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GUILD01 「解放少女」

2013/11/15

不気味なパッケージが最大の特徴である本作は、レベルファイブ発のオムニバスゲームタイトルです。

収録されているゲームは4本。
それぞれジャンルもターゲット層も違っているバリエーション豊かな内容となっており、良く言えば多彩、悪く言えばとっ散らかっている感じ。
ジャンルも雰囲気も違う4タイトルのため、プレイヤーのゲームの趣味がそのまま評価に反映されそうです。

全部レビューするとすごい長くなるので、今回は解放少女のお話。
一周クリアした状態です。

解放少女

3Dアクション・シューティングゲーム。
3D機能を上手く活かした画面が魅力です。

可愛くてかっこいいヒロイン、大型の戦闘ロボット、空対地のシューティング、と
ギルドゼロワンでは一番キャッチーで受け入れられやすそうな感じもします。

特徴

色々と特徴が挙げられるゲームなのですが、
個人的に一番感じたアピールポイントは「真面目にバカをやるノリ」です。

主人公でヒロインである翔子は、亡き父のあとをついで新日本の二代目大統領に就任。
日本は「大国」の手により侵略・蹂躙されもはや見る影もない。
空飛ぶ国会議事戦艦「ながた」が国の政治の中心となっており、ヒロイン翔子と戦闘用ロボット「解放機・カムイ」はここから出撃するのだ。

出撃は国会の可決いかんで決まる、出撃のことを出馬と呼ぶ、そもそも国会議事堂が空飛ぶ戦艦、などツッコミポイントを上げればきりがない。

OPである賛成多数で出馬可決・発進・最初の空戦シーンは綺麗なアニメーションで見ることが出来ます。
ノンストップで突き進むバカなノリにツッコミは一切なく、その辺はプレイヤーに委ねられています。
しかし全員が真面目にそれを行っているため、笑えながらも雰囲気はシリアスに寄って構成されるという。

またプレイ中も、ヒロイン翔子はあくまで大統領として出撃しているため、各所にそれを演出する要素が仕込まれています。
オペレーターは翔子を大統領として扱うため、
戦果を上げると「お見事!お嬢様はお国の宝です」など褒めてくれます。
またボスを倒すとニュース速報テロップが差し込まれ、市民の意見を見ることが出来ます。
「女の子が大統領なんて…と思っていましたけど、考えが変わりました!」とか戦闘中に流れてきます。

そういった要素が上手いことからみ合って、バカっぽいけどシリアスで笑えるけど真面目、という
作品独特の空気感が形成されています。
後述する空戦アクションもすごい面白いんだけど、この設定と演出が一番のアピールポイントじゃないかな。

シューティング・アクション

さて空戦部分。
本作の戦闘機カムイは空戦用ロボットであり、常時空を飛んでいます。
敵は基本的に地上におり、設置された砲台や戦艦、クサビと呼ばれる大型ボスと戦います。
空対地戦が基本であり、オフィシャルには空爆シューティングという言葉も。

移動
移動はスライドパッド、ノンリニアで四方八方自由に移動することができますが、高度の変更はなし。
Lボタンを押しておくと前に進まず左右旋回移動となるので、自分の操作に足を取られることはまず無いです。

攻撃
戦闘中のアクションはすべてタッチペン操作。
下画面と上画面が連動しており、下画面でタッチした箇所が上画面でのロックオン箇所となります。
そういう意味ではペンタブレットの操作とかに近いかも。

画面には敵・敵の発射したミサイル、他にも破壊するとボーナスのある地形などがあり、
それらをタッチペンでがしがしロックオンして発射、撃破していきます。
攻撃は完全に追尾してくれるので、要はロックオンするまでがプレイヤーの担当。

機体を動かして敵の攻撃を回避したり、遠くにいる敵まで足を伸ばしながらロックオンを重ねていき、
ペンを離すとロックオン対象に一気に砲撃、必中で撃墜します。

この射撃感、何かに似ていると思っていたのですが、
これAnother Century’s Episode3のマルチロックにすごい近いです。
ロックオンボタン押しっぱなし、移動してロックオン対象捕まえて、ボタン離して射撃。
空対地が多いのもロックオンの信頼性が高いのも似ている気がします。

もちろんこのゲームではロックオン対象は、ペンを使って自力で捕まえるのですが。

難易度はあまり高くなく、正直ペンは適当にがしがし動かしているだけでも大抵の敵が捕まえられます。
システムと上手く足並みを揃えられなくて撃墜される、なんてことはありません。
とは言えきちんと敵を捕まえられるようになると、スマートに無駄なく勝利できるのですが。

その他のシステム
シューティングの基本であるタメ・ボムも搭載されています。
タメはロックオン時、対象をペンで固定してタッチし続けるとチャージされていき、離すと発射。
その仕様上、複数相手にタメ撃ちはできませんが、威力は大きくボス戦向きです。

ボムは「カタナ」という形で搭載。
敵を撃墜してカタナゲージがたまると、下画面にカタナのアイコンが光ります。
タッチペンでそれを引き抜くと、眼下の敵に向かってカタナからエネルギーを放出、辺り一帯を殲滅します。
カタナで斬るんじゃねーのかよ!
そこすげータッチペン向きじゃねえ!?

他にも武器の変更や特攻(ボスのトドメ演出用アクション)など多彩なバリエーションが用意されており、正直オムニバス作品の一つという感じがしない。
というかこれフルプライスで一本作ったらすごい売れたんじゃね?

緑化
また本作独自のシステムとして「緑化」というものがあります。
地上はほとんど「大国」(といいつつなんかもうエイリアン系の宇宙からの侵略者っぽい)に乗っ取られており、中には建物や土地ごと侵食を受けている箇所があります。
敵と同様にそういったエリアを攻撃すると「緑化」でき、マップ上がそのまま緑化され自然が広がります。
緑化ゲージをタメていくと最終スコアに反映されるので、これも積極的に狙いましょう。
大抵は敵をがしがしロックオンしていく過程でうっかり一緒にロックオン、緑化されます。

プレイ雑感

とにかく爽快感が素晴らしい空戦アクションゲームです。
1ステージあたり15分くらいだろうか?
マップごとにミッションに多少差が付けられていて、敵センサーを回避しながら接近して拠点を破壊したり、輸送列車を追いかけて破壊したり、最終ステージでは超巨大なドラゴンを追いかけたりします。

空を飛んで見つけた敵をロック、攻撃するだけでも楽しいっていうのはアクションの基本にして最重要項目。
SEやオペレーター、主人公の声など音声情報が豊富に流れ込んできて、耳を退屈させません。

ボスを倒すとニュース速報になったり秘書が褒めてくれたり、主人公が大統領だという設定もゲーム内に上手く落としこんでいます。
出撃に国会の承認が必要というのも面白い(そこはアニメのみの描写だけど)。

操作も精密感より爽快感が中心という感じで、ロックが追いつかずにダメージを受ける場面はあまりありません。
繊細なタッチを求められるのは最終ステージくらいで、あとはとにかく物量という感じ。

短時間でザクッと遊んでスッキリしてDSを閉じる、みたいな遊び方にピッタリです。

一方でオムニバス形式の弊害もあり、ゲーム全体が短いです。
全5ステージで1時間ちょっとあればクリアーでき、武器も(多分)ロックオンとビームの2種類+カタナしかなく、もう少しバリエーションが欲しい所。

そして一部で話題になった「有料体験版」の話。
実際クリアーしても最後新しい敵が出てきて終わるので、シナリオ的には完全にフルプライスゲームの体験版。
導入ストーリーと世界観が魅力的だっただけにこれも惜しい。
余計なことせんと日本解放して完!ってやってれば後味も最高だったのに…。

というわけでオムニバス形式のゲームには酷かもしれませんが、物量のなさが一番大きな問題点か。
プレイしていての楽しさ自体は文句なしなので、このままボリュームを増やしたフルプライス版が確かに欲しい。

と思ってたら続編が出るらしいぞ。
シューティングじゃなくアドベンチャーで。

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