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Millennium Dream/千禧梦

今年入ってからはあんまりPCゲームをやっていなかったんだけど、大変に素晴らしいゲームと出会えましたのでさっそくレビューしたい!
PCゲーはもっぱらホラーの取り扱いが多い当サイトですが、今回は全く怖いところのないウォーキングシミュレーターです。

値段920円
発売日2026年1月28日
商品ページSteam

Millennium Dream

これまで、うちでは幾つかのゲームを「ウォーキングシミュレーター」として紹介してきましたが、本作はそのど真ん中。
2000年初頭くらいの中国を舞台に、その日常風景を探索することでノスタルジーを楽しむという、まさに「歩いて楽しむ」ゲームなのです。

ちなみに、そういう2000年初頭くらいの時期の中国文化を楽しむ美学みたいなものを「中式夢核(チャイニーズ・ドリームコア)」と言うらしい。まさにこのゲームのこと。

ゲームは主人公の自室からスタート。
机の上に置かれた貯金箱や教科書、筆記用具から小学生くらいの年齢であることがわかる。

しかしオブジェクトを調べると出てくるメッセージは、大人が当時を振り返って懐かしむようなもの。
主人公はどうやら、夢の中で少年時代に還ってしまったらしい。

部屋を出ると、ちょっとホラーみを感じるかもしれないお母さんの存在。
このゲーム、登場人物は全員モザイク表示になっています。具体的な人間を出さないことで、主人公の個人を掘り下げないようにする配慮かな?

部屋には古いブリキのおもちゃがほこりを被っていたり

ベランダにカセットテープが置いてあったり(プレーヤーを入手すると、任意にBGMを変更できます)

知らないお菓子が置いてあったりします。
これは世代の中国人にとってはぐっと来る演出なんだろうか。
日本人の感覚で言うとハイチュウとかかな?

お母さんと会話すると、外に出かけるならとお爺ちゃんの家へおつかいを頼まれます。
「脳黄金」とかいう健康食品を購入し、届けて欲しいとのことです。
実在するのかな?と思ったけど検索かけても出てこなかった。

お使いを済ませ、友達に会うために家を出ましょう。
どうやら団地住まいだったようで、同じような構造の建物が何棟も並んでいます。

敷地内には売店や床屋があったりと、かなり立派な団地です。
中国ではよくある組合せなのか、そこそこ富裕層なのか、その辺のレイヤー感まではさすがにわかりませんが。

お店には今すごい売れているらしい「脳黄金」が置いてありました。
お母さんから受け取ったお金で購入します。

買い物はOK。
家を出て右手側に行くと、公園を挟んで友人の「小輝」が待っています。
カセットレコーダーを貸してくれるということで、彼の住む201号室へ向かいます。


…とまぁこんな感じで、少年期の主人公が大人の視点を備えながら、かつて自分の身の回りにあった懐かしいもの、景色をゆっくりと味わいながらマップを探索していくのが本ゲームの趣旨。

ゲームを進めるとロケーションがどんどん多彩になっていき、時代も動いていきます。

おじいちゃんが入居している集合住宅の廊下。
Welcome to Kowloon』や『Dread Flats『凶寓』』で見たような光景。いくつものゲームでこうなんだから、リアルな集合住宅の光景なんでしょう。

玄関先の共有スペースが生活空間の一部みたいになっているの、すごいツボなんですが、今の日本でやったらあっという間に警告来そう。

ゲーム進行の過程で訪れるショッピングモール。
人が一人もいないので、ちょっとリミナルスペース系ホラーの雰囲気がある。
(Steamの紹介文にあるように、本作はジャンプスケア含むびっくりや怖い要素は一切ありません)

先に進むと、「魅力女人街」という日本人的には凄いパワーワード感ある地下ショッピングモールエリアに到達。

マネキンの存在は結構怖さを感じますが、本当にホラゲーではないんです…。

やがて駅にたどり着いたり、

冬の街だったり

日本のものとは少し雰囲気の異なる学校にたどり着いたり。

積まれた教科書や

教室の机に置かれたレトロな筆箱に心がぐっと掴まれます。
これが刺さるのはアラフォーくらいな気はしますが。

こうして2000年初頭の中国を歩きながら、その時代・その場所の空気感を楽しみ堪能していくわけですね。

ロケーション量はかなり多彩で、調べて確認できるオブジェクトもかなり豊富。
主人公が昔を懐かしむ語り口を通して、自分も幼い頃を思い返したり、彼の心境に重なって自分のすっかりしまわれていた記憶が蘇ってきたりするのです。

更にマップが進んでいくたびに時間が経過しており、上に掲載したショッピングモールは2002年ですが

学校では黒板に2008年と書かれており、北京オリンピックの時期であることがわかります。
更にゲームを進めていくと、マップの変遷を通してさらなる時間の経過を体験することができます。

これ日本を舞台にした版も誰か作ってくれないかな~~~~!

ゲーム的な仕様について

いくつか、仕様についてわかっておいたほうがいいこと。

201号室に入る時にモノローグが出ますが、このゲームでは「非常口」の誘導に従って進めばゲームを進行させることができます。
逆に言うと、マップを隅々まで探索したい人は非常口の案内がある順路は後回しにしましょう。

ゲームには「時間経過」があり、夜になると暗くなってしまいます。
こうなると探索がかなり大変になってしまう。

懐中電灯もあるんだけど、2番目のエリアに行かないと入手できないので、団地エリアにいるうちはサクサク進めることをおすすめします。

手に取ったオブジェクトは、主人公のモノローグを通してどんなアイテムか知ることが可能。
テキストが早く流れちゃうけど、Qキーを押すと全文を改めて表示することができます。

一部のアイテムは、手に取った状態で更にEキーを押して「拾う」ことでインベントリに入ります。
インベントリはTabキーで展開。
脳黄金はお爺ちゃんに渡すだけだけど、一部のアイテムはインベントリから使用することが可能です。

時折中国語の手記が拾えますが、残念ながらこれは翻訳してもらえません。
スクショを撮って、Googleに画像を読み込ませて翻訳とかしてもらいましょう。

一部のエリアは出口を抜けてしまうと、もう戻れなくなってしまいます。
…が、一通りゲームをクリアーしたあとは各エリアにジャンプできるゲートアイテムが手に入るので、「あそこまだ探索してないのに移動しちゃった!」となったら諦めて先に進みましょう。あとでまた探索できるから。

床抜けなどで詰んだときは、キーボードのLでそのマップのスタート地点に復帰できます。
意図的に床から落ちることが出来るポイントは、私が見つけた限りでは一箇所だけでした。

一部の超現実的な空間

また、本作には一部に夢の中にしても異様な空間があり、そこを探索することもできます。
こちらはいわゆる「リミナルスペース」的な体験で、画像はおそらくBackroomモチーフの空間でしょう。

そもそも夢の中の世界なので、ゲーム全体が超現実的空間と言えばそれはそうなんですが。

このリミナルスペースの中でも、非常口の案内に従って進んでいけば脱出することができます。
外の空間と違ってかなり広大かつ無秩序な建付けの屋内空間なので、とても道に迷いやすいです。

この世界でないと拾えないアイテムなどもあるので、探索しておきましょう。
この天気変更アイテムは、空模様を強制的に変化させることができます。
天気次第で発見できるアイテムもあるらしいんだけど、私は見つけられなかった…。

見知らぬ中国のノスタルジーを経て、自分のノスタルジーを思い出す

ということで『Millennium Dream/千禧梦』でした。

当然、国が違うのでピンとこない要素もあったりはするのですが、人生という大意において通じるところも多数あり、隣の国の人生を通じて、もう何年も思い出すことのなかった少年時代、学生時代を思い返すことができました。

ゲーム体験を通して自分の記憶を掘り起こすというのは、本当に希少な体験で、ゲームとして面白い・面白くないのラインじゃないところでゲームを提供しているのが本当にすごかった…。

また、逆に言うと「知らない国の思春期を体験することが出来るゲーム」ということもでき、特に学校周りは日本にも通じるところと、中国ならではの要素がありとても新鮮でした。

日本語ペラペラの中国人ゲーム配信者とかがプレイするところが見たいなあ。

気象を変えて初めて見つかるアイテム、というのが見つけられていないのが心残りなので、折を見てまたプレイしようかなと思っています。


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