できます。

プレイ雑感

プレイ時間は15時間ほど。アラタからセカンドワールドの秘密について教えてもらったあたりです。

とにかくね。
内容がない。

いきなり罵倒から入ってしまうんですが、これは書かねばなるまい。

本当にとにかくストーリーというものが無いです。
序盤のチュートリアルが終わると、ひたすら起床→ウォータイム→寝る→起床→ウォータイム→寝るの繰り返し。
したがってプレイしている時間の9割はウォータイムです。

何か探したり謎を解いたりみたいなイベントが全くない。
イベントが始まっても会話が多少あるだけで、その会話が終わるとまたウォータイムです。
どんだけ戦争させたいんだ。

ゲーム公式サイトを見ると勘違いしそうになりますが、RPGパートというものが殆どあってないようなものなんですよね。
ゲームではアニメのジェノックと異なりハーネスに所属してプレイすることになるんですが、まぁ順風満帆で波風の立たないウォータイムぶりです。

一応孤立した仲間を助けに行ったり、ライバル国の敵が侵攻してきたりはするんですが、15時間遊んでそういうイベントが5つも無い。
「ストーリー」というより「イベント」という感じで、まだ話の縦糸が出てこない。15時間遊んでるのに。

ゲームの配分ミスなのかなあと思うところですが、とにかくウォータイム。ウォータイム。ウォータイム。
たまには他のこともさせてくれ。いやカスタマイズやラボじゃなくて。だれかと会話がしたい。
そんな感じ。

これはどうせ後に出る爆ブーストや超カスタムではさすがに調整入るかなってくらいの偏り方。

一方でLBXバトル自体はとても楽しい。
キャラクターは登場する奴全員喋るし、慣れてくれば相手を手球にとれるし。
CPUが結構ちゃんと戦ってくれるので、自分で一機倒して次!と思ったら視界の外で仲間が残りを倒してくれてたり。
主人公放置して別のキャラを操作したりもできるので、お気に入りが一人見つかればそれだけで楽しいです。

武器の種類も大量にあるので、たまに持ち変えるだけで結構新鮮な操作の違いが楽しめます。
序盤ちょっと進めると3つの小隊をコントロールできるようになるので、各小隊の隊長に違う武器をもたせましょう。

マップバトルも様子がつかめてくると結構工夫のし甲斐があって、4小隊で1小隊を囲んでボコボコにしたり、あえて散会させてアクションバトルで一気に制圧したりできます。
その辺の塩梅はまさに自分が司令官になって行う感じで、プレイヤーの個性が出る部分でしょう。

ただ楽しくても、そればかりだとダレる…という話。
バトルを行う理由が「ウォータイムだから」しか提示されないのでモチベーションが上がらないのです。
ジェノックと同盟を組むともうちょいアニメ的なストーリーラインに絡めるのだろうか…。

あとアニメ見てないと多分話殆どわからないです。
ハーネス視点しかないので。

とまぁ大体こんな感じ。
期待が大きかったのもあって、現状採点すると65/100って感じです。

ただ15時間ひたすらバトルさせるゲームにまだダレ切ってないくらいには求心力がありますし、クラスメイトたちのキャラクターはどれもビジュアル・個性から魅力的です。
この先進めていくことで80点代くらいにはなりそうな予感。

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