今週のジャンプ 2024年27号
すっごい久しぶりのジャンプレビューです。
何しろ、ヒロアカが本当にものすごくめちゃくちゃ良かったので…。
最近更新頻度も落ちてたし、せっかく毎週漫画雑誌を読んでるんだからね。
SAKAMOTO DAYS
アニメ化が決まったサカモト。
暫定ラスボスであるスラー（宇月（赤尾））というクソややこしい男は、前号にて篁（スラー（宇月（赤尾）））というもっとややこしい状態へ。
読み切り版で衝撃的な結末を見せた篁さんですが、それを敵ボスにぶつけるのかー！と思っていたら敵ボスを乗っ取るのかー！！ともう毎号衝撃的だわ。
逆に言うと個人として深く掘り下げられるチャンスが遠ざかった宇月はちょっと可哀想。
スラー襲撃編が終わって次回からは対ORDER編。
美術館でシンがちょっと仲良くなった神々廻さんが敵になってしまった…。
私はORDERだと神々廻さんが一番好きだ。
あかね噺
まいける兄さんの真打ち昇段高座は、客席が凍りつき地獄の様相。
兄さんの演目の内容を知っていると、この先どんな展開が待っているのか予想できるんだろうか。
個人的には漫画で知った題材は漫画を初見にしたいと思っているので、今後もノーチェックの予定。若君も北条時行の顛末は調べないようにしてるしね。
ところで落語家として、現場ヒエッヒエにして観客にお寒い思いをさせるのは師匠的にいいんだろうか。
ONE PIECE
ベガパンクによる世界の秘密の開示は続く。続きすぎる。
2ヶ月くらい配信してるけど、古代兵器によって世界が海に沈む以上の新しい情報が出てこねえ。
意味深に映ったビビの手配書を見てるイム様やコブラの納棺？は、今の話とアラバスタが繋がってるという前フリなんだろうか？
世界を海に沈める兵器がプルトン？
早く話進んでくれ～と思ってたけど、レイリーの「楽しみを奪うなよ」でちょっと納得してしまった。
こういう情報って、読者的にはルフィの冒険の末として知るべきでもあるよね。
ワンピはバトル漫画じゃなくて海洋冒険ロマンなんだから。
超巡！超条先輩
「左門くんはサモナー」の沼駿による新連載。
だいぶウケを幅広く取れるよう微調整してきたのが伺えます。連載も順調で、16話でセンターカラー4、5回くらいやってる気がする。
たまにあのカスとクズが懐かしくなるときもあるけどね。
今回は特撮パロディ回…だけどアラフォーどころかアラフィフ世代じゃねえかなこの内容！
アオのハコ
いよいよ部活仲間たちに恋愛関係を明かした二人。
妬み嫉み系のあれこれを一発で解消してくれる新部長の頼もしさよ。
ただ同棲してるところまでバレたらこんなものじゃないとも思う…。
ひなちゃんに後輩からラブコールが入ったけど、今のところ敗残兵の処理って感じがしてピンとこない。
一応過去に何度か、ひなちゃんの言うことに遊佐弟が感じ入ってるシーンはあった気がするけど、サブキャラの恋愛成立って描写が薄くなりがちで、応援したい気になることがあんまりないんだよね。
キャラの好感度としてはひなちゃんより遊佐弟の方が個人的には高いので、あいつが幸せになる分には嬉しいんだけど、どうなるかしら。
願いのアストロ
「東京リベンジャーズ」の作者がまさかの週ジャンに来て始めた新連載。
今のところ、話のテンポは凄い良いんだけど、テンポが良すぎてキャラを好きになる前にバトルが終わってしまってる感じする。
今回やっと主人公たちと関係を築くキャラが出てきたので、もうちょっと人間関係を深堀りするようなドラマが来て欲しい。
今のところ主人公であるヒバルが能天気＋無根拠前向きキャラすぎて、アニオリ回のルフィを見ているような気分になる。
この手の漫画は登場人物が増えてきてから一気に面白くなることも多いので、今のところ様子見かな。
僕のヒーローアカデミア
長い…本当に長かったラストバトルがようやく終わったヒロアカ。
AFOと対峙して「今日ここでお前を倒す！」したのが2022年11号。あかね噺の連載が始まった号ですね。
2年以上やってたんだなあ。
その2年のラストバトルの間でも飲み込めない要素が結構あったんだけど（荼毘とか）、今週号の内容がもう本当にウルトラ良すぎたのですべての手のひらを返したのが今。
まず画像のワンシーンですよね。
「あいつは”持って”すらいなかったんだ…」という言葉から感じる、元無個性であるデクを「先駆者」として追いかける立場であることを前提にしたかっちゃんの言葉。
一方で自分がヒーローとして再起することを前提としたリハビリの話も、これからのシーンの前フリになっています。
そこからのこれよ…もう本当、これよ…。
かっちゃんがクソ煮込み野郎だったのは、劇中の他のキャラからの扱いを踏まえても意図したものだったと思うんだけど、まさかそのクソ煮込みがキャラクターとして完成するのがラストバトル終わった翌週になるなんて誰が思うかよ！
連載開始から10年経って、この瞬間ようやく爆豪勝己というキャラクターは完成を迎えたのだ。
今まで見下していたデクが（10話の模擬戦や仮免試験の合格を経て）自分の先を行く存在と認めたこと。
そのデクとこれからともに研鑽していこうと自然と思えるようになったこと。
AFOとの決着寸前の「俺に追い越されてンなよ出久！！」がその象徴。
からのこれ！
「っダァ…」は「何だァ…」なのか「嫌だァ…」なのか判断が別れますね。
当のデクは、貰った力で果たすべき使命を果たしきったことで、なんかスッキリしてるのが逆にエグい。一緒に悲しんであげることさえ出来ないのだ。自分が無個性に戻ったことが、悲しいことだと思ってないから。
その象徴が「メンタル弱ってるんだよ」って言葉。自分が個性を喪ったことが、かっちゃんにとって悲しいことだって今のデクにはわからないんだなあ。そういう関係を構築したのはこれまでのかっちゃんなんだけど。
今のかっちゃんに1話の「屋上からワンチャンダイブ！」発言見せてえ～。
ここまで「初期にやったイジメの因果を読者が納得行く形で応報されたキャラ」は火ノ丸相撲のユーマさん以来だ…。
正直11話で一度デクに負けるまでのかっちゃんの有り様は、キャラ描写としてやりすぎた失敗例くらいに思っていたんですが、こうして大きな報いを与えることでそのすべてが前フリとして機能するようになったんだなあ。
ヒロアカという作品を見る目が変わる、劇的な1話でした。
アンデッドアンラック
ストーリーは「不貞」であるくるる編。
それに合わせてなんと風子の両親にまつわるストーリーが始まりました。
この世界のループの仕組みが明らかになったことで、ループもの作品定番である「過去の因果で今の主人公の立ち位置やあり方が変わる」みたいな話は無いものと思っていましたが、今週号で急にそれに絡んでそうな展開が来ましたね。
「このループ」で風子の両親が結婚しなくても「前のループ」で生まれた風子には関係ないだろうと思っていたんですが。
だって風子を産んだのは前のループの両親だもんなあ。
100ループ目になってからボクシング、ミリタリー、カンフー、学園など物語のジャンルごと変わるアンデラでしたが、今回はバンド編か。
誰がどんな楽器でバンドを組むのか楽しみです。
あと風子の気軽な会話相手ポジに収まってる今のショーン好き。
極東ネクロマンス
「エーリアンズエリア」の作者による新連載。
死霊と戦う超能力バトル漫画ということで、呪術廻戦とだいぶ要素が被る気がする…が、当の呪術がもう呪霊との戦いをやってないのでいいのかな。
2話前だったかと思うけど、主人公が「どういう人を助けるためなら自分は頑張れるか」を掘り下げてたのが凄い好印象でした。
前作の頃から人の心情を語るドラマが上手かったので、変にバトル漫画に傾倒しなければ応援できそう。
最後に死霊術師スケバンが出てきて笑っちゃった。神緒ゆい懐かしいな…。
ウィッチウォッチ
最近たまによくある、男どもが親代わりをつとめる回。
あのさんすうセットのグッズ…ほとんど使わなかったよな…。
そしてモイちゃんはこの先、ニコがもとに戻ったとして異性として見られるのだろうか！
キルアオ
「黒子のバスケ」の藤巻先生の新連載。といってももう連載一周年を迎えてるけど。
シリアス長編のあとだったし、ゆるめの学校エピソードかなあと思っていたけど、終わりの方でシリアスの気配が漂ってきましたね。
ノレンが無意識にパスコード入力していたことといい、ミツオカ製薬方面での話になるのかなあ。
忘れてたけど、今の十三は体調を崩してるんですよね。
バトル展開をやるなら、おしゃぶりの見せ場が来るのか？
鵺の陰陽師
これも連載一周年を迎えた若い作品。
バトルより学校を舞台にコメディしてるときの方が好きなんだけど、最近はバトル描写も頑張っていて良い。
私は代葉さん推しなのですが、割と長いこと学郎との絡みがなくてつらい。今は七咲先輩のターンということなんだろうなあ。
グリーングリーングリーンズ
今本誌で一番応援している漫画。
掲載位置は苦しいけど、新しいものに出会って頑張る姿が本当に爽やかで、「ビーストチルドレン」の頃とは話のデキもキャラの魅力も段違いです。
今週はオリバーが凄くいい空気吸っていて、お前それヒロインである王賀さんの仕事じゃない？って感じがした。
王賀さんのアメリカ行きが無くなったのは、漫画的には紅一点が身近に残ることで大きなプラスになったけど、去る人間ならではの魅力の建て方でヒロインレースはオリバーの独走状態だよ。
