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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 #5「その部屋には、紅茶の香りはもうしない。」


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冒頭は相変わらずアバン芸を披露する小町から。
このお兄ちゃんとの仲直りシーンが本当に小町かわいいかわいい小町。

小町が八幡の無理も無茶も受け入れられるのは、15年も一緒にいるから。
この台詞が本当もう幼馴染系メインヒロインみたいな風格あってもう小町エンドでいいんじゃないですかね…。

冷静になって考えてみると、八幡は奉仕部に入部してまだ1年も経っていないんですよね。
同じ目線を持つ雪ノ下がいたおかげで、その辺の距離感の目測を多少見誤っていた感もあり。
文化祭で平塚先生に言われた「自分の無茶で傷付く人もいる」というのを改めて確認しました。

そして小町は兄のために、頑張る「理由」を用意してあげる。
この良妻ぶりが本当良い…妹なのに…。

雪ノ下の計画も、本人の素養も生徒会長という役割には充分すぎて、
雪ノ下が頑張るならそれだけでいろはすの依頼はほぼ100%達成される。
加えてガハマさんが対抗馬に立っているのだから、間違いはまずありえない。

では比企谷八幡はどうするのか。
これまで自分のために動いてこなかった八幡は、現状をなんとかしないとと思いつつ、
あの二人の計画を本気で阻止して良い理由が見えていないんですね。
「あの3人であの部活をしていたいから」を理由にできないのが八幡ですよね。

そこでこの小町の「小町のために、小町の友達のためになんとかなんないかな」ですよ。
頑張る理由をくれたことを察して微笑む八幡もいい顔してる。

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自分から手助けを申し出てくれる材木座。
八幡にとって唯一の遠慮無く迷惑かけてオッケーな相手、である。
こいつやっぱ友達だよな。

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小町の呼びかけで集まってくれる人たち。
少ないけど、八幡の友達で仲間ですね。

原作だと川なんとかさんは小町から弟経由で呼ばれてるので弟もいるのですが、
そもそも存在意義があんまないのでアニメではカットされてしまいました。

 

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仲間の声を聞いて、小町からおねだりされて、指針を固める八幡。
これまで積み重ねてきたものが今の八幡を支えるのですよ。
超少年漫画展開!
先週まで落ち込んできた分のフォローですね!

 

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八幡のとった作戦とは、自分を傷付けるのではなく誰かを傷付けるのでもなく、
架空の第三者を用意して利用してしまうという手法。

アニメだけだとちょっとわかりにくかったので説明すると、これはTwitter上で生徒会長選挙の推薦人を集めています!というアカウントをでっちあげています。
校内の有名人の名前を勝手に使ってTwitter上で見つかった総武高校の生徒にフォロー、推薦人としての署名をお願いしておき、最後に「○○さん応援アカウント」を全て「一色さん応援アカウント」に名前だけ変えるというもの。

このアカウント名すり替えトリックはいろはす・雪ノ下・ガハマさんを心変わりさせるための材料であって、選挙の内容そのものには関与していません。

いろはすをやる気にさせ、またこんだけ支持があれば奉仕部の二人は無理して選挙に出なくても大丈夫やで、と伝えるためだけのものです。

あとは原作でしか触れられなかったけど、ネット上ででも誰かの推薦人になることで、リアルで雪ノ下やガハマさんの推薦人集めをする際のちょっとした妨げを起こすのも目的の一つ。
ネット上ででも一度誰かの推薦人を表明してしまうと、他の人の推薦人にはなりにくいという心理を突いたコスい作戦です。

雪ノ下は学年でも上位の有名人だけど人気者って枠ではないですし、葉山やあーしさんの名前で推薦人を集めておくことで、二人の推薦人集めを邪魔したんですね。

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今回のエピソードにおける八幡最大の見せ場である、いろはすとの交渉。
もう煽る煽る!
いろはすは表に出さないようにしてるだけで、プライドは高いということを見抜いています。

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八幡の作戦の中心軸は、いろはすの心変わりを誘発すること。
そもそもの依頼が「悪意によって生徒会長を押し付けられる」ことからの回避だったのを、
むしろ「悪意へのカウンターとして生徒会長をやりきる」方向へ誘導する。
おまけに(むしろ本命?)葉山のサポートをちらつかせて、いろはすの個人的な部分も煽る。

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このシーンの「もしかして先輩って頭いいんですか…?」は
八幡を雑用係くらいに思っていたいろはすからの評価が一転する象徴ですよね。
「クラスの子に陰で笑われるのも嫌ですし」は高校1年生女子の素の顔が見えた気がしてとても好きです。

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そしていろはすの心変わりを理由に、雪ノ下とガハマさんが無理して生徒会長をやる必要もない、
というのが八幡の今回の作戦の真意。
依頼を完遂しつつ、奉仕部を守る作戦は、果たして一端の成功を見ました。

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応援アカウントを確認しようとして、やっぱりやめるガハマさんの内心はいかに。
やっぱまっとうな手段ではないだろう、ってのは心のどこかで察しているんでしょう。

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「わかるものだとばかり思っていたのね…」

状況の完了を見て改めて発動する、隠れていた地雷。
ここは本当、原作読んでいてもしばらくわからなかった。
視点である当の八幡が「なんかヤバげ」としか察してないレベルなので、行動の端々から察するしかないのですが。

一番わかりやすいのは、なぜ雪ノ下が生徒会長選挙の規約をあそこまで暗記していたのか、でしょうか。
それもユキペディアさんである雪ノ下なら、覚えててもおかしくない内容ではあったんですけどね…。
あとはあねのんの「自分がやらなかったから雪乃ちゃんは生徒会長やると思ってた」評とか。

八幡とガハマさんが、自分たち3人のいる場所として「奉仕部」を守ろうとしたことに対して、雪ノ下は「自分たち3人がいる場所」がそれこそ本物であるとして、奉仕部の枠には拘らなかったんですね。
つまりは「自分が生徒会長になって、そのまま奉仕部メンバーを生徒会役員にする」ことが計画の本質。

八幡同様、本物であること(上辺だけのなれ合いの否定)に拘った雪ノ下は奉仕部という枠にはとらわれず、加えて生徒会長になる理由にもできるこの策を取りますが、ここで誤算というか、依存というか、信頼というには重すぎるというか。

何も言わなくても八幡は全部わかってくれると思っていたんですね。

一方の八幡・ガハマさんにとって、雪ノ下が一人で動く状況というのはどうしても文化祭を思い出す。
一人で走って潰れてしまって体を壊したあの文化祭は、二人にとって重荷として残っています。
雪ノ下も二人にはっきりと頼ることをしなかったし、落ち度としては雪ノ下の方が大きいとは思いますが。

そして何より、自分以外の二人が「自分たちが3人で居られる場所」ではなく「奉仕部」という枠組みを選んだことが
雪ノ下にとってはショックだった。
「枠組み」ではなく「そこにある関係そのもの」こそを本物と呼んで八幡と共有していた雪ノ下にとって、
それこそ先週八幡が言ったように「たった一つ共有していて、でももう無くなってしまった」もの。

結果として奉仕部3人でいる場所は残ったものの、そのうちの1人の内側は完全に捻れてしまって、元あったものには戻らない。
3人で居ることはできるけど、3人でいるだけの空間。

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「ヒッキーは頑張った!」
頑張った八幡へのご褒美。
色んな物をそぎ落として頑張ってきた八幡が、初めて誰かに褒めてもらえたシーンですね。

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「罪悪感って消えないよ…」
劇中ガハマさんの台詞の中で一番グッと来たのが今のところこの台詞です。
この瞬間のガハマさんは八幡の内心をすごい正確に掴んでいるんじゃないでしょうか。
誰にも言えなかった内心をわかってくれている人がいた、ってそれだけで心に来るよね。

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新生生徒会の始動。
いろはす鉄板の持ちネタ「ごめんなさいまだ無理です」芸。

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めぐり先輩の何気ない一言。
過程さえなんとかできていれば、きっとこれがベストアンサーだったんだろうなあ…。
全てが終わってからしれっと出てくるのが切ない。

ということで原作8巻の生徒会長選挙編でした。
いやあ重い!
八幡がやっとまっとうな手段?で事態の解決を計ったのにたどり着いたのはビターエンド。
小町の「ちゃんと話してね?」がリフレインしますね。
まぁこの「ちゃんと話せ」ってのは雪ノ下にもかかってくるんですが。

修学旅行編冒頭では八幡の分の紅茶も出ていましたが、今の雪ノ下はもうそんな気遣いさえしないのです。
日々をただ消化するかのように、八幡がお膳立てした場所にいるだけの日々。

こんな奉仕部がなんとか元に戻るまでは、もうちょい時間がかかります。
けどめっちゃいいシーンだから辛くても最後まで見ろよな!

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