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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 3巻



3巻通常版のお話です。
はい、通常版と初回版両方買いました。
だって通常版買った後に初回版見つけたんだもん…。
こっちはアニメイトで買ったので透明カバー付きです。

表紙はマフラーを巻いて体育座りする雪ノ下。
この巻くらいから挿絵のぽんかん⑧神の絵が急激に上手くなっている気がします。
そして雪ノ下の制服マフラー推しもここからスタート。
現在最高潮は6巻表紙か。

ストーリーは前の巻、ヒッキーが由比ヶ浜から距離を取ったところから。
この頃のヒッキーは過去ダサい告白をしては振られていたり、ヒキガヤ菌だのオタガヤ君だのといじめられていた頃の経験などから

1:自分に好意を抱く女の子が居るわけがない
2:由比ヶ浜のそれらしい態度はイタい自分の勘違いに違いない
3:由比ヶ浜のそれらしい態度の理由付けになる要因(犬を助けて怪我したこと)が見つかった
4:よってこれまでの由比ヶ浜の態度は自分への同情心から来るものであり、好意なんてやっぱり勘違いだ

という最低の理論武装をして己を守っている状態。

由比ヶ浜の犬は助けたけれど、それは誰でもできることであって
それでもし好意を持たれたとしても、それは比企谷八幡の本質ではなく
誰でもできる行為をしたのがたまたま比企谷八幡だっただけだ。
だから由比ヶ浜の好意は間違っている。

という建前が実に高二病。
ヒッキーは自分という人間の本質を見てほしいという願望がやたら強いです。
リア充どもの上辺だけの付き合い(と思って見てる)に嫌悪してきた積み重ねのせいでしょうか。

さて、
期待をしなければ傷つくこともないというのが、ヒッキーの基本理念です。

そして他人に期待しないヒッキーは、由比ヶ浜の気持ちも考えません。
自分が由比ヶ浜から離れたことが、由比ヶ浜にとっても最善の選択であると思っています。
自分みたいなぼっちとは関わらないようにして、クラスの上位カーストの連中と居るのが最善と本気で思っています。

しょうがない!
ヒッキーは人間関係における経験値がマイナス方向に振り切れてるからしょうがないんです!

そんな状況をよろしくないと思った平塚先生の発破もあり、3巻は雪ノ下と協力して由比ヶ浜を連れ戻すための方策を練る話…かなあ。
基本は
「せめて由比ヶ浜の誕生日をお祝いして、その時考えていることを伝えて、戻ってくれると嬉しいな」
という線です。

アニメは完全に由比ヶ浜との物語になるよう再構成されてましたが、あれって結構カットにカットが加わってるんですよね。
原作はかなりストーリーラインが違っていまして、実は材木座がほぼメインクラスの出番持ってたりするのです。

そして何より、さいちゃんとのデート話があるのです。

由比ヶ浜とのストーリーに関わりのないところとは言え、アニメでさいちゃんデートが仕分けられてしまったのはとても惜しい…。
材木座は…どっちでも…。

というわけでさいちゃんとのデートの話をしよう!


か、可愛すぎる…
天上が遣わした神の子すぎる…

アニメや現在の原作でのさいちゃんとはちょっと趣が違いますが、この長めの髪がぼさっとした感じのさいちゃんが私はとても好きです。
本当、もうマジで好きです。
これはヒッキーが夢中になるのもわかる…。

こんな可愛いのにジャージ着てて部活頑張ってるとか、そういう男の子してる部分も含めてすごい…良いよね…。
しかもいい匂いするらしいぜ…ヒッキーが嗅いでそう言ってた…。
何この主人公きもい…。

あとヒッキー半目もきもい…。

この話のさいちゃんはね…本当にいい子なんですよ…。
由比ヶ浜と離れて、実は本人も気付かないうちに元気を無くしていたヒッキーを見て、元気付けようと思って、さいちゃんからヒッキーを遊びに誘う話なんですよ…。

この作品でこんな善性に溢れた子はさいちゃんだけなんですよ…。
本当、何この癒しオーラ。
本を通してさいちゃんの優しさが読者に伝わってくる。
ついでに汗と制汗剤の香りとか漂ってくる単行本できないですかね。
さいちゃんの香りつき単行本とか10億部くらい売れんじゃねえの。

というわけでやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3巻でした。

いやさいちゃんの話しかしてねえし。
さいちゃんの話はこんどしっかり時間をとってしましょう。

アニメで編集された関係で消えたもう一つのシーンが、小町とのデートシーンです。
この兄弟動物好きすぎるので東京わんにゃんショーというイベントに二人きりで行きます。
そして全力で発揮される雪ノ下の猫好き属性。

ついでに雪ノ下とゲーセンデートしたりもします。
ヒッキーの最低なテクニックで雪ノ下にぬいぐるみを取ってあげたり、とこれもアニメでカットされたのが惜しすぎる…。

そしてイベント会場のトリミングゾーンで由比ヶ浜とも遭遇。
アニメでは「誕生日プレゼントを買おう」→「由比ヶ浜とも遭遇して付き合ってると誤解される」→「陽乃と遭遇」、原作では「イベントに行く」→「由比ヶ浜と遭遇して付き合ってると誤解される」→「プレゼントを買いに行く」→「陽乃と遭遇」、という流れです。
イベントがカットされた分、要素をつまんでわんにゃんショーとプレゼントを買う話をひとまとめに再編集した感じですね。

そんな3巻で一番活躍するのはヒッキーの妹の小町。

小町はすごいいい子でお兄ちゃん好きな、その上でラノベ界では珍しい、ガチで兄と結婚しようとか思ってない健全な妹です。
お兄ちゃんが最後まで独り身だったら、小町が責任とって介護施設にいれてあげるよ!とか実に中3の妹って感じがして良いです。

たまに軽口で兄にアピールしたりするけど、ヒッキーもよくそういう冗談言うしね。
小町は兄と性格似てるんですよーとはぼーなすとらっくの言。
ヒロインと兄をくっつけようとしたりする感じが実に頼もしい。

由比ヶ浜の誕生日プレゼント買うときも、気を利かせてヒッキーと雪ノ下を二人きりにしたりね。

このエピソードの大事なポイントは、普段あんな調子のヒッキーと雪ノ下が、由比ヶ浜のために協調を見せるってところだと思うんですよね。

二人共由比ヶ浜のこと好きじゃんってこととか、買い物を通してヒッキーと雪ノ下が互いのことをもうちょっと深く知ったりとか。

本編のスタンダートとなる奉仕部の構図はこの3巻をもって完成した気がします。

ちなみに原作ではヒッキーと雪ノ下が付き合ってるという誤解の解消は、廊下を移動中に会話の流れでさらっと解消されます。
この誤解展開は必要だったのだろうか…。

現段階では
雪ノ下との関係は恋ではない、由比ヶ浜との関係は恋かもしれない、って区分だったんだろうか。

ということで、「彼と彼女の始まりが終わる」というサブタイトルのとおり、感覚的には第一章・完といったところでしょうか。

4巻からは葉山が本格的にストーリーに絡んできたり、とヒッキーを取り巻く環境が少し大きくなります。
その分ヒッキーの心労も増えていくんですけどね…。

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