今週のジャンプ感想 2017年23号
二週間ぶりのジャンプだ!
表紙は華々しく脱獄編を完結させたネバーランド。休載とか挟まず即次号新章が始まるのが頼もしいぜ。
約束のネバーランド
ママの裏側が明らかに。
ママとして冷徹に出荷を促す一方で、子供への愛も確かに本物だった。
あとフィルさんが全部理解した上で残ってたことをさらっと見抜いててやっぱりママは凄かった。
確かにママになる条件として人工授精をほのめかすシーンがあったけれど、にしても、その息子がレイだとは思わなかった。
レイが施設の真相を知ってたと明らかになる回の感想で「レイくらい頭いいと生まれた頃の記憶くらい持ってて、そのときに施設の真相を知ったんじゃ」という推論を立てましたが、まさか生まれる前の記憶が来るとは思わなかった。
「ママ」を「お母さん」と表記したのもここが初かな?
あの瞬間のママの表情がすごいキツい。
もしかしてレイが自分の子供だってあのときまで知らなかったとか?
エマたちは無事森を抜けて自由な世界へ。
人間の文明がどれくらい残っているのか、鬼はどれくらいの割合でいるのか、衣食住の目処は立てているのかなど気になることばかり。
来週も楽しみです。
僕のヒーローアカデミア
それをどうにかするのがヒーローの仕事じゃねえのか。
ここ最近でも最低レベルの話だった。
悪口しか書かないのでご注意ください。
何が最低って、サーの捜査へ対する態度よ。
今週のエピソード前半でサーの個性の詳細が明かされ、その能力が24時間に一度しか使えないことが明らかになる。
「だから詰めの段階で、不確定要素を確定させるときにしか使えない」と言う。
うん?
連続使用できないといっても、24時間に一度は使用できる個性。
エリちゃんを助けに行くにあたって、今日明日にも攻め込まないと彼女が死んでしまう、とかなら個性の使いどころを見極めるために温存するのもわかる。
でも今回の会議の決着は「これからもみんなで頑張って捜査しましょう」というもの。
少なくとも今日の分は使えるよね?
黒人ヒーローや相澤先生が言うように、ヒーローを予知すればこの先手に入る情報を先取りすることができ、捜査を格段に進めることができるようになります。
(「未来の変えられない予知」という設定のもと、未来の捜査情報を得た場合、その情報を得るために本来するはずだった捜査が実際に行われるのかは不明)
それに対するサーの回答は「死んでる人が見えたら嫌だからダメだ」というもの。
こいつのどこがヒーローなんだよ。
実際にそれはおかしい、と黒人ヒーローが「そういう未来が見えても良いから予知しろ」と言うも、それに対してサーは「ダメだ」とだけ呟いて黙り込む。
まるで叱られてるときの子供みたいなんですけど。
この状況から見える可能性は2つ。
1つ目の可能性は「サーの未来予知は「予知した時点で、予知したその未来を確定させる個性」である」ということ。
人が死ぬ未来が見えたら確実に死ぬが、その光景を予知さえしなければ覆せるという場合。
それなら「人が死ぬ可能性がゼロになってから予知することで詰めに使う」という理屈は通る。
ただこの場合、予知した場合・予知しなかった場合でそれぞれどうなるかの判別ができないので、この未来予知がそういう個性である、という裏付けが取れないのが問題。
人が死んだ時、予知したから死んだのか予知しなくても死んだのか。
人が助かった時、予知したおかげで助かったのか予知しなくても助かったのか。
「『これはそういう個性だ!』と見抜く個性」の持ち主が必要になりますね。
2つ目の可能性は「サーが嫌なものを見たくないから、エリちゃんの救助よりも自分の心の平穏を選んでいる」可能性。
正直この可能性がかなり高い。
オールマイトがデクに「また予知してもらって、未来が変わったか確認しましょう!」と言った時、オールマイトは「サーの気持ち考えて」と言いました。
このセリフはまさに、今週のエピソードに重なるセリフと言えます。
予知さえすれば早期にエリちゃんを助けられる可能性が広がる状況で、サーは具体的な理由を述べないまま「ダメだ」で会議の場をごり押しします。
もしサーの中で、オールマイトの命や、彼の死後に起きる混乱よりも自身の気持ちのほうが大事だと判断するのなら、もちろんエリちゃんの早期安全確保よりも自身の気持ちの方が大事だと判断するでしょう。
その幼稚さが、ダメだと宣言してあとは机に突っ伏し黙り込むサーの姿の幼稚さと重なります。
予知を使った捜査のサポートをしないのなら、予知を使うヒーローとして協力者を募るのは駄目だよね。
周りから「あんた予知が使えるんだろ!捜査手伝って!」と言われて今回の会議なら、自分が個性を使わないことを説明するための場、として話の筋は通るんですが(好きにはなれないけど)。
「ダメだ」の後の呆れた他ヒーローの顔や、さっさと話を先に進めるリュウキュウの態度は、もはやサーを見限って、とにかくエリちゃんを救出するために早く行動に移そうという姿勢に見える。
意図的なものじゃないだろうけど、サーの「ご協力お願いします」のあと、誰も返事をしなかったのがその証左って感じで。
さらにもう1つ、今週のエピソードにとんでもない爆弾があった。
エリちゃんの「手、優しかった」というセリフ。
あのときのデクが考えていたのは「ここでエリちゃんを見捨てるとヒーローとして不自然で、ヤクザのウラを探っていることが感づかれるかもしれない」ということだけ。
読み返せばわかりますが、デクはあのとき別の対応をしたミリオと、相対するヤクザのことしか考えていません。
挙句、自分からヤクザの元に帰ったエリちゃんを見送り、サーには「ヤクザは怖い人には見えなかった」と報告。
徹頭徹尾「ヤクザの元に包帯だらけの女の子がいる状況の異様さ」とかには気を向けないまま。
その後オールマイトと話す機会があっても、エリちゃんを助けられなかったことではなく、ワンフォーオールの後継者がいたことについてのみ追求し、エリちゃんのことは前々回で急に、無理やり差し込んだように一言モノローグが入っただけ。
つまり締めのページで大ゴマを使って見せたエリちゃんのモノローグは、エリちゃんの勘違いという悲惨なオチがついてしまいます。
エリちゃん見捨てる回の前に「余計なお節介はヒーローの基本」とミリオに言わせたり、会議の場でも黒人ヒーローに「出くわした時助けておけば良かったんじゃね!?」と言わせたり、実質あそこでデクがエリちゃんを見捨てたことになったのは、作者の意図によるものだったんでしょうか。
あのときのデクがおかしいということが、周りの描写やセリフから、読者にもすっと理解できるようにエピソードが組まれているのがすごい不気味。
このデクは実はトガちゃんの変装とかじゃないだろうな…。
ONE PIECE
展開が山場を迎えて一話あたりの情報量がものすごいことになっているのですが、そんな中でジェルマ親父にものすごいガッカリした。
裏切られて泣くとか、お前精神年齢未成年かよ!
ジェルマは人死にが当たり前の戦争国家なんじゃねえの!?
実はマムの息子だったくらいのバックボーンがないと納得いかないよ!
そして予知能力者の顔色から作戦の成功を読み取るベッジのかしこさがハンパない。
「耳栓」を暗号で呼ぶことで、集団の中叫んでも大丈夫、というのも細かいながら気配りが効いています。
何より最後のコマの「未来を変える権利は誰にでもあるんだよ!」がカッコよすぎる…サーに聞かせてやりたい…!
鬼滅の刃
ようやく全隊員が始動!眠ってるだけあって余計なことを言わない善逸のかっこよさが振り切れています!久々にかっこいいところ見た!
伊之助が急にかしこそうなこと言い出しましたが、何かに影響受けたんでしょうか。
遅れてきた煉獄さんは遅れてしまったことを恥じつつも、合流までにしっかり仕事をしながら来ているのが好感触。
あとさらっと言ってるけど、一人で5両分の乗客守りつつ鬼の急所探すってハンパないよね。
柱の実力を見せ付けて欲しいところです。
話のピークに合わせて、次号は表紙&巻頭カラー!
すっかり安定した中堅枠になってくれて嬉しい限りです。
肋骨さん読んだときはジャンプよりバーズかアフタの方がいいんじゃと思ったものですが、こんなしっかり少年ジャンプにアジャストしてくるとは。
これはアニメ化も視野に入ってくるのではないでしょうか!出来たら全力のマッドハウスで!
ブラック・クローバー
アネゴレオン大暴れ。喝を入れて団員を盛り上げる様はもはやアネゴというかアニキ。
まさかユノまで巻き込んで新章突入するとは。
団長たちもいるし、賑やかなシリーズになりそう…とか思ってると急にボスがやってきて大事になるから油断できない。
青春兵器ナンバーワン
次回のゲストが誰か察したときのハチの表情がすべてを表していた。
というかこの兵器たち感情顔に出しすぎじゃない?!
本当はもっと笑えたはずなんだけど、喋りの下手なやつが勘違いしてやるお昼の校内放送というのが自分の黒いツボを突いてむしろ胃が痛い感じでした…いややらかしたのは私じゃないんですが…!
Dr.STONE
思っていたより早く司が到来してしまった!
人質にしかならない杠を単独行動させたのは、千空的にも甘い判断だったのでは、と今更ながら思ってしまう。
まあ火薬が完成していない今遭遇してしまったら、3対1でも勝てないんだろうけど。
今週はもう、千空と司の表情が素晴らしくて、それだけで一話分を使う価値があったと思えた。
復活液のレシピを語る前の苦しそうな笑顔と、「きみを殺さなくて済む」と言う司の表情ね。
特に司は、あの表情からいろんなものが読み取れすぎて、これはこういう心情を表しているんだな、と安直に断言できないものがある。憐憫も傲慢も懇願も混じってそうな。
司にとって、価値ある頭脳を持ちながら俗世に染まっていない千空は、この世界観を抜きにしてもとても価値ある存在だったんじゃないだろうか。
事態を察した大樹が駆け出すも、司が武力で最強なのは言うまでもなく、火薬の用意は出来ていない。
状況を打開するのは、五人目の存在?
食戟のソーマ
いよいよソーマのそばの実食。
ソーマにしか作れない料理人の顔が見える料理、という秋の選抜決勝で学んだことの活かされた料理でした。
実際、王道のそばで挑んでも勝ち目はないだろうしね。
漫画的には「普通に」高クオリティでつくった紀伊国先輩のそばより、「新しい」アイデアを盛り込んだソーマのそばの方が勝ちそうだけど、そばのスペシャリストがそばで負けるのもちょっと可哀想ね。
最後の引きで香りについて触れていたけど「なぜこっちの方がこんなに風味高いのかわからない」って言っちゃった時点でもうソーマの勝ちだよね。
王道の紀伊国先輩のそばとソーマのそばを並べて、紀伊国先輩のそばの方が勝つなら「なぜ」なんて疑問に思わないよね。
序盤、葉山が何か食い入るようにソーマのそばを見ていたので、香りにアプローチするトリックがもう一個くらいありそうですね。
ハイキュー!!
冴子姐さん!!!
白鳥沢戦のとき、応援で負けてたのをずっと気にしていてくれたのが本当アツいぜ!
その上で「応援に勝つ」ことも「背中を押す」ことも自分たちの役目じゃないと言い切るのがかっこいい。
と言いつつ、日向は単純なので充分に背中を押されている感じがありますが。
ウシロ・マイナス!のコマ、影山のトス高くね?と思ったら見事に囮だった。
最近大地さんがスパイク決めるシーンが多いような気がする!
ロボ×レーザービーム
ロボは思い立つと行動が早いな!
ゴルフ部入部を全力で記念してくれてるトモヤがめっちゃいい子。
そして思っていたより早くゴルフ部メンバーが出てきた!
いわゆる空気というものを全く読まず、設定したゴール地点に向かって最短距離を進む感じが実にロボです。
部員のメンバー、誠凛高校よりは漫画的に記号の目立つキャラが多いですね。
誠凛のメンバーは本当初期の頃モブ顔もモブ顔だったからなー。
ところでこのゴルフ部レギュラーの成績、劇中触れられたスコアの「超上級者」レベルしかいないですがここのゴルフ部強豪なんだっけ?
アオリの「レギュラーください」で「黒子っちください」を思い出した。
今読み返したら黒バス3話でもう黄瀬と闘うことになってて、黒バスマジ展開はえーな!
ロボは比較的丁寧にキャラクターを扱っている感じがしますね。
長期連載経験の余裕がそうさせるのだろうか。
斉木楠雄のΨ難
久しぶりに照橋さん回。
だいぶ前に男3人と一緒にラーメン食べに行く回でも斉木が言っていたけど、完璧美少女であろうとして、実際に努力して実現しちゃうあたり照橋さんは本当に完璧美少女だよね。
そして当の照橋さんをちゃんと見ていたのが唯一斉木というのがまた!
この漫画は本気出すとものすごい勢いで恋愛モノになるよね!
ぐるっと回って恋が進展しちゃうあたりはやっぱり神に愛されてるのか、今回は自力でもぎ取った成果とも言えるか。
斉木は頑張ってる人に弱いよね!
U19
最初からこういうバトル路線やってれば、もっと前の方で連載続けられたんじゃないかな。
いや本当ここ2,3話マジで面白いよ。
アラはあるけど、そういう細かいことを気にさせない勢いがあるよ。
画力は元々高いし、バトルという軸線があれば世界観が多少崩壊してるくらいなんでもないんだよなきっと。
いや一旦諦めたあとに盛り上がってきたから初期のアレさを忘れているだけかもしれないけど。