幽限会社わらし不動産

前回の更新から時間が空いてしまいましたが、再びとてもいいゲームをプレイ出来たので、そのレビューです。
当ブログでも『親切()な駅』をレビューした「Studio非」の新作です。
親切()な駅から半年くらいしか経ってないんだけど、本作もこれまでに違わず個性的、かつ素敵なストーリー体験が出来る良いゲームになっていました。
ちょっとホラーっぽい雰囲気のあるタイトルですが、むしろ内容はハートフル。
ゲームとしてはマップを探索して異変・異様を見つける探索ゲームです。
記事の後半で攻略チャートも書いておくので、詰まってしまったら見てください。
| 値段 | 800円 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年1月11日 |
| 商品ページ | Steam |
幽限会社わらし不動産
現代の座敷わらしが家を探すため、不思議な不動産屋を訪ねるお話です。実際の東京にある部屋を探索しながら、ちょっとおかしな家具や日用品に擬態した疫病神を見つけ出し『わらし不動産』の謎に迫っていきましょう。
というお題目で、プレイヤーは「座敷わらし」です。
座敷わらしといえば取り憑いた家に幸運をもたらす存在ですが、その家探しを手伝ってくれるらしい「幽限会社わらし不動産」にて、一人前の座敷わらしであることを認めてもらうゲーム。

わらし不動産の店主であるわらばあはホログラムのメカニック老婆。いや個性が強すぎる…。

口は悪いが妙に面倒見がよく、ぼんやりした座敷わらしの主人公にやいのやいの言いながらも、一人前の座敷わらしになれるよう試験を課してくる。
しかもその試験がどうやらわらばあの気合と根性で作られているようなので、マジで親切。

その試験というのが、人間の家の中をスキャンして起こされた3Dマップを探索して、その中に隠れた「物化(モノバケ)」を見つけ、カメラで撮影すること。

本作は「実在する部屋をスキャンした空間を舞台にした間違い探し」というかなりユニーク、かつ実験的なゲームなのですね。
スキャンの精度は正直粗く、壁や天井が溶けていたり、ぐちゃぐちゃになって何を写し取ったものか良く見てもわからない部分も結構あります。
それでも人それぞれの生活模様が伺え、きちんと片付いている家もあればちょっと踏み入るのもためらうくらい散らかっている家もあり、普通は見ることの出来ない「誰かの家の中」を散策できる楽しさがありました。
この空間内から、現実にこうだったらおかしいだろ、と思うようなオブジェクトを見つけ、カメラに納ましょう。

そうした試験の一方で、わらばあは誰かと話をしており、日をまたぐごとに「何か」が進んでいるのも感じさせる…。
ゲームシステム
といっても前述の通りで、部屋の中を探索して、明らかにおかしいものを見つけると言う通り。

だいぶ溶けているマップの中で間違い探しをする、という点で「いやどこもおかしいやろがい」と思ってしまうところはある…。
場所によっても精度の並があり、ごちゃごちゃしたものが集まっている箇所は荒れやすい。

どことなく、むかーしのGoogleマップの3Dモードみたいな感じがある。
カメラにはフィルム数で撮影回数の上限が設定されており、後半になるほど撮影できるチャンスは減っていく。
でたらめに撮影してまわってごり押す戦法は取れません。
取れませんでした。いくつかすげー難しい異変や「これ異変かよ!」と思うようなものがあり、イージーモードとしてフィルム上限のないモードがあってもよかったかも。

オプションは、わらし不動産入口の机で設定可能。
足のアイコンに『親切()な駅』の面影があるかも。

ゲーム自体が結構重たいので、「クオリティ」は2くらいがちょうどいいかも。
歩くときに揺れる「カメラシェイク」は個人的には切っておいたほうがいいです。すげえ酔う。
「実在する家」の実在感を楽しめる探索ゲーム

不動産屋が舞台なので、探索できる物件には間取りや家の特徴をまとめた文章を読むことが出来ます。
探索できる全物件にこういうのが用意してあり、結構芸細。

また、探索を終えたあとには捕らえた物化の手配書みたいなものを読むことができます。
※画像はネタバレにならないよう塗りつぶしてあります。
その物化がどういう存在かわかるので、ちゃんと読んでおきましょう。

溶けてしまうのは如何ともしがたいけど、人間が暮らしていく上で結果的にその形になった空間、というのは、ゲーム用にデザインされた空間とは全く違う「生活感」があって最高でした。
この「健康第一」の書なんて、自分がゲームの背景をレイアウトするときに壁に貼らないもんね。

ドアに引っ掛けられたワンピース、壁に立てかけた段ボールなど、意図してもなかなか出てこない。
私は結構間取りフェチなところもあるので、面白い間取りの家をいくつも見れたのも楽しかった。
クソデカロフトの物件がお気に入りです。あれもうロフトというか天井裏だよな。
一方弱点としては、やっぱりお部屋のあちこちが溶けてしまっているので、その溶けた背景を凝視しながら異変を探すのは大変に目が疲れること。
異変かどうかを目視で判断するのはかなり大変だった…。
難易度の高さがスキャンの精度によってばらけてしまっており、その点でゲーム体験としては粗いものを感じました。
この技術がもっと洗練していけば、それこそ実在する家の中をゲームとして探索できるし家具の配置を変えたり出来る時代も来そうだな、という点でのワクワク感はあったけどね。

また、本作はストーリー性も大変によく、特にトゥルーエンドの最後の盛り上がりはめっちゃくちゃ良かったです。
内容について触れると、どこをどう紹介してもネタバレになってしまうので、このホログラムメカババアの顔しか掲載出来ていないんだけども。

というわけで『幽限会社わらし不動産』でした。
「Studio非」はいつも一捻り加えたゲームを出してくるけど、今回もすごくユニークなゲームだった。
そして毎回ストーリーが良い…じっくり語るタイプじゃなくて、プレイヤーの中で「あー、つまりこれはこういうことだったのか」って納得が発生する語り方をしているのがめっちゃツボです。
リリースのテンポも早いし、今後も新作が出たら追いかけていこうと思っています。
では以下に攻略情報を載せておきます。
自分で頑張りたい人は見ないよう気をつけてくださいね。
攻略フローチャート
初日

わらばあに諸々の説明を受けたら、試験フロアに行きましょう。
あの長い階段、長い意味があるんだろうか…。

チュートリアルの浴室は、天井に張り付いているサーキュレーターが物化。
間違いなく異変だけど、天井にサーキュレーターあって空気かき混ぜてくれる風呂場はちょっとアリかもしれない。
これをクリアすると、さっそく2LDKの物件を探索することになります。

1つ目は、入って左手側の趣味部屋っぽいところ。
店の中の招き猫が動いています。招き猫が手招きしている分には良いんじゃねーか?と思わなくもない。

2つ目は、奥の寝室。
時計が44:44:44を示すという異変。点滅がカラフルなのもあって、結構わかりやすい。

3つ目はキッチンに置かれた大量の歯ブラシ。
いや歯ブラシはいいだろ!スキャンの精度も相まってこれ異変?本当に異変?ってなるやつナンバーワンでした。
1つ目の試験ながら、釈然としない異変が一番多いのがこの物件だったと思う。

帰り道に開くドアの中では、その日のうちに捕まえた物化の手配書みたいなものを読むことができます。
それぞれにズームすると、捕まった物化からメッセージを聞くことが可能です。

研修を終えて帰ると、知らない少女と誰かの会話が垣間見える。
少女は母親が人気ホステスで、忙しくしており一緒に過ごす時間がないという。
しかし12月の誕生日では、初めて母が仕事を休んで自分と過ごしてくれる、と語る。
最後にはインターホンが鳴り、家に誰かがやってきたところで映像が途切れる。
二日目

難易度が少し上がり、撮影出来る枚数が減ってしまいます。
ちなみに試験場に来る前、廊下の開いたドアを開けると、「倉庫」ではこれまでに回収した物化のリストを、「資料室」では前日にクリアした物件の紹介を読むことができます。
どんな人が暮らしていたかが伺える、楽しいテキストになっています。

さて、二日目の物件では、まず入って左手の寝室。
ベッドの下を出入りしているスリッパが1つ目の物化です。
しばらく見つめていないと判別できないので、確かに難易度は上がっている。けど部屋のど真ん中でちょこちょこ動くので、きちんと見ていれば物化であることはすぐわかる。

2つ目は真ん中の部屋。PCの向かいにあるテーブルのハンドモデル。
指折り数字を数えていることがわかります。

3つ目は奥の部屋、テーブルの上にあるリモコン。
この家にはテレビがないというけど、溶けて見えなくなってるだけなのか無いのかがわかんねえ。
実のところ、これは溶けている他の家具等に比べて3Dモデルが綺麗だな、と思って撮影したらあってたという見つけ方だった。

帰りには捕まえた物化の手配書を見ていきましょう。

最後には、昨日の終わり際に見た誰か視点の続きを見ることが出来ます。
知らない人が突然家の中に上がり込んできて、この家の子らしき少女と、その話し相手であった主観の人物「しーちゃん」は家の中に隠れることになります。

上がり込んできた人物は包丁を持っており、「お前が僕のクリスマスを台無しにしたんだよ」とつぶやきます。
ヘタに恐怖感を煽ってこない断片的な見せ方が逆に怖い。
何が起こったのかはわからないまま、映像は途切れてしまう。
三日目
行きがけに、わらばあから妖怪には「上級」と「下級」があることが語られます。
しかもそれを決めたのは上級を名乗っている妖怪たちで、人の生き死にに関わっていいのは上級だけ、というルールもあるという。
もちろん先の展開の伏線になっています。
その日の試験は、3つの異なる部屋を調査することになります。
いずれもモノが異様に多く、物化を探すのも一苦労です。

1つ目の部屋の物化は、エアコンの横に並んだポスターの一つ。
パイプを咥えた男性のポスター、パイプから煙が立っています。未だにパイプ咥えた人を見ると、最初にダグラス・マッカーサーが頭に浮かぶ。

2つ目の部屋の物化は、ドアノブの向き。
ドアの内側に向かって伸びるはずのノブが外側に向かっています。
地味すぎてこれはかなり見つけるのに苦労した…ここ以外の全角度に大量のモノがあって、いかにもそこに物化が隠れていそうなのも苦戦した理由の一つ。

3つ目の部屋の物化は、床に置いてあるテディベア。
プレイヤーを視線で追いかける物化です。テディベアを見つめながら移動しないと気付きにくいやつ。

試験を終えて戻ると、わらばあが誰かと電話している様子。
何の話をしていたのかは教えてくれません。

断片的な映像では、視点の人物「しーちゃん」が女の子を助けようとして、隠れていた場所から飛び出してしまう。
しーちゃんが男に、何故かカメラを向けている場面で終わり。
「大切な人の裏切り」「君のわがままのせいだよ」という言葉を加味すると、彼はホステスのママ相手にクリスマスのイベントを考えていたものの、ママが娘とのクリスマスを優先したせいで計画がパーになったクソ客、とかかな。
「本来なら君は助かるべきだと思うけど」みたいな、小さく理性的な部分を残しているのが生々しくて本当に嫌だ…。
顔もぼやけているけど、目の輪郭はわかる程度のぼやけ方なのがまた怖いんですよね…。
四日目

わらし不動産を訪れるも、何故かカウンターにわらばあがいない。

やむを得ずそのまま試験場に向かうと、今日もきちんと試験のための間取りは生成されています。

しかし部屋に入ろうとすると、一瞬フラッシュバックする光景。
それ以降も、部屋の中を探索するたびに誰かとの会話が一瞬浮かび上がります。

部屋の中には、12月25日に誕生日を示すマーク。横には「10才」と書き加えてあります。
小上がりにはランドセルも置いてあるし、映像の中の少女は小学生で、もうじき10才の誕生日を迎えるようです。
そう、恐らくは少女と「しーちゃん」があの事件の日を迎えた部屋がここであるようです。
それはそうと物化は見つけなければなりません。
が、今回見つかる物化はいずれもニュアンスがちょっと変わっています。

1つ目、部屋の奥に飾ってある花瓶。
よく見ると盗聴器が仕掛けられています。よく見ると、というかだいぶ露骨に仕掛けてあるけど、本当に緻密に仕掛けられたらプレイヤーにも見つけられないからな…。

2つ目は天井のライト。出たり消えたりしており、数が安定しません。
天井を数秒間眺めていないと気付けないので、結構難易度高め。

そして最後は玄関口のゴミ山の中。
だいぶ溶けているのでかなり分かりづらいですが、プレゼントボックスの中から包丁が飛び出しています。
ライトは微妙なところだけど(実はあとで答え合わせ自体はある)、残る二つはかなり具体的に、この家の人物に対しての強い敵意を感じさせる物化です。
さっきまで浮かんでいた映像、家に上がり込んできた男との関連性が嫌でも想起出来てしまう。
この光景自体は主人公である座敷わらしの記憶から構築されたもの、というわらばあの話を踏まえると、ここで起きたことを知っている主人公の存在が何者なのか、だいたい想像がつきますね。
実際に盗聴器が花瓶にセットされていたとか、プレゼントボックスに包丁が入ってたわけじゃないのかなとは思うけど、「この家のなかでそういうことが起きてしまったことを知っている主人公」の記憶の光景なわけだ。

何を撮影しても姿を表さなかったわらばあだが、帰り道で開いたドアの中に入ると、そこで意味深な話を聞かせてくれる。
やはり主人公である座敷わらしは、あのときあそこで少女と会話をしていた「しーちゃん」だったようです。
しーちゃんは、すでに1999回もこの試験の過程を繰り返しているらしい。
わらばあは、主人公がなんらかの咎を背負っているようなことを語っています。

断片的に見ていた映像、いや記憶の続き。
しーちゃんはなんと、カメラを使って男を写真の中に閉じ込めてしまう。

その出来事を罪として、何者か…おそらく上級妖怪たちが、しーちゃんを咎めています。
そう、人の命に影響を与えていいのは上級妖怪だけ、という(上級妖怪たちが勝手に決めた)決まりがありましたね。
しーちゃんは、仲の良かった友達を助けるため、カメラの力を使って男を封印。死ぬはずであった友達の命を永らえさせてしまったのでしょう。

時間を巻き戻してもう一度あの時に帰してやるから、今度はルールを守って少女を見捨てなさいと語る裁判官。
しかし主人公は首を横に振り、それを拒否。
妖怪のルールを守らなかった主人公に与えられるのは、記憶を消されてはこの事件の出来事を思い出すまでの時間を繰り返す、無間地獄という罰。
わらばあの言っていた1999回は、これのことだったわけですね。

何度も何度も同じことを繰り返しては、しかし友達を守るために罪の清算を拒否して、牢屋に繋がれ記憶を消される繰り返し。
これが主人公の現在のバックボーンという描写でした。
五日目

画面が暗転して、再びわらし不動産。
「あんたは新米の座敷わらしかい」という問答を経て、最初のときと同じように研修を始めてくれます。
なお最初に聞いたような世界観のチュートリアルは、今回は飛ばしてくれます。

今回用意されたのは、大きな屋根裏部屋みたいなロフトのある家。
まずはロフトに行きましょう。作業机や趣味のものが大量に置かれていて、すごい楽しそうな空間。マジで羨ましい。

最初の1つは、この部屋の柱…に擬態している突っ張り棒です。
引きで見るとあきらかに100均とかで売っているあれだ!とわかるんだけど、部屋の中を歩き回っていると先端が視界に入らず、柱にしか見えない上手いギミックです。

2つ目は1階の寝室。扉の裏に印鑑が詰め込まれています。
あまりにも異様すぎて見つければすぐだけど、扉の裏側というきちんと探さないと見つけられない場所に隠してあります。
この物件の物化は狡猾な奴が多い。

かと思いきや、3つ目の物化はリビングのど真ん中で膨らんだりしぼんだりする風船。
なんだけど色味が特殊すぎて風船なのか何なのかよくわからなかった。
ただこの広くあたりを見渡せる範囲の中で動いてくれるので、割とわかりやすい方。
ということで、今回も3つ見つけるかフィルムが尽きるとクリアーです。

帰り際、わらばあとの会話では、なんと主人公側からわらばあに声をかけます。
分かりづらいけど、わらばあのセリフとはフォントが違いますね。
更に、ここでこのカメラが特級の物化であることも語られます。
この初期装備が実は伝説の武器だった感たまらんな。
六日目

翌日。わらばあは普段言わないようなことを呟きながら、研修を開始。
現れたのは、四日目に見たあの少女の家。

家にはサンタの帽子が飾られているなど、四日目に見たときから更に時間が経過して、クリスマスが近づいていることがわかる。

家の中も飾り付けが進んでいる。ソファの上には10才の誕生日であることを示すバルーンが飾られていますね。
今回の家には、物化は潜んでいません。
わらばあが「記憶にしっかり触れな」と言っていたとおりで、物化を見つけてこいとは言われていないのです。

触れるべき記憶とは、机の上に置かれているこの誕生日ケーキ。
あの断片的な映像の中の少女が「みゆちゃん」であることがわかります。
これを撮影すると、イベントが発生。

これまで見てきた映像が連続してフラッシュバック。最後にはカメラを取り落としてしまう。
大切なことを忘れていたことに気付きました。

ロウソクに照らされた道を追いかけていくと、進んだ先にはなんと牢屋に入った座敷わらしの姿。
そこにいたのは「しーちゃん」。
そう、つまり五日目からプレイヤーが操作していた座敷わらしは、四日目までの座敷わらし「しーちゃん」ではなく、あの時しーちゃんと一緒にいて、10才の誕生日を心待ちにしていた「みゆちゃん」の方だったのですね。
あの部屋の記憶の力かカメラの力か、しーちゃんが何者でどんな選択をしていたのかを理解したみゆちゃん。

しーちゃんが稼いでくれた数カ月の命のおかげで、待望だったママとの誕生日会が開けたことを語って聞かせてくれます。
これこそが、しーちゃんが命をかけた理由なのが本当に尊くて美しい…。
上級妖怪たちは「どのみちあの少女は死ぬ。数カ月命を永らえるだけだ」と言っていましたが、その数ヶ月を稼いだ先にある誕生日会を迎えさせてあげることが、しーちゃんの真の目的なのでした。
そりゃ罪の免除と引き換えにみゆちゃんを見捨てろ、なんていう指示に、しーちゃんが頷けるはずもない。
しーちゃんが自分にしてくれたことを全て理解して、気に病んでしまうみゆちゃん。
そこへかけたしーちゃんの言葉があまりにも偉大だったので、私の中でこのゲームは100点満点中100億点になりました。
トゥルーエンド分岐
ここまでで全ての物化を撮影出来ていなかった場合、しーちゃんとみゆちゃんの対話は叶ったものの、しーちゃんが開放されるわけでもなく、これからも繰り返しが続いてしまうことが示唆されます。
ただし、わらばあはこの現状を変えたいと何かを企んでいる様子。

すべての物化を撮影できていた場合、これまでのループで大量の物化を確保できたこと、彼らを戦力として連れていき、上級妖怪に立ち向かうつもりであることをわらばあが語ります。

ここのわらばあがもうめっちゃくちゃカッコイイ…わらばあの声に応えて、倉庫の店から大量に舞い上がる、撮影されて捕まっていた物化たち!

上級妖怪相手に戦う準備を整えたわらばあと物化たち。
これから反撃だ!というところでトゥルーエンドはおしまい。
しーちゃんとみゆちゃんの描写はノーマルエンドと変わらないんだけど、無間地獄の繰り返しをわらばあが叩き潰してくれたら、二人も救われることがわかる…というのもシブい見せ方をしていて素敵だ。
仕組みとしては初見トゥルーエンドも行けるんだけど、最初に一回ノーマルエンドを見ておいた方が話が飲み込みやすいですね。
歴代のゲームの流れから、じんわり染みるストーリーは最初から期待していて実際そのとおりになったけど、こんなアツい展開が来るとはさすがに予想していなかった!
クリア後感想
メッチャクチャいいストーリーだったな…『p.i』も『親切()な駅』もストーリーの見せ方が上手いゲームだったけど、本作もとびきりだった。
少女二人の絆の話であり、無間地獄から抜け出せないしーちゃんに忸怩たる想いを抱いていたわらばあの逆転の話でもあるという、2本のストーリー軸があったのが嬉しいですね。
五日目から、記憶が消えたしーちゃんのリスタートかと思っていたら、実は主人公が入れ替わっていてみゆちゃんのストーリーだったのも良かった。
あの五日目、普段なら出る「前日に調査した家の物件情報」や「これまでに捕獲した物化が収められた倉庫」のドアが開かないんですよね。みゆちゃんは初日だから。
実は別の人物であることが、これまでのゲーム仕様から示唆されていたという。
ノーマルエンドとトゥルーエンドがそれぞれ排他ではなく、ループ構造を活かした話の変遷ギミックがあったのも好き。
「ちゃんと全部の物化を撮影すること」というトゥルーエンド条件が、作劇上の「大量の物化を集める」というトゥルーエンドで展開されるストーリーの前フリになっているのも上手いところ。
こういう形で色々な納得感を用意してくれるのが嬉しいゲームでした。
考察要素

一応ストーリーを整頓しておくと、「しーちゃん」はかつて「みゆちゃん」の家に取り憑いていた座敷わらし。
幸せに暮らしていたが、ストーカー男の狼藉に物化である「カメ吉」の力を使って、男を封印してしまう。
これが下級妖怪の領分を越えた行いであるとして、無間地獄に落とされ記憶の消去と思い出す過程を1999回繰り返される。
一方、ストーカーに殺されはしなかったものの、ママと誕生日を迎えることは出来たみゆちゃんは、生前のことは忘れて(か、しーちゃんのことだけを忘れて)座敷わらしになる。
しーちゃんが罪の清算を行うわらし不動産にみゆちゃんが来たことに感じ入るものがあったのか、わらばあはみゆちゃんの生前の記憶を取り戻させ、しーちゃんと会わせることにする。
同時に、しーちゃんの2000回の無間地獄の中で戦力が集まったため、下級妖怪・上級妖怪という仕組みごとぶち壊すため、わらばあが立ち上がる―――。
ということでいいのかな。
例の事件は、しーちゃんも生前人間だった頃の話かもと思っていましたが、下級妖怪の掟を理由に咎められている以上、当時から座敷わらしでしょう。

芸の細かいところで言うと、四日目に蒐集した物化たちは、いずれもストーカー男の思い込みを強化してしまう性質を持っています。
三日目までの物化は笑える程度の存在感だったものの、こいつらだけ飛び抜けて凶悪だった…。ちゃんと読んでいない人は読みましょう。物語のキーになった事件が、物化のせいで起こされたものだったとわかると、蒐集して封印しなければならないという理由もよくわかります。
ということで、「Studio非」の新作『幽限会社わらし不動産』のレビューと攻略情報でした。
毎回新鮮な体験をさせてくれるデベロッパーなので、次回作も楽しみです。
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