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ドラゴンクエストI HD-2D ネタバレなしレビュー

HD-2D版ドラクエIIIの流れを汲んだ、ドラゴンクエストI・IIが発売されましたね。
…一ヶ月も前に。

ドハマリしたスマホゲームや、先に発売された『パワーウォッシュシミュレーター2』をやっていて後回しになってしまいましたが、ようやくプレイを始めて無事ドラクエIをクリアしました。

まぁ言ってもドラクエIなんて何度も何度もやってるし楽勝だろ!と思っていたのですが、これがもう別物レベルでストーリーもバトルも変化が加わっており、大変骨太なRPGになっていました。
プレイ時間自体は、よほどじっくり遊んでも20時間いかないくらいなのですが、キャラ性能・装備品・戦闘中に使用できる道具・さらなる追加要素によって、バトルがとても濃密に仕上がっていました。

今回は重要なネタバレは控えて、どんなリメイクになっていたかを紹介します。

若きロトの子孫の成長ストーリー

物語の冒頭は、ラダトームを目指す青年が魔物に襲われている兵隊たちを助けるところから始まります。
(ロトの子孫と名乗ったこと自体は疑われながらも)ラダトームの兵士であった彼らの導きでラダトーム城に受け入れられる、という流れになりました。

元々のドラクエIでは、すでにロトの子孫がラダトーム城に受け入れられているところから始まり、王に送り出されるという流れでした。
その一方で彼が本当にロトの子孫である証はなく(「ロトのしるし」も持ってないしね)、なぜ王に謁見出来たかと言うと不明だったので、その辺の流れを解像度上げてストーリーに盛り込んだ、という感じ。

今回のリメイクはそんな感じで、これまでは「まぁRPGだからこういう流れになるよね」「主人公が勇者なんだから戦うよね」みたいなノリでおさまっていた部分を、きちんと掘り下げてドラマを作り直しています。

もとのドラクエIでもそうだったけど、Iの主人公は「これから勇者になる若き男」なんだよね。
まだ勇者としては認められていない。

そういった要素に強く焦点を当てたため、特にゲーム序盤では人々から「自称勇者」扱いされる場面も多め。
しかし物語を進めていく過程で彼らを守り、モンスターと戦い、人を救うことになり、そうした経緯を経て、徐々に人々から「そなたこそまことの勇者だ!」と認められていくことになります。

解像度がアップしたアレフガルド世界

今回のリメイクによって、マップ上の施設が10箇所以上増えました。

それはHD-2D版ドラクエIIIを踏まえたものであったり、今回のリメイクで再構成されたストーリーに合わせたものであったりと色々。
中には結構長期的に拠点として活用したり、店売り最強の装備が並ぶところだったりもします。

個人的にツボだったのは、竜王の侵略によって滅んでしまった街が複数追加されたこと。
もともとドムドーラという廃墟都市が初代Iの時点で実装されていましたが、そこから更にモンスター被害がより具体的に描写されるようになり、アレフガルドの危機というのが強調されました。

他にも、主人公以外に勇者を目指して旅をするパーティが登場したり、

ガライの子孫のザライがあちこちを旅していたり、

もともとIには全く存在しなかったドワーフ族も登場。
ドラクエIIIにて上の世界にいたドワーフたちのうち、何人かがアレフガルドに入植したのが始まりだったらしい。

彼らは地底に暮らし、驚異的な鍛冶技術を持っているものの人間嫌いなため、地上に出てくることはありません。

どっかで聞いたような話を聞かせてくれるドワーフもいる。
お前あのドワーフの子孫かよ。

さらに妖精種も多数登場する。

そもそもドラクエIには「ようせいのふえ」が登場するので、妖精の存在自体は肯定されていたものの、今回のリメイクでいよいよ登場人物に昇格。
彼女たちはルビスへ信仰を捧げる一族として、人里離れた妖精の里で暮らしている。

ドラクエ世界における精霊と妖精の違いって何なんだろうな。

彼女たちから見ても、主人公は勇者には見えないらしい…。

あとIIIの冒頭で性格診断をしたアイツはまだ存命のようです。

面白かったところでは、こちらのルビスの塔。

もともとI・IIでは雨の祠があった場所ですが、ドラクエIIIではここにルビスの塔が立ち、ゾーマの手によってルビスが封印されていました。
5層もある塔だけに、HD-2D版IIIではとても大きな建物としてデザインされたわけですが、それをベースにしたHD-2D版Iでそれをなかったことにするわけもなく、この巨大な塔が丸ごと全部「雨の祠」ということになりました。

デカすぎんだろ…。

この巨大な塔の1階フロアのすみっこに生活拠点を広げている雨の賢者も、(いい家具を揃えて豊かに暮らしてそうだが)ちょっとホームレスに見える。
なんか廃墟に勝手に住み着いてる老人って感じだ。

他にもダンジョンが3つ追加された他、HD-2D版III同様に要所要所でボスバトルが追加されており、RPGとしての情報度が大変に高くなっていました。

難易度の高いバトル要素

バトルの体裁は、当然HD-2D版IIIをふまえたものになっていますが、本作はドラクエIでありながら、敵が徒党を組んで襲ってきます。
そう、今回のドラクエIは1対多数のバトルになるのです。

主人公側もブーメラン、鞭などの範囲攻撃武器や、魔法の効果を持つ道具が追加され、戦闘手段は大いに増加。
またじゅもん、とくぎも多く登場し、1対多数を乗り切るための手段はきちんと用意されています。

しかしあくまで主人公は一人のため、HP管理やバッドステータスの影響が極めて大きくなっています。
一人が瀕死に追い込まれても仲間がフォローできる、既存の歴代ドラクエとはかなり違う味わいになりました。

HD-2D版の新規要素としては「じゅもん/とくぎの巻物」が登場。

かつてアレフガルドを救ったロトの勇者パーティが覚えていた特技や呪文を、巻物にして遺してくれています。
その末裔である主人公は、この巻物を読むことで、彼らが遺してくれた「勇者用」じゃない特技も使えるようになっています。

そのため、今回の主人公は勇者としてはかなりの汎用性を誇るユーティリティプレイヤーとなっており、出来ることが非常に多いです。
個人的に、歴代ドラクエ主人公で最強じゃないかと思えるくらい。
逆に言うと、それらの特技を使いこなせないとバトルの難易度は大変高く感じることになるでしょう。

ゲーム中盤になると、複数出てくる敵がしかも複数回行動をしたり、ダメージが痛いから先に倒したい敵の横でザキを連発してきたりもするようになる。お前らふざけるなよ…。

例えば、露骨に炎を吐いてくる敵とわかっているときには、防御力を犠牲にしてでも耐性装備を優先しましょう。

属性耐性はもちろん、バッドステータス耐性も重要になってきます。
きちんと考えて装備・戦い方を決める必要のあるゲームになった、と言えるでしょう。

終盤ではもうドラゴンが複数体登場し、それをギガデインで一掃するようなハデな展開も発生する。
光ってて見えないけど、真ん中にはトロルがいます。

追加ボスたちはいずれもかなり歯ごたえがあり、弱点を見極めて攻撃する、という程度では勝てないほど。

敵の行動パターンから、どの行動がこちらのHPを削りに来る要点なのかを理解し、そこに合わせて「だいぼうぎょ」を選んだり、「マホステ」で魔法メタを貼っておいたり、かと思いきや魔法が封じされると火力の高い通常攻撃の連打になったり、とかなり奥深い。

主人公が一人な分、甘えもミスも許されないハードルの高さを味わえるゲームになっていました。

ドラクエでバトルにここまで神経使ったの初めてかも、と思うくらいのハードル。
少なくとも、何も考えず攻撃攻撃HPが減ったら回復また攻撃、みたいな戦い方ではまったく勝てないようになっています。

ドラクエに「難易度が高い」イメージって全くないと思うので、油断しているとハァ!?何これ!?ってなりがち。

ただ、どのボスも要点を理解さえすれば、戦い方はきちんと用意されていますし、もちろんレベルの差で殴り勝つことも可能。
本作はHD-2D版IIIと一緒で、レベルアップ時のステータスの伸びがすげーでかいので。

無茶苦茶だろこれ、ってときは大抵装備が不適切か、レベルが極端に足りていないか、どこかで拾えるメタになるようなアイテムを見逃しているかだと思います。


というわけで、大幅に情報量も難易度も増やして、濃厚な世界観に生まれ変わったHD-2D版ドラクエIでした。

特に他のロト作品をプレイ済みの人にとっては「ここでこれを出すのか!?」と驚く要素もあったりして、とても楽しい体験になりました。
1なんだけど、できればSFCまでの1・2とHD-2D版3をプレイした上で遊ぶと、多分一番楽しくこのHD-2D版ドラクエIを楽しむことができるでしょう。

もちろんこれもある。


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