无人

| 値段 | 580円 |
|---|---|
| 発売日 | 2024年12月12日 |
| 商品ページ | Steam |
以前紹介した『Millennium Dream/千禧梦』とバンドル販売されていたSteamのゲームです。
てっきり同じデベロッパーのゲームだと思っていたら、どうやらそういうわけではないらしい。
ゲームとしてはかなり小粒で、1.5時間あればトロコンできるくらいの物量です。
一応ホラーゲームのくくりになるのですが、ストアページにもあるとおりジャンプスケアやチェイス要素は無し。
薄暗くて不気味な空間、とか何かを叩く音が聞こえてくる、みたいな雰囲気系不気味ホラーの範疇です。
日本語対応は中途半端に行われており、一部システムメッセージが日本語になっていますが、ゲーム中出てくるテキストの大半は中国語のみとなります。
ちょっと苦戦するところはあるかもしれないけど、私は問題なくクリアできました。
さて「无人」は中国語で「無人」という意味だそうで、本作は無人の街の一角を歩く異変発見モノ。
いわゆる8番出口ライクに数えられるゲームですが、Millennium Dreamと同様に中国の庶民的な町並みが舞台というのが個人的なポイント。

同じ街の一角を繰り返し歩くゲームである以上、マップはかなり狭いのですが、それでもこの味わいが本当にたまらない。
日本人の感覚で言うところの昭和後期~平成初期くらいの雰囲気(実際に中国では何年頃にこういう町並みが出来たのか知らないんだけども)が更に時間を経てうらぶれてきた感じ!これが本当にもう!好き!
実際のところ、ストアページの概要を日本語訳すると
あなたは子供時代の街に戻ることを夢見ますが、抜け出すことのできないループに閉じ込められていることに気づきます。ここでは、様々な超現実的な異常現象に遭遇します。注意深く観察して、それらを見つけ出しましょう!
(Google翻訳)
とのことで、どこかノスタルジーを感じるレトロな雰囲気は意図的なもののようです。

範囲が狭いだけあって、その代わりに歩ける範囲での風景はとても作り込まれています。
並んでいる店はシャッター街みたいな寂しさなんだけど、2箇所だけオープンしている店があり、中まで入ることができます。

一つはこちらの、アーケードゲームの筐体が乱雑に置かれているだけのゲームセンター。
レジや両替機すらなく、小銭を渡してプレイさせてもらう感じなのだろうか…。

ねえこれ権利大丈夫!?

もう一件は美容室。
異変探しターンでは、この2店ももちろんチェックの対象となります。
異変探し

ゲーム開始時に取得するカメラを使って、先程の通りで異変を見つけるのが本作の趣旨。
『偽夢』などでだいぶメジャーな間違い探しジャンルになったけど、これの開祖ってなんなんだろうね。

チュートリアルでは道の真ん中にでっかいアヒルが現れるという、イージーな異変が発生しています。
それよりずっと異様に見えますが、右のマネキン2体は異変ではありません。噓だろおい。

撮影に成功すると異変をカメラに封印することが出来、マップ上からは消失します。
同時に出現する異変は1つまで。
撮影に成功、あるいは異変がないと判断したら先に進む、というお馴染みの工程を繰り返していきましょう。

クリアすると、通りの最初にある積まれたテレビに青い目が一つ点灯。失敗すると消えてしまい、連続クリアーで点灯が増えていきます。
これがすべて点灯すると一旦クリアーです。

また、ゲームを進行していくと徐々に時間が経過し、暗くなっていきます。
異変は多分ランダムで発生するので、運が悪いと暗い中で異変を探すことになるでしょう。
カメラに照明機能があるので、バッテリー消費と引き換えに探索を続けることになります。
異変の内容はあまり意地悪なものもなく、ちゃんと観察していれば大抵は発見できる。
こんなん見つかるかよ!と思わされたのは1つだけだったかな。
更に本作のカメラは、異変の付近にいるときノイズが走るという異変レーダー的な機能も備えており、異変が見つからないときはカメラを使って虱潰しに回ることで、ほぼ確実に異変を見つけることができます。
ちょっとズルすぎないか、と思うところですが、カメラにはバッテリー制限があり起動するたびに電池が減っていくので、むしろそうした使い方まで踏まえての難易度設計なんですね。
ちなみにイージーモードでやると、カメラのバッテリーが無限になります。
カメラ構えて通りを歩けば確実に判断ができるし、トロフィー獲得にも影響はないので安心。

もう一つ面白いのは、異変に応じた架空のテレビCMを見ることが出来るギミック。
その周で見つけた異変に応じて、例えば飲食店の異変を見つけるとそのお店のCMを見ることが出来たりします。

世界観の補強くらいに収まっているものもあれば、行方不明者の捜索情報なんていうホラー感を強化してくる映像もあったりします。
文字も音声もすべて中国語ですが、なんとなく何を伝えようとしているかはわかるのが面白くもあります。
一度見たCMはホーム画面の「シアター」から何度でも閲覧可能です。

難点としては、先述したとおり、一部のテキストメッセージしか日本語化されていないこと。
メニューの言語には一応「日本語」があるのですが、ゲーム中に出てくる指示や映像は中国語のままなので、なんとなくのニュアンスで判断しなければならないことが結構あります。
最初の頃はそう困ることもないのですが、ゲーム後半で起こるとあるイベントでちょっと困ってしまった。
一部、わからなかったところはスクショを取ってChatGPTに教えてもらったりして。
その内容自体がネタバレを含むところがあるので、ページの下の方に攻略フローチャートみたいなものを置いておきます。
というわけで『无人』でした。
本当はテレビを全て点灯させた先も結構あるのですが、画像を貼ると露骨にネタバレになってしまうので、ネタバレ無し感想ではここまで。
そこからがまた楽しくて、演出的にも凝っていた部分で面白かったですね。

また、本作にはなぜか「旧正月特別モード」という謎のモードがありまして、このモードでは通りが旧正月のように飾り立てられています。

ゲーム性も変化し、このモードでは町中にある「福」の字を10個見つけて撮影することになります。
謎すぎるけどクリア後に遊ぶと新鮮で楽しかったです。
では、以下にネタバレ込みのレビューです。
ネタバレ込みレビュー

ゲーム開始時は狭い小部屋で目を覚まします。
タイトルメニューでゲームを始める選択肢が「夢の中に入る」なので、この時点でもう夢の中のようです。
テレビに書かれている文字「看这里」は「ここを見て」という注目を促す単語らしい。
カメラを回収しましょう。
これで異変を捕獲していくことになります。

これから何度もループしていくことになる町並み。
初回はアヒルの置物が道の真ん中にいるので、それを撮影しましょう。
取り終えたら道なりに進むと、ループしてさっきの小部屋に戻ります。

アヒルを撮影してくると、「写真裏に異変について書いてあった場合は撮影の成功です」みたいな補足が表示されています。
ドアを開けてまた先へ進みましょう。

その後は撮影・もしくは異変がないことを確認して進むことを繰り返します。
5つくらい撮影を終えると、その頃にはもう真っ暗になっていると思います。

カメラ越しに見ればなんとか目視できるくらいの明度になるので、バッテリーと相談しつつカメラを使いましょう。
イージーモードだとバッテリーは100%固定なので安心。

ノーマルだと7周目あたりの段階で、テレビ横に補充用のカメラバッテリーが置かれているイベントが発生します。
これで100%まで回復するので、実は意外とガバめにバッテリーを使っても大丈夫という。
このバッテリーは取らない限り残り続けるので、バッテリー残量が危うくなるまではキープしておくことができます。

10周クリアすると、明るくなる代わりに空中にモニタが大量に浮かぶという、新しい異変に遭遇します。
また、赤いモニタが現れて「别想找到我(私を見つけられると思うな)」と意思表示してきます。
ここがね…中国語を読めないとわからない。わからなかった。
この大量のモニタが浮かぶ空間で、さっきの赤いモニタを探すことになります。
しかし赤いモニタはフェイクが多くある上、モニタごとに違う向きを取っていたりするので、なかなか見つけられない。

さっきまでのドアも何かで塞がれていて、通ることができなくなっています。
具体的に明示はされないんだけど、BGMに心音が混じり始め、その鼓動が徐々に早くなっていくことでタイムリミットが演出されます。
時間切れになると、赤いモニタに囲まれてゲームオーバー。

ここでの正解は、いくつもあるモニタの中から唯一ある青いモニタを見つけて、撮影すること。
それに成功すると、モニタが全て沈黙して先に進めるようになります。

次のループでは、紙が大量に飛び交う嵐の中、さっき見つけたモニタを追いかけることになります。

近づけばきちんと文字を読むことが出来ます。
さすがにこれは意味を読み取れなかったんだけど、あとでChatGPTに和訳してもらったところ
「試験に受からなかったら、人生終わりだよ」
「20歳を過ぎたら、どうする?」
「付き合ってる人はいるの?」
「子どもを作らないの?」
「住宅ローンの返済は?」
などの、社会から受ける様々なプレッシャーを表現したもののようです。
そんな言葉が書かれた紙が吹き荒れる嵐の中、そしてここが子供時代の夢の中ということを踏まえると「現実は辛いことばかりが自分に襲いかかってくる」「だからこの夢の中に残っていたい」という心情の現れでしょう。
ちょうど『Millennium Dream/千禧梦』にもそういう文脈がありましたが、教育戦争が日本よりはるかに苛烈な中国ならではのムーブメントらしいです。
このループでは道の先が紙に埋もれて塞がっているのですが、むりやりくぐり抜けることができます。
ただし、くぐり抜けた先で赤いモニタに捕まってしまう。
このモニタが怪異とか、悪意を持った邪悪な何かなのかわからないけど、このループの示唆するところを考えると、ここから出ていかず留まることを選んだのは実はプレイヤー自身、ということかもしれませんね。
ここで一度ゲームが終了し、タイトル画面に戻ります。
するとゲーム開始の選択肢「夢の中に入る」が「深く夢の中に入る」に変化しています。
そう、このゲーム一周目でバッドエンドを迎えた後、リトライすることで始まる二周目が存在するのです。
二周目

基本的には同じ流れになっていますが、ループ構造が少し変わっており、通りの最初にあるクリア進度モニターの表示が変化します。
必要なクリア回数が増えてちょっと難しくなっていますが、先述の通り見つけるのが困難な異変は1つ2つなので、ちゃんとカメラでノイズによる異変チェックをしていれば、数字の大きさほどには難しくないはず。

異変探しをクリアすると、二周目でも再び「别想找到我(私を見つけられると思うな)」のモニタが現れますが、今度は浮いているモニタが全て青い目のものになっています。
それを受けて赤いモニタは青いモニタに自分を偽装。
大量にある青いモニタの中から、正体を隠している赤いモニタを3回見つけるイベントが発生します。

さっきまでの異変発見進度カウントモニタに「找到伪装的红电视(偽装された赤いテレビを見つけろ)」とあり、カウントも00/03になっていますね。

偽装されたモニタは見た目にはわかりませんが、カメラを使うとノイズが発生することで区別することが出来ます。

モニタは見つけるたびに赤い画面でメッセージを送ってきます。
「留下来吧(ここに残って)」
「留下来好吗(ここに残ってくれないの?)」
「难道不留下来吗(まさか、本当に残らないの?)」
となり、つまりは居心地の良い子ども時代の夢の中に留まっているべき、と訴えています。

全て見つけて撮影するとモニタが落下していく。異様な効力が消えたのでしょう。
奥の扉も進めるようになっています。

次のループではモニタは消えており、唯一青いモニタが
「那家伙和异常都已经消失了(あいつも、異常も、すでに消えてしまった)」
「随便逛逛吧,不用在意我(好きに見て回っていていいよ。僕のことは気にしないで)」
と教えてくれます。
お言葉に甘えて、最後に街の風景を楽しんでおきましょう。

去り際には「再見(さよなら)」と挨拶を交わして夢の世界から目を覚ましましょう。
ということで「无人」の攻略チャートでした。
いわゆる異変発見ゲーというのは、大抵異変さえ見つければそのままクリアできるものですが、このゲームはその先にまた別のイベントが展開するのが新鮮でしたね。
異変一覧
以下は今回の異変一覧。
カメラのおかげでガチで見つけられない!ってものはないと思うけど、ゲーム名でググっても攻略情報とか出てこなかったので、念のためここに記載しておきます。
| #001:黄色いダック | チュートリアルで撮影するもの。 |
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| #005:追跡者 | マンホールが自分を追いかけてくる。 見ている間は動かず、視線を外すと動き始める。 反応が鈍く、視線をあわせたあともちょっとだけ動くのがカワイイ。 ゲーム後半、夜間になると見つけるのはまず無理。 |
| #006:井戸の下 | バンバン叩く音が聞こえ始める。 マンホールの蓋が内側から叩かれて振動しているので、それを撮影すればOK。 音にはすぐ気付けるが、動きが小さいので結構見つけづらい。 |
| #007:井戸の底 | マンホールが開いている。 覗き込むと奥が見える。 |
| #008:写真 | 美容室の鏡上に貼ってある写真がまばたきをする。 多分本作中最難関。動きが小さすぎて全くわからん。 |
| #009:反射 | KoFの隣の筐体を覗き込むと、少年の顔が浮かぶ。 夢の中の主人公の姿だろうか…。 美容室の鏡で発生することもある。映り込むのは同じ少年の顔。 |
| #010:無限空間 | 美容室の奥に謎の空間が広がっている。 椅子が無数に組み合わされた廊下のようになっている。 空間をフォーカスに入れて撮影すればOK。空間の中から撮影することも出来る。 |
| #011:無重力 | 室外機が宙に浮いている。 いずれかの室外機に近づいて撮影すればOK。 |
| #012:故障 | いずれかの店の看板がバグる。 文字がかすれて消えるような感じ。 |
| #013:空白 | 右手側にある病院の看板から、文字が消えている。 |
| #014:シェフ | 飲食店の看板に描かれているシェフが横移動をする。 |
| ? | |
| #016:プラスチック人間 | マネキン2体が消える。 1体は赤い提灯の下に、もう1体はゲーセンにいる。 両方撮影して初めてクリア。 |
| #017:長髪 | 美容室の奥の壁に長髪が垂れ下がっている。 前兆として、部屋の照明が明滅する。店内に入ると一度電気が消え、再度点灯すると現れる異変。 |
| #018:かくれんぼ | 道路の真ん中になぜかデカイ椅子が現れる。 接近すると消える。 小さくなってゲーセンの筐体の上に移動しており、それを見つけて撮影すればOK。 |
| #019:生き袋 | マネキン2体の奥にある黒いゴミ袋がちょっとずつ動く。 ずりずりと引きずるような音がする。 |
| #020:監視者 | 「一米阳光」の看板横にある監視カメラが動いている。 |
| #021:コピー体 | 2階以上にある室外機が何故かテレビになっている。 |
| #022:清掃 | 美容室のカランを動かすと赤い水が出る。 血かと思ったけど、タイトルが「清掃」なら赤錆なのかしら。 |
| #023:池 | 美容室の奥に謎の空間が広がっている。 中に入って進むことも可能。 空間をフォーカスに入れて撮影すればOK。空間の中から撮影することも出来る。 |
| #024:影 | マネキンの影が手を振っている。 他、ゲームセンターのシーリングファンが回っていないのに影だけ回っている、というケースもある。 |
| #025:増殖 | ケーブルが異様に増え、壁から地面まで這っている。 |
なお、2~4、15のみ不明。
合計4時間以上、何度も再走して確認してみたんだけど出てこなかったです。
同じ異変が何度も重複して出てしまうようになるまで回って出なかったので、実装されていないのかも?

シアター画面を見ると、これで異変は全部埋まっていそうなんですよね。
5~(15だけ飛ばして)25まで、なんて奇妙なラインナップあるんだろうか。
なお特定の条件を満たすと、隠された画像というのがオープンになり、シアターの新しい動画が閲覧できます。
私が見つけられたのは2と3なのですが、うち3はいつ解放されたのかわかりませんでした。
2は「#023:池」で一番奥まで進んで、暗闇に隠れた象の滑り台を見つけたときでした。
ネタバレあり感想
いいゲームだった…今更になって、8番出口ライクでこんな素敵なゲーム体験が出来るとは思わなかった…。
本当に最初は、ただゲーム内で中国の庶民的な町並みを歩きたいというだけで始めたんですよね。
『Millennium Dream/千禧梦』がとても良かったので、それに類似した体験をしたいというのが最初。
『原神』の璃月や『エンドフィールド』の武陵も中国風の町並みを体験できるけど、やっぱ現実をモチーフに再構築されたこういうゲームは現実感が違うんだよね。
町を綺麗にパッケージングしてやろうという感じがしないというか。
汚いところがあるところまで含めてゲーム内に再構築してくれている。
異変探しも、大抵は一目見てわかるものだったり、わかりにくいものでもカメラのノイズから追跡が可能だったりして、過去に遊んできた異変探しゲーの中では特にイージーな設計になっていると感じました。
というよりは、異変探しの先にあるイベントが本体だから、そこまでの過程で詰まないように作ってあったのかな?
夢の中の光景が「これ」であった意義もあったし、受験戦争の厳しさ(聞いた話でしかわからないことだけど)などの、厳しい状況から目をそらす少年時代のノスタルジーそのものが「乗り越えるべき相手」であり、その苦しさを乗り越えて目を覚ますことが「ゲームのクリア」となる…という構造も美しかったですね。
日本語対応が中途半端だったところは残念ではありましたが、逆に言うと旅行先でスマホ片手に知らない町を探索した感もあり、大変楽しいゲーム体験でした。
同じような景色が楽しめるゲームを求めていますので、もしご存知のタイトルがあればぜひとも教えてください!
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