感想日記

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「向淵行」(Ver1.4)のストーリー感想

キャラクターストーリーはまだやっていないんだけど、メインストーリーパートは完走したのでひとまずそこまでの感想です。

いやね、私は「プロセスVII-千鈞」で武陵城地下の裂け目を閉じた時点で、武陵でやることは全部終わった(武陵編のメインストーリーは全部終わった)と思ってたんですよ。
何しろネファリスを倒し、リーダーにして管理人と縁の深かったらしいゾアンの救いをやって、武陵に平和をもたらしたので。

でもまだ全然やること残ってたのね。
四号谷地編の最後に行われた会談では「タロIIの各所で未知の超域エネルギーが観測されている」「武陵ではすでに不審な動きが確認されているため、優先的に対応してほしい」という話が出ていました。

なお会談では工業団連盟中央局長委員会、環タロ企業連盟商会の代表、宏山科学院の天師が参加。
3組織からエンドフィールド工業へ、現場での優先権・裁量権を与えることを表明。これ会談の前に3者で話し合いの場あったろ。

というわけで武陵の地下の裂け目という喫緊の課題の一つは解決できたけれど、もっと深刻な問題としてあったのが、10年前に事件が起きた「北部封鎖区域」の解放。
武陵に数多くの悲劇をもたらした超域の裂け目を閉じる「帰路」作戦が武陵編のラストミッションとなります。

「帰路」作戦

今回のバージョン1.4「向淵行」でとびきり良いと感じた部分は、登場人物の過去を掘り下げるシーンをきちんと描写したこと。

過去の感想記事でも書いたんだけど、エンドフィールドって何故か、過去にあったエピソードを起点にして今のストーリーがあるのに、肝心のその過去を全然見せてくれないんですよね。
清波砦と武陵城の衝突も、ゾアンが失った先輩たちとのシーンも、キャラのセリフからちらっと語られたり、たまに拾えるテキストに書いてある程度。

そのせいで今その過去を乗り越えて成長するエピソードをやっているのに、肝心の過去のトラウマがさっぱりピンとこないという不満点がかなり多かった。

今回は、超域に飲まれた北部封鎖区域の奪還を、オクギの故郷を取り戻す工程と重ねることで、オクギを通して初見のプレイヤーにもこの「帰路」作戦へ感情移入させることに成功していました。

おかげで、今までの「なんだかよくわからんがエンドフィールド工業の役割だから戦うぞ」というノリではなく、「オクギを始めとした武陵の人々に故郷を取り戻してあげるため」に戦うモチベーションが得られるようになっていました。

こればっかりは管理人の記憶喪失などは関係なく(何しろオクギと出会ったのは記憶が消えた後なので)、清波砦というかタンタンのために戦った過去のバージョンに近しい、かつての管理人ではなくプレイヤーが知っている今の管理人の見ている先にあるドラマ。

おかげで感情移入しやすく、またそのドラマを通してオクギのことを好きになっていくという、相乗効果になっていました。

オクギ

ガチャで先に引いたオクギ、なんか妙に管理人にメスの顔をしているなと思っていたんだけど、ストーリー中で管理人にしてもらったこと、ただ一人生き残ってしまったという呪いから解放してもらった経緯を思うと、ああなってしまうのもむべなるかなという感じ。

ゾアンの時と同じことが起こっている!!!

武陵のために戦って死んでいった応龍特殊部隊を侮辱するような触影の存在が、使い方次第で生存者の呪いを解き放つ救いの手にもなる。

ゾアン編のときもあったけど、この尊い志を持って生き、そして死んでいった人たちが今を生きる人の背中を押してくれる展開に私はもうめちゃくそ弱く、今この記事を書きながらもちょっと涙ぐんでいるほどです。
過去に囚われず前を向いて歩き出し、階段を登っていくゾアンの背中を、死んだ先輩たちの影が見送っているところ本当に好き。

まして今回は、多くの人たちが子どもを助けるために命を張ったこと、今頑張っているオクギを死者たちがガッツポーズで肯定してくれるのが本当に優しくて、スクショ見ているだけで泣ける。

ここ!このシーン!
もう一度と言わず二度三度と見たいので、エンドフィールドは支給ストーリー見返し機能をください。

このチーエンのドラマにはもっとチェンに深く関わって欲しい(というかぽっと出の管理人がやるべきことなのか?)という感じはあったんだけど、今はともに切磋琢磨したライバルであったチェンにだけはむしろ見せたくない側面なのかも、と思うようにもなった。

チェン

オクギが語るによると、チェンはむしろ戦闘力ではとても高い評価をもらっていたという。
今回の章に入って初めて、チェンは剣の腕が足りずに落とされたのではなく、人の命を見捨てられない人情ゆえに落とされたのだと明言される。

逆に剣の腕に全く劣るところがないなら、オクギにとっては負けたくない相手だったのだろうなあ。

こうして、オクギのドラマを通してチェンの掘り下げも深まるというのは良い構成でしたね。
初期メンバーすぎて逆に固有エピソードがないのがエンドフィールド危機対策班の弱点でしたが、舞台が故郷なのもあってちょくちょく出番がもらえたのがありたがい…んだけど、チェン主役の話自体はまだ来てないんだよなあ。

それで言うと行動隊Z7なんて登場してもいないんだけどね。

エンドフィールドのストーリーは、四号谷地では「そもそもメインキャラがシナリオに絡んでこない」、武陵では「エピソードの成り立ちを見せてくれない」という問題点がありましたが、バージョン1.4ではいよいよこのどちらも解消され、(おそらく)多くのプレイヤーが感じていた不満が運営に届いて、改善されたのではないだろうかと思っている。

こうも不満点がただちに解決されていく過程を見ると、次のバージョンが俄然楽しみになってきますね。

管理人の戦うべき「敵」とは

今回の章にて明らかになった存在「礎石」。
アルダシル、ネファリスはもちろん、エンドフィールド工業側の存在であるM3からも、管理人は「礎石」の存在について聞かされている。

さて、オクギを翻弄したアルダシルが果たしてどうなったのか、応龍特殊部隊のミネが消息不明だなんて言っていましたが、その実なんと普通に捕まっていたという。
捕らえたのは「巨獣の代理人、歳の一人」という。

凄まじい画力だ。
本当に良い意味で。こんだけ線の少ないデフォルメなのに、アルダシルだってわかるの凄いよ。

ちょっと調べたところによると、巨獣も代理人も歳も、エンドフィールドというよりはアークナイツ初出のキーワードらしい。
超スーパーパワーを持った生物である巨獣が人間に封印され、その際に力を分けて生み出した人型の異形が歳の代理人、らしい。
それが12人いたそうなのだが、今回エンドフィールドに登場した「スー」は13人目だという。

まるでアニオリ劇場版みたいな設定だが、アークナイツをやっている人にもまだ「つまりそういうことか」と言えないような設定らしいので、エンドフィールドしかやっていない人間にはなおさらわからんのだろう。

ひとまず人間では及びようがない力を持った仙人みたいな存在と思っておこう。

「礎石」

アルダシルは、前回の登場時も今回も、「かつての管理人に従う者」だと語っているんだけど、一方で「自分とネファリスは同じ女性に仕えている」とも言う。

最初は、この「女性」が管理人のことなのかと思ったんだけど、男管理人でプレイしていても「彼女」呼びらしい。

章終盤で復活したネファリスとの対峙でも「あの女」という言葉がある。

立て続けに語られる敵の存在。
陣営によっておそらく意図的に違う代名詞が使われているけど、アルダシルの言う女性も、ネファリスの言う女も、M3が教えてくれた「礎石」の一人なのだろう。

少なくとも現時点では、アルダシルが仕え、ネファリスが何かしらの約束を果たした「礎石」の女性こそが、当面の管理人が戦うべき相手になるんだろう。

本バージョンの冒頭にあったこのシーン、この女性が「彼女」だろうか?

一方でネファリスは礎石への叛意をあらわにしており、アルダシルを殺害する(これも本体じゃなさそうだけど)。

このネファリスの言葉を見ると、ネファリスの持つ力(超域周りじゃなくて、アンカーの力やアンゲロスの力の方?)は源石とも、礎石の持つものとも違うっぽい気がする。
戦況としては、エンドフィールド工業ひいては管理人陣営VSアルダシルが所属する礎石陣営VSネファリスの三つ巴になったのかしら。

礎石が幻影旅団だとしたら、ネファリスはヒソカだった。だとしたら管理人はクラピカか。

我が幼き造主

北部封鎖区域の果てで裂け目から現れたのは、アレイクレウスという礎石の「千人隊長」。
今回のバージョンで一番管理人に深く踏み込んだのは、こいつだった。

M3が言うには、アレイクレウスは礎石側の存在であり、作られた兵士。
それが管理人を「我が幼き造主」「テラを捨てる覚悟」「本来の座へ還る」と語るのを素直に受け止めると、どうやら管理人はそもそも「礎石」側の存在なのかな?

打ち倒されたアレイクレウスは、自分たちがタロIIで生きられないことを、「管理人が故郷を捨てようとする」ことを嘆くも、誰もそれに答えないまま彼は死ぬ。

「汝は彼女に騙されているだけだ」という言葉にも、(記憶がないから当たり前なんだけど)管理人自身すら返事をできていない。
これ管理人が記憶戻ったら、アレイクレウスを討ってしまったことを後悔する日が来たりする可能性すら、あるのではないだろうか。

戦闘開始直前の「同胞の帰路を導く炬火となろう」ってセリフも踏まえると、超域の中が広大すぎて、礎石は戻ろうにもまずタロIIにつながる裂け目を見つけられていないっぽいね?
ってことは、超域を開きまくって礎石の面々が帰還することを手伝うのがアルダシルの当面の目的だったのかな。

思っていたより言葉通りの意味だった可能性が高いこのシーン。
コイツ本当嘘をつかねえな!

Ver1.2の感想で、妙にアルダシルが管理人に好意的だったので、アルダシルは管理人がうち漏らした敵を討伐して回っているのかな?と予想したんだけど、管理人がそもそも礎石側の人間であった可能性を踏まえると、「かつての管理人」に尊敬の念を向け「今の管理人」をある程度尊重しつつも、超域を開いて追放された者を探していることも整合性がつく。

アルダシルが経緯を向けていた「かつての管理人」とは、10年前の管理人ではなくもっと前、礎石側にいた頃の管理人だということなんでしょう。

「テラとタロIIの未来を背負っていたのに、君の犠牲を気にする人はいない」「最後まで君と歩める人間なんていなかった」という言葉がかなり管理人に好意的で、かつ管理人がタロIIのために犠牲になっていることを嘆く言葉だと思っていたんだけど。
それは半分くらい合っていて、礎石時代の管理人を尊敬しつつ、今はタロIIのために戦わされている…更に記憶を失って、礎石であることすらわからなくなったままタロII代表として戦わされている現状を嘆いているのだろう。

管理人が礎石であろうというのは、あくまで劇中のセリフなどから立てた予想です。明言されてはいませんよ念のため。

どっちの陣営に立ってものを言っているのかわからなかったせいで、アルダシルをどう思って良いのか複雑な思いはあったんだけど、今回「管理人がほぼ礎石側の人間で確定」したことで、全部しっくりくるようになった。

つまるところ、「管理人の過去」には記憶が消える前の最後である10年前と、その更にもっと前の礎石時代の(少なくとも)二段階があったのが意図的に伏せられており、プレイヤーを惑わせていたわけだ。

本当はVer1.2でほとんどアルダシルが自分から語っていたんだけど、テラ時代の話なんかに意識を引っ張られたり、礎石が意味する具体的な部分がわからなかったので、ちゃんと理解できるようになったのは今回のVer1.4を迎えてからとなってしまった。
エンドフィールドはストーリーが平坦で伏線が機能するみたいなシーンが少ない、と不満を語ったことがあったけど、アルダシル周りはVer1.2~1.4で上手く「見返すことで意味が理解できるようになる物語」になっていましたね。

ただ公式にストーリーを見返す機能がねえんだけどよお!
今回Ver1.2のストーリーで具体的にどんなシーンがあったかは、Vtuberの実況配信のアーカイブを見て確認しました。ありがとうドーラ様。アークナイツ既プレイ勢なので知らない話が出てきて楽しい。

エンドフィールド工業の向かう先

これから先、管理人が戦うのは「かつての同胞」である可能性がとても高い。

M3は「目が覚めたら数年はエンドフィールド工業で過ごしてもらって」と言っていたけど、この先アルダシルのようにかつての管理人と縁を持った人が登場してくるなら、記憶が消えたまま戦っていくのはいずれ記憶が戻ったとき、管理人に取り返しのつかないダメージを与えてしまう可能性がある。

10年前の管理人がどんなだったかを早く見たいと思っていたけど、こうなると肝心なのは10年前より更にずっと前の管理人だなあ。
第一次アンゲロス戦争を、管理人が礎石を超域に封印することで終わらせたなら10年どころか150年前の管理人を知る必要があるのだ。

かくして、武陵での戦いは終えたものの、管理人の素性について新たな波乱を起こして武陵編は今度こそおそらく完結。

武陵という組織の戦いを、オクギの過去を通して感情移入しやすいミクロな視点で見せることで上手く盛り上げ、一方では話が一段落するタイミングで主人公の掘り下げを挟み込んで作品全体への強い引きを持ってくる。
なんかこのゲーム、バージョンが進むごとに話の見せ方と盛り上げ方がどんどん上手くなっているな!


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