今週のジャンプ 2018年51号
重大発表はやっぱりDr.STONEのアニメ化でした。順当。
今週号も結構いくつかイカれた話があってとても面白かったですね。
打ち切り、移籍、短期連載などが一気に片付いて、再来週号から合計4、5本分も枠が空くわけですが、また大量の新連載攻勢でもやるんだろうか。
前回の6連弾からアニメ化までこぎつけた僕勉とDr.STONEも出てるわけで、今思うと2/6のホームランって結構な成果だったな。
ロボ×レーザーも長打ヒットくらいは飛ばしたしね。
というか今の本誌、ちょうど打ち切りが片付いたところとは言えアニメ化してないのが連載一年未満のアクタ・呪術・ダビデ・ジモトの4作だけというね。
Dr.STONE
千空という男が普段見せている強気な姿勢はあくまでその一面でしか無く、実は情緒豊かで人に優しい、という描写がこれでもかと盛り込まれた肉厚な一話だった。
そもそもスイカのぼやぼや病を「現代ではなんでもねえただの近視だ」と諭したり、司帝国との戦争に向けて老人のための自動車を開発したり、と千空のお優しさは表現されていたけど、今回はずば抜けてましたね。
「ただの無駄話はしちゃ駄目なのか」なんて合理性の塊である千空が言うって、本当ちょっと泣きそうになった。
およそ2年、これまでの描写を積み重ねてきたからこそ成立する重み。
石化解除治療にあたって必要なのは、まず石化光線をモノにするための時間。
司に施したコールドスリープは、現代でも完成していない技術。
千空が賭けたのは「目覚める可能性さえ無かった司の妹だって治った」という石化解除時の修復力に期待しての「蘇生前提の殺人」という強烈な対症療法だった。
そういう湿っぽいドラマのあとに、ちゃんとこれから前向きに頑張っていくぜというフリも欠かさないのがこの漫画のネアカなところですね。
余韻のために司の冷凍睡眠で一話終わらせたって良いと思わなくもないけど、その先があるからこそ、Dr.STONEは少年漫画っぽさを強く維持している。
地球の裏側に向けて海を渡るなら、航海士やコック、音楽家が必要ですね。
剣士と嘘つきはもう居るからな…。
ブラッククローバー
敵の増援が8人も!これはやべえ!
次のページで見開き全員撃破!!!
本当このテンポの良さよ。
クラウスがざっくり処理されたのはちょっとさみしいけど、早くボス戦行ってほしいしね。
以前苦労して倒したヴェット(海底で戦ったやつ)とフアナ(魔女の森で戦ったやつ)がすげえ簡単に復活しててちょっとビックリした。
ロックマンシリーズじゃねえんだぞ!
15歳の全裸を煙とかで隠したりせずに描いてくれた田畠先生ありがとう。乳首はこちらで想像して補っておきます。
僕たちは勉強ができない
ここまでのストーリーやっておいて文系ルート以外に入ったら逆に文乃ちゃん可哀想すぎない?
もう完全に正ヒロインルート確定後のストーリーだよこれ!
よその家族の問題に対して「俺は何もしてやれない」と自発的に一線を引いた唯我くんが最高にかっこいい。
他者の手助けがあってこその問題とそうでない問題があって、これは完全に後者。
その代わり「応援」してくれるのが唯我くんの主人公たるポイント。
これまでもヒロインたちが「無理だ」と言われたことに対して反抗して、絶対に応援してくれたからこそ、今回の選択も光るというもの。
先週までは父親との離別以外に進めるルートないだろと思ってたけど、唯我くんが応援してくれているおかげで、違和感なく和解ルートが開けた感じがする。
アクタージュ
自分に才能がないのがわかっててそれでも努力し続けて、憧れた位置には絶対行けないこともわかってるけど努力し続けることを不幸だとは思ってないってちょっともう異常者のメンタルですよね。
ワートリのオサムにちょっと近しいものがあるような。
「自分がやるべきだと思ったことをただやるだけ」みたいな。
アラヤは役作りを「死せずして生まれ変わること」「人の道を外れる覚悟」と言っていたけど、その理屈で言うと臭いのしないアキラくんはそれができていないということだろうか。
「アキラの演じた役」ではなくて「アキラそのもの」が求められてるというか。
どこ行っても「ウルトラ仮面」呼ばわりされてるのは、ウルトラ仮面=アキラという認知が広まってて役=アキラで成立しちゃってるという前フリだったりするのかしら。
役を掘り下げない代わりに感情表現が飛び抜けている天使ちゃんも臭いがしないらしいし、役作りの深さ=臭いなのかな。
忘レ者探偵
「レッドスプライト」の作者による読み切り。
デザインのセンスが地味という欠点を現代ドラマ(派手さが不要な舞台)にすることで克服してきたけど、それ以上に構成とストーリーの質が高くてびっくりした。
単発の読み切りでこんなぐっと来たの久しぶりな気がする。
何より終盤の、兄が真正面からすべて妹に打ち明けても何も伝わらないシーンの切なさ。
もう「自分に兄がいたこと」「兄が目の前にいる」ということを認識できないという。
「認識できない」というからくりさえも妹に伝えているのに、それでも伝わらない。
妹が記憶と「知らない兄」に振り回されるシーンや、殺人事件のくだりはすべてラストシーンを盛り上げるための前振りでしかなかった。
最後の数ページのためだけに他のすべてがあったと言っても良いくらい。
この伝わらないもどかしさを兄と読者だけが共有できているという、構築の妙。
こんなに話作るのが上手い人だったのかと思わされた。
レッドスプライトも面白かったけど、ストレートすぎる少年漫画だったからなー。
今回は対象年齢もちょっと高くなっていた感じがしますね。
とても連載に向いた話ではなかったけど、こんな面白い漫画を描けるなら次の連載は期待できそう。
HUNTER×HUNTER
今回は今まで以上にテキスト量が多くて、読むのが大変だった…。
しかも複数陣営の新しい情報や作戦があちこちから出てきて、いっそう複雑化してきている。
シカクがルズールスの部屋の前で自殺したことについては、読者は乗っ取ったハルケンブルクの部下の手によるものだとわかっているけど、劇中のキャラたちはそうではない。
シカクがまず自分を操作する能力だったというのは初出しの情報ですかね。
能力をカード化する能力のようだったけど、そこに自分を操作する余地あるかなあ。
なぜルズールスの部屋の前で自殺したのかは、全く気にしていなかったなあ。
確かに体を乗っ取って使えるなら、無茶な行動させても良かったんだよな。
乗っ取ったシカクが死んだときどうなるか、という懸念点についても、自殺するくらいなら適当な王子を殺そうとして護衛から殺される、みたいな展開させても同じく死ねるし。
3回目の鳴動以降は読者にもハルケンブルク陣営を見せていないあたり、まだ明らかになってない能力がありそうですね。
継承戦ガチ勢のベンジャミン同様に、カミーラの方でも大量の鉄砲玉を用意していたことが判明。
大量のブスを出すにあたって相応のバックボーンを設定してくる冨樫先生は半端ねえな。
クラピカの念講習会に次なる刺客が現れることになったけど、まだ講習会に紛れ込んでいた暗殺者も捕まえていない。
講習会より前に殺されたウッディらと講習会で殺された人で死に方が似ていたけど、同じ刺客なんだろうか。
その場合、一致する容疑者ってガチでビルくらいなんだよね。
強化系らしいからさすがに違うと思うけど…当のクラピカが複合属性の能力者だからなあ。
そろそろ連載再開してから10話(単行本一冊分)。
毎回すげー面白いし複雑化してるので、なるべく続けてほしい…。
THE COMIQ
だんだん謎解き要素よりも「この街もしかしてネオ・ドミノシティなんじゃね?」的な治安の悪さが際立っていたTHE COMIQですが、今週号最後の1ページで急に謎解きモードに返ってきましたね。
死体と生きた人間のすり替えトリック?かぼちゃ被せて殺しても死体の顔は判別できるだろうし…。
本来の姫川聖矢は殺された女の子の方で、その子がかぼちゃクラブで残したネームを現・姫川聖矢が漫画にしてヒットさせたとかかなあ。
というかあの巨大なシルエット本当何なんだよ!
あいつ姫川の脳内に何埋め込んでるの!?デュエリストでもそんな改造手術受けてねえぞ!
スラム的世界観のある5D’sでさえ、犯罪者には顔に消えないマーキングする程度なのに。
あと坂巻の部屋で縛られててうろんな証言を残した謎の人物ってマジで妹なの?
好意的な解釈をするなら、警察を主人公のもとへ呼び出すためと言えなくもないけど、そんな手段を取る必要ないよな…?
次が最終回!
ちょっとダレてきていた気がしたけど、今週最後のページはマジで気になっているので最後のどんでん返しが楽しみです。
鬼滅の刃
岩柱の悲しい過去と、それゆえに認められる炭治郎の話。
たった一話とは思えない情報量だった…。
炭治郎の「そう簡単に認めないでください」は最近よく言っていることだけど、それを覆すエピソード持ってきたのはすごいな。
ただ、盲目だった・ろくに食えずやせ細っていたらしい岩柱が、鬼を一晩中殴り倒して撃破したというのは少し気になる。
鬼が弱かったのかもしれないし、元々柱になるだけの逸材だった、とも言えなくもないけど。
裏切った子供が結界を作る香炉の火を消した、とか断定口調なのも怪しい感じがある。
当の岩柱はそれが見えていたはずがないし、こっそりやって逃げたのなら他の子供もその過程を見ていないはず。
助けた女の子関連は「らしい」と伝聞口調なのに対して、鬼を手引きした子供のことについては断定口調なのは意図的な演出だろうか。
ワールドトリガー
鈴鳴の作戦はやはりブレーカーを落とすことによる停電作戦。
「慣れられる前に決めたい」とか、カゲ相手と聞いて来馬先輩が微妙な顔をしていたあたりで、視覚への負担をかける作戦というのはある程度予想されてましたが。
カゲは見えなくてもSEで相手のいる方向はわかりますからね。
なぜ孤月を黒くしたかについては、今週オサムが身をもって表現してくれました。
というか黒い孤月は新しいスタイルに関係ねえのかよ!
結束ちゃんの反応見るに意図的なミスリードだったんだろうけど!
フルアタック来馬先輩作戦は、鈴鳴に無かった中距離戦を補完するスタイル。
全く同じスタイルを諏訪隊にやられて負けたという話が那須隊の作戦会議で出てたけど、それを踏まえての戦略だろうか。
その那須隊との試合で来馬先輩が一皮向けたのも大きいだろうな。
今週のポイントはやっぱり「俺の点だ」をやったオサムですね。
影浦隊にポイントを取られないように、小荒井ごとアイビスを回避するオサム。
影浦隊が1点取るごとに、玉狛は2点取らないと追いつけない(同点だと元々上位の影浦隊が2位になる)現状。
小荒井の分の1点だってやるわけにはいかないのです。
奥寺から少し距離をあけて逃げれていたことも含めて、立ち回り少しうまくなったんじゃないでしょうか。コソ練した?
一方ユズルはチカちゃんと遠征に行くためにか妙に前掛かりで、アタッカー二人とシューター一人を前にして、足を止めて撃ち合い。
東さんの「スナイパーは位置を知られたら駄目ですね」という言葉が聞こえてきそう。
ブレーカーの前にいることが確定している太一と、バッグワームを解除して居場所が割れているユズル。
この二人をヒュースか東さんが狩りそうだなあ。
元々影浦隊狙いだったし、ユズルをヒュースが狩ってそのまま小荒井と再戦、とか見たいなあ。
太一は東さんに殺されよう。
ただ本誌連載は次週が最後。
その翌週にはSQ掲載号が読めはしますが、早くヒュースが活躍してるところが見たいですね。
火ノ丸相撲
いろいろ言いたいことはあるけど、とりあえず最初に「結婚おめでとう」が出てくる草薙は本当に可愛い奴だな!
火ノ丸の「…何言っちゃってんのワシ…」も含めてめちゃくちゃ面白かった。
お互い2敗を守るために負けられない草薙VS火ノ丸は、本当にどちらが勝つか見えない。
今の横綱を倒せそうな奴となると、それこそ本人が言う通り童子切と草薙だと思うんだけど、メタなことを言えば草薙が横綱に土つけてくれさえすれば、優勝決定戦に残らなくても良いんですよね。
それは火ノ丸も同じで、3敗になってもまだ冴ノ山をサポートする物語ができるわけで。
プロになって一戦の重みは増したけれど、負けても負けたなりのルートが用意してあって、いい意味で先が読めない感じになってきました。
アリスと太陽
いまいちパッとしないまま終わってしまった。
しのんが入ってきたあたりから結構面白くなってきたと思うんだけどなー。
しのんというツッコミが入って面白くなったというのは、つまりメインが二人ともボケだったっていう構造的欠陥が原因だと思う。
あとはやっぱり、目に見えない音楽という題材を漫画にし切れていなかった感。
ソウルキャッチャーズを読んだあとだと、ただ音楽やって周りがすごいって言うだけの話は味がなさすぎる。
女の子は可愛かったので、もっと描きやすいテーマにするか原作つけて、女の子可愛い漫画を描いてほしい。
唇の描写はここ数年のジャンプ漫画でもトップクラスの色気でした。